表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
528/583

第528話 【戦いを終えて・2】


 その後、俺は数日振りに宿の部屋へと帰宅して、受付の所に居るリカルドの所へと向かった。


「無事に戻って来たみたいだな。おかえり、ジン」


 リカルドは笑みを浮かべながらそう出迎え、俺はそんなリカルドに「ただいま」と言葉を返した。

 それから場所を食堂に変えて、リカルドに俺達が居ない間はどうだった聞いた。


「まあ、何かあったかと聞かれたら、特に何もなかったな。ジンが居る時は騒がしいけど、居なくなると本当に静かなんだよな」


「俺が騒ぎの原因みたいに聞こえるんだが……」


「今まで知らないだけで事件も沢山起きてたんだと思うが、ジンは色々とそういうのを引き寄せる体質なのかも知れないな。ジンと会ってから、色んな事を目にしたからな」


 リカルドがそう言い、確かに事件にここ最近は関わり過ぎてる気がするなと思った。


「そう言えば、前から気になってたんだけどよ。ジン達は何か目標とかあるのか? 大抵の冒険者は、強さを求めたり、大金を求めたりしてるが。ジン達って、もう強さも十分あるし、金だって俺が知ってる限りでもかなり持ってるだろ?」


「目標か……確かに、最近は無いな。前は強くなる事だったり、迷宮踏破を目標にしてたが、最近はそういうのが無いな……」


 以前までは確かに目標というものがあったが、最近はそう言うのは無い気がする。

 勿論、忙しくて考えてなかったというのもあるが、今こうして考える時間があっても何も浮かばない。


「目標が無いなら、一つジンに丁度いい目標を提案してやろうか?」


「何だ。その丁度いい目標って?」


「冒険者ランクを最高ランクである白金にするってのはどうだ?」


 リカルドのその言葉に俺は少し考え、確かにその目標はありかも知れない。


「だけど冒険者ランクか……そうなると、必然的にギルドに行く事になるんだが暫く行くのを止めていたから、なんかこう行き辛さがあるんだよな~」


「その辺は冒険者は自由なんだし、別にいいんじゃないのか? というか、ジン達の場合は最近は冒険者の仕事は休んでるがそれ以前はかなりのハイペースでやってたから、丁度良いとは思うぞ?」


「そうなのか? その辺、あまり知らないんだよな……確かに頑張ってた時、フィーネさんからは休んだ方が良いとは言われてた気がするけど」


「基本的に中堅以上の冒険者は、ある程度大きな依頼を終えたら休むのが普通だな、ジン達みたいにずっと動いてる奴等はまあほぼ居ないな。ほら、ジンがよく知る冒険者のルーク達だって、休む期間を設けてるだろ?」


 確かに、言われてみればルークさん達は大きな依頼を終えた後はちゃんと休んでいるな……。

 正直、近くに居すぎて自分の中で気が付いてなかった。


「だから今回のこれくらいの休み期間は、冒険者ギルドとしても普通だと感じると思うぞ? 今までの働きを考えたら、別に一年間休んでもギルドとしてはそれ以上の働きをしてくれてるから文句は言わないと思うな」


「そうなのか、その辺の常識は全く知らなかったな。流石、宿屋の店主なだけあって冒険者事情に詳しいな」


「まあ、殆どルーク達の情報だけどな」


 リカルドは笑いながらそう言い、俺は「今日の夜にでもクロエ達に話してみるよ」と言って食堂を出て行った。

 それから俺は夜まで休んでいようかなと思ったが、ハンゾウにお礼を言いに行こうと思いハンゾウの店へとやって来た。


「ジンが王都に戻って来たって事は、無事に悪魔は退治できたのか?」


「倒せたよ。獣人国にはびこってた悪魔共も全員力を封印してな、もうあそこの土地は安全になった」


「たった数日で数百は居たであろう悪魔を退治するとは、流石は英雄様だな」


 ハンゾウはニヤッと笑みを浮かべながらそう言い、俺はそんなハンゾウに対して「今回は本当に助かったよ」とお礼を言った。


「お前が船を用意してくれてなかったら、船旅の時点で諦めていたかもしれない」


「事前に獣人国の船は知っていたからな、万が一あれで行くってなかった時の事を考えて準備をしておいたんだよ。それに丁度、大きな船を手に入れようと思っていた所だったから丁度良かっただけだ」


「だとしても、本当に助かった。これはそのお礼の品だ」


 俺はそう言いながら、テーブルの上に数百枚の金貨と最高品質のレンが作った回復薬。

 そして、未だ俺達以外誰も踏破してない迷宮の階層で採れる高品質の素材を渡した。


「こ、こんなに貰っていいのか?」


「今回はハンゾウの力が無かったら到底無理だったからな」


 流石のハンゾウでもこの量のお礼の品には、顔が引き攣っていて貰うのを躊躇った。

 金貨だけでいいと言うハンゾウに対して、貰わないならその辺の川に捨てると脅すと、ハンゾウは渋々受け取ってくれた。

【作者からのお願い】

 作品を読んで面白い・続きが気になると思われましたら

 下記の評価・ブックマークをお願いします。

 作者の励みとなり、作品作りへのモチベーションに繋がります。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ