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第523話 【獣人国の悪魔退治・1】


 根城へと到着した後、直ぐに師匠はこの一帯を囲むように結界を張った。

 これで悪魔が逃げようとしても逃げる事は出来ず、降伏か俺達に倒されるかの二択となった。

 突然、結界が張られた事に魔力に敏感な悪魔達は慌てて、その結界の発生源である俺達の所へと集まって来た。


「な、お前達は別大陸へと英雄を探しに行った者達ではないか、何故ここに居る!?」


「それはこれが理由だよ」


 俺はそう言って、力を封印されて縄でぐるぐる巻きにされたアルヴィスを悪魔達に前に突き出した。

 悪魔達はアルヴィスの変わり果てた姿を目にすると、ジリッと後ろに少しだけ下がった。 

 そしてそんな悪魔達の前に、後ろで姿を隠していた師匠が出て来ると、悪魔達は逃げ出そうとした。


「あら? 何、逃げようとしてるのかしら?」


 師匠は一瞬で悪魔達の後方に壁を作りだすと、悪魔達を逃がさないように取り囲んだ。


「獣人国は別大陸で私があまり見に来ないからって、好き放題していたみたいね? 悪魔界で生きるか、こっちに来ても大人しくしてるなら別に私も処罰はしないわ。でも、悪さをしたら罰を与えるって伝えてあるわよね?」


「や、止めてくれ! 力は封印しないでくれ!」


「で、出来心だったんだ! 許して!」


「無理ね」


 悪魔達の必死の懇願に対し、師匠は笑顔でそう言うとこの場に居た悪魔達の力を一瞬に力を封印して、魔法で悪魔達を捕まえた。


「ジン君、戦う気満々で来てたんだけど。マリアンナ様が居たら私達って必要なくない?」


「いや、ほら悪魔の数は多いから、師匠が相手出来ない悪魔達を俺達が相手しておいて、順番に力を封印してもらうんだよ。と言う訳で、俺達も行こうか」


 俺がそう言うと、レイ達は動き出して悪魔との戦いを始めた。

 戦いが始まって少しすると、師匠が悪魔を一匹捕まえて、俺の所へと来た。


「弟子ちゃん、それじゃ今から悪魔の力の封印方法を教えるから、ちゃんと見ておくのよ。口頭で説明は難しいから、見た覚えてね」


「はい。分かりました」


 師匠の言葉に俺はそう返事をして、悪魔の封印する光景を俺は見学をする事にした。

 師匠はまず、いつもの玉を取り出すと悪魔に近づけ、自信の魔力を玉に流し込み、師匠の魔力が少し入った玉を悪魔に押し付けた。

 そして師匠はその玉の中の自分の魔力を抜き、その過程で悪魔側の魔力をその玉の中に入れ込むような事をした。


「えっ、今のって何ですか?」


「この玉を使って、悪魔の力の源を抜き取ったのよ。原理としては、強い魔力を持つ私や弟子ちゃんなら、悪魔の力を抜き取る事が出来るのよ」


「……成程、玉ややり方が分かればいいって事じゃないんですね。大事なんのは魔力があるかって事ですか」


「そうね。弟子ちゃんの魔力量は悪魔の力を上回っているわ。だから、今の弟子ちゃんなら大抵の悪魔の力を封印する事が出来るわ。さあ、次は実際にやってみましょうか」


 師匠はそう言うと、サッとその場から消えると一匹の悪魔を連れて戻って来た。


「は、離せ! 俺を実験道具にするんじゃない!」


「あら、実験道具になれたんだからいいじゃない。他の悪魔はただ力を奪われて倒れてるだけなんだから、有効活用してあげてるんだから感謝しなさい」


 師匠は暴れる悪魔を締め上げながらそう説教をして、俺にやってみるように指示を出した。

 少し、緊張するな……よしっ!


「良いわよ。その調子」


「は、はい……」


 師匠は平然とやっていたが、初めての俺はかなり集中しないと自分の魔力を玉に持っていかれそうになった。

 だが師匠の見てる前で失敗は出来ないと強い気持ちで、俺は玉から自身の魔力を抜き、悪魔の力を引っ張り出した。


「一発で成功したみたいね。流石、弟子ちゃんね」


「は、はい。少し疲れましたけど、何とか成功出来ました……」


 何とか一発で成功出来たが、師匠みたいに直ぐに封印を行うにはまだ経験が足りないと感じた。

 しかし、目の前には沢山の悪魔が戦っている。


「師匠。俺はまだ経験が足りないと思うので、一部の悪魔の封印は俺に任せて貰えないでしょうか」


「そのつもりだったわ。でも、無理をしちゃ駄目よ? 最初だから、かなり気を使うと思うから倒れない程度でやるのよ」


「はい。分かりました」


 師匠からの忠告を聞いた俺は師匠とは別の場所へと向かい、レイ達が倒した悪魔達の力の封印を行った。

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