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第521話 【獣人国へ・3】


「レン、大丈夫か?」


 夕食を食べ終えた俺は、レンの分の食事を【異空間ボックス】に入れてレンの部屋に様子を見に来た。


「何とか横になったらマシになった。迷惑かけてすまん……」


 レンは上半身だけ起こして、そう謝罪をした。


「気にするな。俺も仲間の苦手な事を忘れていたからな、それより飯は食べられそうか? 一応、持ってきたけど」


「食べるよ。船酔いで気分が悪かったけど、腹は減ってるからな」


 レンがそう言ったので、俺はテーブルの上にレンの分の食事を用意した。


「それより明日からの事だな、レンは多分作業に集中出来ない感じだろ?」


「そうだな、今はなんとか保ってるけど、何か作業を始めたらまた悪くなると思う」


「だとしたら、獣人国の中から何人か料理を出来る人を何とか探した方がいいな……配膳とか皿洗いは全部獣人国がしてくれてるけど、やっぱり準備の方の人数が少なすぎるからな……」


 今日も料理人は三人だけど、雑用作業は獣人国の人達がやってくれていた。

 しかし、それだと明日からはかなりきついと思うから、料理が僅かでも出来る可能性がある人を探して、一緒に料理を作った方が良い気がする。


「クロエはどうなんだ? 俺達が調理してる所、何度も見て来てるから少しは出来るんじゃないか?」


「そうだな、クロエとそれとイリスも今日手伝って貰っていたけど、元々一人で暮らしていただけあってスキルこそ無いが、ある程度の料理の知識はあったな……」


 そう俺は言って、取り合えずイリスとクロエには声を掛ける事が決まった。

 その後、レンの食事を終え皿を回収してから調理室へと戻って来て、皿洗いをしてくれてる獣人国の人に渡した。


「クロエ、イリス。明日からの食事の事なんだけど、二人に料理担当として来て欲しいんだけど」


「レン君、やっぱり無理そうなの?」


「何もしてなかったら、なんとか耐えられるみたいだが作業に集中したら駄目みたいだ」


 レンの状態について二人に話すと、イリスは「任せてください」とすんなりと受けてくれた。


「私、料理苦手だけど大丈夫?」


「難しい作業は、させないつもりだから大丈夫だとは思うよ。皮むきとか、スープを見てもらうとかそういう簡単な事を頼みたいんだ」


「それなら、私でも出来そう。それにレン君が居なくて困ってるなら、私も力になりたいから良いよ」


 そうクロエも言って、二人が協力してくれる事が決まった。


「ねえ、ジン君。クロエちゃんとイリスちゃんにはお願いして、私には言わないのって何か理由あるのかな?」


 二人と話をしていると、その隣で話を聞いていたレイが笑顔を浮かべてそう聞いて来た。


「レイ。人には向き不向きがあって、クロエは苦手意識があるだけでそこまで向いて無い訳では無い。だけど、レイには料理は向いてないんだ」


「そう直球で言われると、怒るに怒れないんだけど……まあ、でも自分でもそれは分かってるから良いよ」


 レイはそう言うと、俺達が料理してる間はレンの様子を見ておくと言った。

 その後、獣人国側の人達に話を聞きに行き、その中で料理に少しでも興味がある方、もしくは料理をしてる方を募集した。

 すると、数人名乗り出てくれた。


「あの、料理にはちょっとだけ興味があるんですけど、全くした事が無くても大丈夫ですか?」


「はい。最初から難しい事は頼まないので、そこまで不安に思わなくても大丈夫ですよ」


 心配して聞いて来た方に俺がそう言うと、明日から早速作業に加わってもらう為、調理室に来る時間を伝えて俺は部屋を出た。

 それから俺は部屋に戻り、この部屋には風呂が付いているみたいなのでお湯を沸かして風呂に入る事にした。


「個室に風呂までついてるとか、凄い船だな……」


 こんな船を用意してくれたハンゾウには心から感謝をして、風呂から上がった俺は明日も早い時間に起きるので早めに寝る事にした。

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