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第513話 【対獣人国・3】


「変な気ですか? どんな感じですか?」


「う~ん……そうだな。俺もあまり感じた事は無いけど、何となくだけどジンの持ってる刀から溢れてる気に似てはいるな」


 俺の刀から漏れてる気、それって、間違いなく悪魔の気じゃないか?

 そう思った俺は、刀からベルロスを呼び出して獣人国の方を見させた。


「ベルロス。向こうから、悪魔の気配は感じるか?」


「……感じるぞ。それも、かなり強い奴だな。魔女達から隠れる為にかなり気を隠しているみたいだが、同族である俺は分かるレベルだな」


「成程な、分かった。取り合えず、その悪魔の正体を確認した方が良いな。クロムさん、少し派手にやっても大丈夫ですか?」


 そうクロムさんに聞くと、クロムさんは「大丈夫だぞ」と言ったので俺は戦闘の準備を始めた。


「ベルロス。久しぶりにアレ使うぞ」


「ッ! マジか? 嘘じゃないだろうな?」


「こんな所で嘘を言ってどうする? 悪魔が居るんなら、同じ悪魔の力で対抗した方が良いだろ?」


 そう言うと、ベルロスは笑みを浮かべ「流石、ジンだな」と嬉しそうに言った。

 以前、俺はリウスの力を身に纏う戦い方を考えついた。

 その際、同じように力だけの存在となっているベルロスも出来ないだろうか? と考えついた俺は、同じようなやり方を試した。

 その結果、成功してしまった。


「悪魔モード」


 リウスと合体版の名称は〝竜人モード〟で今回のベルロスの力を身に纏うのは〝悪魔モード〟と俺は命名した。

 実際に悪魔となる訳では無いが、刀に封印されているベルロスの力の一部を身に纏う事で魔力をかなり上げる変身形態となる。

 魔力だけならば、リウスとの合体時よりも上でベルロスは戦闘に長けている為、俺の目となって活躍してくれる。


「久しぶりの戦いだ! 楽しませてくれよ。獣共!」


 悪魔モード時、俺の頭には悪魔の仮面の様な物が現れ、その仮面からはベルロスが言葉を発せられるようになる。

 仮面は俺から離れたり、攻撃する事は出来ないが、俺の目となってくれる。


「あれ、ジン君? その姿になったって事は、前に出るの?」


「うん。ちょっと問題ってか、気になる事が出来てね。楽しんでる所悪いけど、一気に片付ける事にするよ」


「は~い。十分楽しんだから、大丈夫だよ」


 レイは俺の言葉にそう返事をして、俺を見て怯えている獣人国の者達の方を見た。


「戦いはお前等が始めた事だから、そう怯えるなよ」


 そう俺は笑みを浮かべながら言い、刀を手に持ち獣人国の大群へと突っ込んでいった。

 魔力が底上げされた俺は、【身体強化】を最大限発動させ、更に魔法を全方向へと飛ばしながら、奥へ奥へと進んでいった。

 獣人達は悪魔モードの俺に対抗しようと突撃してくるが、今の俺はそこらの獣人では止める事は出来ず、ある魔力方へと俺は突き進んでいった。


「あいつからだな、変な気を感じるのは」


 獣人国の大群の奥には、一人だけローブを被った獣人が居た。

 そいつからは確かに、他の物とは違う魔力。

 悪魔に似た魔力を感じ取った俺は、【風属性魔法】でそいつのローブを吹き飛ばした。

 ローブが吹き飛ばされ、姿を露わにした獣人は特に変な姿はしていなかった。


「ふむ、どうやら完全に悪魔に憑かれた奴みたいだな」


 しかし、ベルロスは何かに気付いてその者が悪魔に憑かれた奴だと確信していた。


「分かるのか?」


「同族なら、分かる。ジンなら、あいつの目をみたら違和感に気付く筈だぞ」


 ベルロスからそう言われた俺はその獣人の目を確認すると、黒い瞳からはかなり強力な魔力を感じ取った。

 何故、目から魔力を感じ取れるのか分からないが、これが悪魔に憑いた者の特徴なのだろうと俺は覚えておくことにした。


「その魔力、その喋り方……お前は、もしかしてベルロスか!?」


「んっ? その魔力の発し方は、アルヴィスか?」


 獣人に憑いてる悪魔はベルロスに気付くと驚いた声を上げ、その声に魔力が乗っていたのかベルロスも相手の悪魔が誰なのか分かったみたいだ。

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