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第512話 【対獣人国・2】


「ジンお兄さま、ごめんなさい。役に立てなくて……」


 クロエと交代して後ろに来たイリスは、自分の力が足りずに下げられたと思っているみたいだ。

 今回の場合、力というより対人経験が少なく精神的に疲労したものだから、イリスは頑張った方だと俺は思っている。


「いや、イリスはよくやったよ。今回の場合、対人経験が少なく精神的に疲れたのが要因だ。イリスが気に病む事はない」


 そうイリスに言って俺は回復薬を飲んで、暫く休むように指示を出した。

 そこからイリスと交代して前衛に出たクロエはと言うと、かなり暴れているようだった。

 クロエからしたら自分の両親を追い詰めた奴等だから、手加減する必要性は無いだろう。

 そんなクロエが前に出て来た事で、獣人国を俺達は推し始めた。


「イリス。もう大丈夫なのか? きついなら、もう少し休んでいても大丈夫だぞ」


「いえ、もう大丈夫です。やれます」


 あれから少し経ち、イリスはしっかりと回復した様子でそう言って戦いに再び参加した。

 その間、俺は一人で獣人国相手に魔法で攻撃していた。


「ジンお兄さま、獣人国の方達一人一人の体力もそうですけど、やっぱり数が大変ですね……」


「そこはな、流石に国を相手に戦ってるんからな」


 こちらは7名という人数に対して、獣人国はそれの何倍もの数が集まっている。

 数に関しては文句は言えないからな。

 そう俺が思っていると、何やら獣人国に動きが見れた。


「オオォォォォ!!」


 複数の力持ち系の獣人族は、前衛に出て来ると地面をえぐり取り、こちらに向けて投石を放ってきた。

 その勢いは凄まじく、一つ一つがかなり高威力なものだった。

 しかし、高威力とは言え、ただの石である。

 俺はその投石に向かって魔法を放つと、今度は獣人国の後方部から俺の方へと飛んでくる獣人族が見えた。


「前衛が崩せないなら、後衛からってか? このパーティーの中に穴でもあると思ってるのんじゃないだろうな?」


 前衛三人、中衛、二人、後衛二人というこの俺達の陣形自体かなりバランスが取れていて、そこに配置されている人員もまた適格だ。

 俺は獣人族の攻撃を見なながらそんな事を考え、襲ってきた獣人族をそのまま飛んできた方へと吹き飛ばした。

 その後、獣人族はバラバラに行動しているのか。

 俺達を狙ったり、前衛のクロムさん達を狙ったり、更に奥のレン達を狙ったりしていた。


「ジンお兄さま、獣人族の方達なんだか急に動きが悪くなってきていませんか?」


「陣形が崩れているように見えるな。ただ体力的にはまだまだいけそうみたいだから、油断は禁物だな」


 陣形自体は崩れ始めてる獣人国だが、個々の体力などは未だ落ちる気配は無い。

 流石、クロムさんと共に戦った仲間などもいるだけあるなと、そう俺は思いながら戦い続けた。


「んっ?」


 獣人国の動きが悪くなり始めて少しして、前衛で戦っているクロムさんが何やら中衛の俺達の所へと下がって来た。

 もしかして、何か怪我でもしたのか?

 そう俺は一瞬思ったが、クロムさんは怪我をし下がって来た様子ではなかった。


「クロムさんどうしたんですか?」


「いや、実はなジンにちょっと話したい事があってな」


 クロムさんは前衛で戦いながら、獣人国の違和感を感じた事を俺に話してくれた。

 クロムさんも何年も獣人国と離れた生活をしているが、昔の記憶はちゃんと残っていて獣人国の戦い方も熟知している。

 そんなクロムさんだが、今戦っている獣人国には何やら違和感を感じ、変な気を感じ取ったと俺に言った。

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