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第511話 【対獣人国・1】


 朝食後、俺達は装備を身につけて決戦の場へと向かった。

 獣人国が到着するよりも早くにその場に向かった俺達は、この場で獣人国が現れるのを待つことにした。

 正直、ここで来たら完全に敵対する事になってしまうから、俺としては獣人国は清く諦めて欲しいと願っていたが。


「来たみたいですね」


「まあ、馬鹿な奴等という事だな」


 まだ遠くの方だが、獣人国と思わしき獣人族の大群がこちらに向かって来ていた。

 その数は昨日会った時と変わりは無く、獣人達は殺気立っていた。


「やる気みたいですね」


「そうだね。ジン君、結局力を借りる事になるみたいだ。本当にすまない」


「いえ、大丈夫ですよ。さあ、皆戦闘の準備を始めてくれ」


 俺がそう言うと、皆は武器を持ち戦闘準備を始めた。

 それから暫くそこで待っていると、獣人国が到着して最後の確認をクロムさんは行った。


「戦いで決めるんだな?」


「そうだ。我等はクロムを諦める事は出来ん」


 そうクロムさんの父親が言うと、獣人国の獣人達は行き成り【獣化】を発動させ、戦闘が始まった。


「クロムさん、レイ、イリスは前衛で獣人達の相手を頼む! エレナさんは、レンに獣人族を近づけさせないでください。クロエは俺と一緒に魔法で攻撃だ」


 戦闘開始して直ぐに、俺は皆に指示を出した。

 クロムさんから、このパーティーは俺が今まで指示を出していたから、自分も俺の指示に従うと言ってくれた。

 なので前衛職であるクロムさんはイリス達と共に前衛に入ってもらい、エレナさんはレンの護衛についてもらった。


「クロエ、行くぞ!」


「うん!」


 俺とクロエは同時に魔法を構築して、獣人国に対して魔法を放った。

 魔法が着弾する瞬間、獣人族達は複数人で咆哮を放ち俺とクロエの魔法を撃ち消してしまった。


「竜人族と似たような事を獣人族も出来るのか……だが、その咆哮がどれだけ続くかな」


 俺は回復薬を飲みつつ、魔法の攻撃を継続するように指示を出した。

 魔法のおかげで獣人国の殆どは、その対応に追われ前衛組は獣人国を押していた。


「よしっ、ここで更に押してやるか。リウス、出てこい!」


「きゅ~」


 リウスは俺に呼び出されると、そのまま空高くに飛び体を大きくした。

 突如、その場にドラゴンが現れ獣人国は驚き混乱した。


「リウス、遊びたいだろ? 向こうの奴等と遊んで来て良いぞ」


 俺の言葉にリウスは、獣人国の奴等を見て嬉しそうに尻尾を振った。

 そしてそのまま、リウスは楽しそうに獣人国を攻撃しはじめた。


「ジン君、リウス君は流石にやりすぎじゃないかな?」


「国との戦いにおいて、相手を心配なんてしてたらやられるからね。徹底的にやらないと」


 そう言いながら、俺とクロエは更に魔法を撃ち続けて行った。

 獣人国との戦いが始まって、こちらが一方的に攻撃する場面が続いていたが、未だ獣人国の勢いは止まっていない。


「流石と言うべきか、獣人国の獣人達の生命力は半端ないな……」


「体力が凄いよね。あれだけの魔法を撃ち消しながら、ちゃんと陣形をとって攻め続けてるよね」


 クロムさん達から話を聞いてはいたが、獣人国の体力は凄まじいものだった。


「う~ん……イリスも大分、体力が削れて来てるな」


「レイちゃんは大丈夫そうだけど、イリスちゃんは対人経験が少ないから戦いにまだ慣れてないんだと思うよ」


 迷宮で魔物との戦闘経験は沢山経験しているが、対人経験はそこまで無い。

 そのせいか、クロムさんやレイよりもイリスの疲労はかなり溜まっているように見える。


「あの状態のイリスはかなり危険だな……クロエ、イリスと交代できるか?」


「うん。大丈夫だよ。この日の為に、前衛の訓練もしておいたから」


「助かるよ」


 そう言った後、俺とクロエは魔法で獣人国の前衛を少し後ろに下げ、イリスとクロエを交代させた。

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