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第506話 【暇な日々・4】


 ハンゾウの店に着いた俺は、奥のハンゾウの所へと向かった。


「こんな夜遅くに連絡して、すまんな。ついさっき、俺の部下から連絡が来たんだ」


「いや、大丈夫だ。それより、報告の内容を教えてくれ」


 謝罪するハンゾウに対し、俺はそう言って報告の内容を尋ねた。

 そんな俺を見てハンゾウは、直ぐに切り替えて急いで作成したであろう資料と共に報告をしてくれた。


「成程、獣人国も本気でクロムさんを連れて帰ろうとしているのかも知れないな……」


 その内容は驚く事は無く、予想の出来た範囲だった。

 獣人国は数隻の船を用意し、その船には獣人国の現国王も乗り込み。

 更に大戦で活躍した者達も連れて、こちらの国へと向かったと言う内容だった。


「ハンゾウ、この内容を見てどう思う?」


「まあ、ここまで戦力を集めておいて戦いはしないとは言えないな」


「……だよな」


 その言葉を聞き、俺も獣人国は争いを起こしてでもクロムさんを連れて帰ろうとしているのだろう。


「そうまでして、連れて帰ったとしてあの男が国王になるとは思えないけどな」


「向こうに連れて帰れば、大人しくなるとでも思ってるんだろうな……まあ、クロムさんもエレナさんも、そしてクロエも獣人国になんかに連れて行かせないけどな」


「お~、デュルド王国の英雄様は強気だな。まあ、それを言うだけの強さをお前は持ってるからな」


 それからハンゾウには、引き続き獣人国の動きを見ているように頼み店を出た。

 そして俺は夜遅いが、重要な事だからと思いクロムさんの家に向かった。


「ジン? こんな時間にどうしたんだ?」


 クロムさんの家に行くと、眠そうなクロムさんが出て来た。


「すみません。こんな夜分遅くに、ですが早急に伝えないといけない情報が届いたので知らせようと思い来ました」


「ッ! 分かった。取り合えず、家の中に入ってくれ」


 クロムさんは俺の言葉を聞くと、そう言って俺を家の中に入れた。

 そして眠そうなエレナさんは、俺が突然来た事に驚いたが、直ぐに何かあったのだろうと察して真剣な表情となった。

 俺はそんな二人に対し、ハンゾウから聞いた報告と共に資料を二人に見せた。


「……やはりこうなったか。すまない、ジン」


「いえ、大丈夫ですよ。ある程度は予測で来ていた事ですから、クロムさんから獣人国は諦めが悪いと聞いて俺達もそれなりの準備を進めてますから」


「……ジンは本当に頼りになるよ。クロエは凄く良い仲間を見つけたな」


「そうね。ジン君が居てくれるおかげで、昔だったら取り乱してたと思うけど落ち着いていられるわ」


 クロムさん達は焦る様子も無く、落ち着いた雰囲気でそう言った。

 俺の存在が二人を安心させられている状況に、俺は嬉しさを感じつつ今後の動きについて話をした。


「ジン君。クロエ達はどうするんだい? 獣人国が動き出したなら、迷宮から王都に来るように言うのかい?」


「そのつもりです。ここからは相手の出方を見て、先手を取る事が大事ですからね」


 そう俺は言って、明日クロエ達も交えて話し合いをする事をクロムさん達に伝え、俺は迷宮の家へと向かった。


「あれ、ジン君? 何でここに居るの?」


 迷宮の家に入ると、リビングでレイが寛いでいて俺が来たことに驚いていた。


「獣人国の事で伝えたい事があってね。皆、家にいる?」


「うん。居るよ。呼んでくるね!」


 レイはそう言って、走っていくと少しして皆を連れて戻って来た。


「ジンが来たって事は、獣人国関連の事か?」


「レンは察しが良いな。ハンゾウの所から、獣人国が動き出したという情報を貰った。クロエ達には悪いが、訓練は終わりにして王都に戻って貰う事になる」


「獣人国が動き出したなら仕方ないですね……」


「もう少し訓練したかったけど、仕方ないね。イリスとの連携技の訓練は、また今度だね」


 レイの言葉を聞いたイリスは「その時までに、もっと強くなっておきますね!」と元気よく言った。

 その後、俺はクロエ達を連れて宿に戻り、それぞれの部屋で今日は休む事にした。

 翌日、俺は朝食を食べた後、クロエ達とクロムさん達を連れて拠点へと移動して、今後についての話し合いを始めた。


「獣人国の動きからして、ほぼ争いに発展しそうだな……迎え撃つとして、何処で対処するんだ?」


「港を出発して直ぐに連絡が来たから、獣人国がこっちの大陸に着くまで数日ある。その間に見つけようと思うけど……一番いい場所は、まだ開発が進んでない竜人国の土地となった元聖国の所だな」


「あ~、あそこならまだ人も住んでないし戦いには最適だな……ジンが行けば、竜人国も貸してくれるんじゃないか?」


「一応、話はしてみる。無理そうだったら、他の所を考えるよ」


 そう俺達は話し合いを続け、対獣人国に向けて作戦を練った。

 その後、話し合いを終えた俺は姫様の所へと行き、獣人国の情報を姫様に渡した。


「成程ね。結局、獣人国はまた来るのね」


「そうみたいですね。なので、一応こちらは迎え撃つ準備を進めてます」


「分かったわ。こっちでも何か情報を掴んだら、ジン達に連絡を入れるわね」


「助かります」


 それから俺は姫様に戦う事になった際、どの土地で戦うかの話となり俺達の話でも出た竜人国の空いた土地が最適だろうと姫様も言った。

 なので俺は早い内に竜人国に話を行こうと、姫様への報告を終えた俺は竜人国へと向かった。

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