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第505話 【暇な日々・3】


「ジン。今日も暇そうね」


 商業区をぶらぶらと特に予定も無く歩いていると、前からエリスさんがやって来てそう声を掛けられた。


「はい。暇ですね。エリスさんは買い出しですか?」


「そうよ。十分休暇期間を満喫できたから、そろそろ長期依頼にでも行こうかって話になって、その準備をしているのよ」


 ルークさん達は大会が終わった後、最高ランクまで上がり暫く休暇期間を取っていると聞いていた。

 その間、各々好きな事をしていてルークさんはより強くなる為、この休暇期間に更に自分を追い込もうと訓練を続けていた。


「いいですね。今度は何処に行く予定なんですか?」


「今は国が獣人国関連で騒がしいから、港とは逆に行こうかって話になってるわね。もしかしたら、他国に行くかも知れないわ」


「という事は、かなり長い期間って事ですか?」


「そうなるわね。まあ、長くても一ヵ月くらいかしら?」


 そうエリスさんは言うと、この後予定が無いなら一緒に食事でもどう? と聞かれたので、俺はエリスさんと一緒に食事に行く事にした。


「へ~、ガフカの工房長の婿探しね。ジンって、本当に色んな事をしているわね」


「今回は俺からじゃないですよ? ガフカには世話になってますから、力になろうかなって」


「まあ、でも確か工房長ってもう20代後方よね? 結婚時期的には少し遅い方だけど、頑張れば見つかりそうよね」


「条件はそこまで難しくないので、見つかってくれると嬉しいですね……」


 そう俺は言った後、ふとエリスさんは結婚とかは考えているのか聞いた。


「私? う~ん……別に考えていないわね。冒険者が楽しいから、辞めるつもりは無いし、ルーク達が辞めるってなっても多分一人でも続けてそうだしね」


「冒険者でいる事が好きなんですね」


「そうね。冒険者として生涯を終えようと考える位には好きね」


「かなり好きって事ですね」


 その後、エリスさんとの食事を終えた俺は店の外で別れて、俺はそのまま散歩の続きをした。


「一日散歩して時間を潰すって、本当に暇なんだな……」


 そうして陽が沈み、夕食の時間帯に俺は宿に戻り。

 リカルドから「結局、何してたんだ?」と聞かれたので散歩していたと言うと、そんな事を言われた。


「仕方ないだろ、他にする事が無いんだから……正直、ここまで来たら早く獣人国が動いてくれないかって思うようになって来たよ」


 俺はそう愚痴を零すと、リカルドから「まあ、それが終われば元の日常に戻れるしな」と頷きながら言った。


「だけど、獣人国も動きが遅い気がするな。戦う気がないなら、直ぐに船で来れそうだけど」


「まあ、俺達を欺いて戦いの準備をしているかも知れないけどな。クロムさん達も獣人国に居たのは、昔だからその間に変わった可能性も十分にあるからな」


「10年も経てば変わりそうではあるな……ましてや、獣人国って大陸統一国だから、どうなってるか予想も出来ないよな。戦いになったら、ジンは獣人国に勝てそうなのか?」


 リカルドは心配した顔つきでそんな事を聞いて来た。


「勝つしかないだろうな。その時は全力でやるよ。国にはこれ以上迷惑を掛けたくないからな」


「お前が全力を出すって、なんか怖いよな」


「怖いってなんだよ。別に俺は普通だぞ?」


「いや、普通ではないだろ? 悪魔を一人だ倒せる力があって、更に使役する力を持つ人間の事を普通って言うんだ?」


 それを言われたら、反論が出来ない……。

 リカルドの言葉に反論出来なかった俺は、その言葉を無視して注文していた料理を食べるのに集中した。

 その後、食事を終えた俺はシャワーを浴びて、部屋でゆっくりしていると部屋の扉をノックする音が聞こえた。

 俺はその音が聞こえてベッドから起き、扉を開けるとハンゾウの部下が立っていて「獣人国に動きがありました」と報告を受けた。


「わかった。今から行っても良いのか?」


「はい。ジン様なら直ぐに来るだろうからと、お待ちしております」


 ハンゾウの部下からそう聞いた俺は、下に一度行きリカルドに出掛けてくると伝え、ハンゾウの店へと転移で向かった。

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