表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
502/583

第502話 【獣人国の動き・4】


 軽食を済ませた後、俺と姉さんは次の目的であるシンシアの店へと向かった。

 姉さん達のパーティーは魔法使いが多い為、その回復手段としてシンシアの所で購入できる飴をよく使っているらしい。

 それの補充と他に何かいい物が無いか見に行きたいと姉さんが言ったので、一緒に行く事にした。


「あら、今日は仲良く姉弟で来たのね」


「はい。ジン君が時間があるらしくて、今日は二人で色んな所を見てるんです」


「そうなのね。本当にあなた達は仲が良いわよね」


 シンシアは俺達を店先で出迎え、俺と姉さんはそれから店の中を見て回る事にした。


「そう言えば、ジン達って最近獣人国と対立してるんでしょ?」


「対立はしてないぞ? ただ獣人国がクロムさんを連れて行こうとしていたから、間に入って話し合いをしたりしていたんだ。そう言えば、昔ここにクロムさんが来てたけどシンシアもクロムさんとは知り合いなんだろ?」


「ええ、彼とは彼がこっちの国で暮らし始めた頃からの知り合いよ。クロエちゃんがまだ赤ちゃんの頃は、抱っこした事もあるのよ?」


 クロムさんの事を聞くと、シンシアは昔からクロムさんとは知り合いだと言った。


「そんな前から知り合いだったのか?」


「ええ、彼が隠れて暮らさないといけないって言ってたから、色々と魔道具とか優先的に回してたりしてたのよ。その代わり、私が欲しい素材とかを取って来て貰ってたのよ。彼も冒険者として活動はしてたけど、あまり目立ちたくは無かったらしいから」


「なんだか昔のジン君みたいだね。でも、クロムさんの方が目立たない事に徹底してたみたいだね」


「確かに、俺は結局目立ってたからな……」


 姉さんの言葉に反論出来る事はなく、俺は納得しながらそう言った。

 その後、一通りシンシアの店で買い物を済ませた俺と姉さんは、夕食で使う食材を買って少し早めに拠点へと移動して来た。

 拠点に着いた後、姉さんにはリビングで休憩してもらって。

 俺は調理場で夕食の仕込みを始めた。


「部下達からジンが来てると言われてきたが、飯を作ってるのか?」


 仕込みを始めて少しすると、調理場にレドラスが様子を見に来た。


「姉さん達に料理を振舞おうと思ってな」


「そうか。なあ、ジン。調理してる間で良いんだがベルロスを貸してくれないか?」


「ベルロスをか? 何でだ?」


「実は、部下の中にベルロスに憧れていた奴が居るみたいで一度でいいから会いたいって煩いんだ。俺に貸すのが無理なら、後でそいつにベルロスを会わせてやってくれないか?」


 レドラスからそう言われた俺は、もう少しで終わるからその時に連れて行くとレドラスに言った。

 それから俺は調理を終えて、リビングで休憩していた姉さんにベルロスを部下に見せに行くと伝えると。


「ここで待ってても暇だから、私もついて行っても良いかな?」


 と言って、姉さんも一緒にレドラスの仕事部屋となってる部屋に向かった。

 そして部屋に入ると、部屋の中にはレドラスと悪魔が数人部屋の中で待機していた。


「もしかして、こいつらがベルロスに会いたい奴等か?」


「前から会いたいと思ってたらしいけど、配下になって直ぐは言えないと思って黙ってたらしいんだ」


「別にベルロスと会わせるくらいなら、直ぐだし言ってくれたら会わせたんだけどな」


 そう言って俺は刀を取り出して、ベルロスに出て来るように言った。


「ふぁ~。んだよ? 最近は戦いもしてないから、ゆっくり寝てたのに……」


「お前に会いたいって悪魔が居たんだよ」


 ベルロスはここ最近、戦闘をしてないからか暇でずっと寝ている。

 俺は寝起きのベルロスに呼び出した理由を話し、悪魔達と目が合うと「んっ? お前等か」とベルロスは知ってそうな雰囲気でそう言った。


「ベルロス様!」


 数人の悪魔達はベルロスを見ると、その場で膝をつきベルロスの名を呼んだ。

 それから話を聞いていると、この悪魔達は悪魔界でベルロスの側近をしていた者達みたいだ。

 ベルロスも悪魔界ではトップの悪魔だったから、そういうのも居たのだろう。


「一匹狼だと思ってたけど、ちゃんと配下を持ってたんだな」


「こいつらが勝手について回ってたんだよ。それで煩くて、召使として近くに置いてただけだ」


 ベルロスは少し照れたようにそう言つた。

 それから少ししてルル姉が来たので、俺はベルロスと悪魔達を久しぶりの再会を楽しんでいたのでそのままにしてルル姉の所に向かった。

 そして俺は姉さん達に料理を振舞うと、姉さん達は「凄く美味しい!」と美味しそうに食べてくれた。


「ジン。また腕を上げたわね……もうその辺の料理人よりも上なんじゃない?」


「ジン君の料理。前も美味しかったけど、更に美味しくなってるよ」


「ありがとう」


 姉さん達から美味しいと評価された俺は、心の中でガッツポーズをした。

 その後、何回もおかわりをした姉さん達はまた食べたいと言ってくれた。

 俺はそんな姉さん達と、今度はクロエ達も一緒で皆で食べようと約束をした。

【作者からのお願い】

 作品を読んで面白い・続きが気になると思われましたら

 下記の評価・ブックマークをお願いします。

 作者の励みとなり、作品作りへのモチベーションに繋がります。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ