第493話 【元英雄の強さ・3】
「そう言えば、クロエは空島で暮らしてる間はクロムさんと訓練をしてたんだよな? クロムさんって実際は、どれくらい強いのか知ってる?」
「ん~、お父さん私と戦う時は基本的に手加減してるから、実際の強さは分からないけど……私が本気を出しても、お父さんの手加減した強さにも勝てないよ」
クロエのその発言対し、レイは驚き嬉しそうな顔をして「それって今も!?」と更に聞いた。
「うん。お父さん運動してないからとか言ってたけど、お父さん基準での事だからね。生活する為に冒険者として生活してるから、衰えてるなんて事は無い筈だもん」
「確かにクロムさんって、冒険者として活動してたよな……」
そこまで本格的では無いかも知れないが、クロムさんは冒険者に登録をしていて活動している。
その事を忘れていた俺は、クロエの言葉を聞いて思い出した。
「クロエちゃんのお父さんって、得意な戦い方とかあるの?」
「色々使えるけど、やっぱり得意なのは剣かな?」
「へ~体術じゃないんだね」
「うん。お父さん、昔から剣が得意だったらしくてそれで使い続けてるみたい」
そんな話をしていると、俺達は目的の場所に到達したので依頼の対象の魔物を探した。
魔物は捜索開始から10分も経たずに発見して、俺達はその魔物を即座に倒した。
「やっぱり、ここら辺の魔物は弱いね」
「迷宮と比べたら、この付近の魔物は弱く感じるだろう。あそこの迷宮、最近は神様も楽しくなってきたのか俺達様に更に難しく作ってるみたいだからな」
遊戯神は俺達が自分の作った迷宮を攻略していく姿が面白いのか、一カ月間の間に更に階層が増えた。
今では最初の100層が、チュートリアルみたいな感じになっている。
「迷宮で思い出したけど、そろそろ顔を出さなくてもいいのか? ちょっと出てくると言って、もう最後に迷宮に入ってから大分経つんじゃないか?」
「……確かに、そうだな」
レンの言葉に俺達は一カ月間籠っていた後、迷宮を出る際に神様にはまた直ぐに戻ってくると言っていた。
だが大会があったり、獣人国との問題があったりして、迷宮から出て来てかなり日が経っている。
「まあ、神様も俺達が居ないならいないで迷宮作成に取り掛かってるだろうし、クロムさんとの訓練が終わったら一回戻るか」
俺の提案に皆は返事をして、それから俺達は王都へと戻って来て依頼の達成報告をした。
報告を終え、俺達は宿に帰宅した。
「ねえ、ジン君。最後にステータスを確認したのって、大分前だから今の皆のステータスを確認しとかない?」
宿に帰宅後、それぞれの部屋に別れようとするとクロエからそう言われた。
それぞれ自分では確認していたみたいだが、皆で見せ会うのはかなり前の事だ。
「確かに現状の確認をするのは大事だからな、分かった。それじゃ、俺の部屋に集まって確認をするか」
クロエの提案に乗り、俺達は俺の部屋に移動してまずは俺のステータスを皆に見せた。
新しいスキルは獲得していないが、レベルはかなり上がっていてその数値を見たレイは「なんでこんなに上がってるの!?」と驚いていた。
「後方から来る魔物とかちょくちょく倒していたし、何なら偶にボスも倒していただろ? レイは途中までレベル上げに専念してたけど、途中からクロエやイリスとの連携技の練習してただろ」
「あっ、そっか~。超えたかも? って期待してたのにな~」
「ふふっ、まだ最高レベルの地位は俺の物だな」
「む~、悔しい! でも、私もかなり頑張ったんだよ!」
そうレイは言い、いつもの順番で言うとクロエだが、今回はレイが先にステータスを見せる事になった。
✤
名 前:レイ
年 齢:17
種 族:ヒューマン
身 分:平民
性 別:女
属 性:火・土
レベル:124
筋 力:19142
魔 力:7147
運 :74
スキル:【戦斧術:5】 【体術:5】 【身体強化:5】
【火属性魔法:5】【土属性魔法:5】【気配察知:5】
【直感:5】 【剛力:5】 【集中:5】
【警戒心:5】 【威圧:5】 【強靭化:5】
【闘志:5】 【冷静:5】 【瞑想:5】
【魔力強化:2】
固 有:【怪力】
能 力
称 号:金級冒険者 怪力娘 遊戯神の迷宮攻略者
加 護:遊戯神の加護
✤
レイもまた迷宮探索では、新たなスキルの習得ではなくレベル上げに専念していた。
しかし、途中からイリスやクロエとの連携技に切り替え、魔法をよく使っていた。
そのおかげか、レイは新たなスキルとして【魔力強化】のスキルを習得していた。
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