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第488話 【獣人国との話し合い・2】


 資料の確認をはじめて30分程経ち、俺はある程度の人数にまで絞り込んだ。


「これ以上絞り込むには、実際に会ってみないと分からないですね。次、城に来る用事は獣人国との話し合いなので、その時に時間が合えはその人達と会ってみて選ぶ事も出来ますよ」


「資料だけでここまで絞ってくれただけでもありがたいのに、いいのか? 是非、頼む! 時間はこっちで調整する」


「ジン君、本当にありがとう。これで少しは希望が見えたよ」


 アンドルさんとユリウスさんは、俺が絞り込んだ兵士達に話をしておくと気分良さそうにそう言うと、部屋から去っていった。


「ジン、ありがとね」


「いいですよ。俺としても国が強くなってくれたら、それだけこっちに降りかかる面倒事が無くなりますからね」


 その後、明日の昼に城には正面から来るように言われて俺は拠点へと帰宅した。


「へ~、それじゃあ遂に獣人国がどういう考えなのか聞くんだね。そこでもし、力づくでも連れて行くみたいな話になったら戦いになるの?」


「う~ん……向こうも思ってた以上に慎重みたいだし、戦う事になるか今は分からないな」


 今までの情報を聞いた感じ、獣人国も争い事に発展させないように慎重に動いてる感じがする。

 その事をレイに伝えると、頬を膨らませ「え~」と不貞腐れた。


「レイ。今回は遊びじゃないんだから、我慢しろよ? 戦いが我慢できないなら、問題を解決した後にクロエと一緒に迷宮で暴れたら良いだろ?」


 不貞腐れたレイを見て、レンは注意をした。

 レンの言葉を聞いたレイは、不貞腐れたまま「は~い」と返事だけした。


「取り合えず明日、獣人国側と話をしてみていい感じにまとまってれるのを願うばかりだな」


「そうだな、穏便に済むならそれが一番良いからな」


 レンの言葉にそう俺は言って、夕食を食べ終えた俺は風呂に入り、明日の為に今日は早めに寝る事にした。

 翌日、朝食を食べて待っていると、王城から迎えの馬車が来たのでそれに乗って城に向かった。


「はじめまして、ディアナ・レンバルと申します。隣は弟のアディル・レンバルです」


「はじめまして」


 城に到着して、話し合いの部屋に行くと既に相手側は部屋で待っていて、二人から自己紹介をされた。

 俺はそんな二人に自分も名を名乗り、姫様の隣に座った。


「それで今回、話し合いを開いてもらった理由ですが。クロム様と私達を会わせていただけないでしょうか」


「会わせた場合、貴方達はクロムさんとその家族を連れて国に戻る。というお考えですか?」


「……国の目的はそうです」


「でしたら、俺は会わせることはできませんね。その家族の中には、俺の仲間もいますから」


 ディアナさんの言葉に対して、俺は正面からそう断った。

 正直、どういう風に話を進めるか直前まで悩んでいたが、遠回しに聞いても無駄だと思い真正面から突っ込んだ。

 その結果、獣人国の考えが〝クロムさんを連れて帰る〟という事が確定した。


「分かっています。こちらも何も調べずに来たわけではありません。なので、どうにかクロム様との話し合いの場を設けてもらえることは出来ないでしょうか?」


 ディアナの申し出が断れると、隣に座っていたディアナの弟がそんな提案してきた。


「しかし、一点だけご忠告ですが、その場でクロムさんを捕まえて連れて帰るなんて事は考えない様にしてくださいね」


「分かっております。他の者達にも重々説明しておきます」


 アディルと紹介された男は、俺の言葉に対して頭を下げるとディアナも一緒に頭を下げて礼を言った。

 それから、二人は直ぐにでも国の者達に伝えてこなければいけないので、と言って部屋から出て行った。


「良かったの、話し合いの場を作るなんて言って」


「はい。武力行使されるよりかマシですし、それにこのまま引きずったとしても問題が解決できるわけではないですからね。後で、クロムさんの所に行って説明をしてきます」


 その後、話し合いの場なら城を使っても構わないと、姫様は言ってくれた。

 そうして、獣人国との話し合いは城で行う事も含め、クロムさん達に伝えに俺は空島に向かった。

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