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第486話 【獣人国の対応・3】


 それから数日間、俺は王都に滞在しながら獣人国がどういう対応にでるのか。

 ハンゾウと姫様に協力してもらい、獣人国の監視を続けた。


「獣人国、意外と慎重だね。もっと、何か起こすのかと思ってたけど」


 ハンゾウの所で情報を聞いて帰宅してきた俺は、裏庭で訓練をしてるレイの所に行くとそう言われた。


「まあ、他の大陸だから派手な動きは抑えてるんだと思う。情報だと、向こうの獣人は血気盛んな奴らが多いらしいからな、多分その中でも温厚で話が出来る奴等がこっちに来てるんじゃないかな」


「そうだよね~。折角、戦いが終わってるのに今度は別の大陸と戦争って、獣人国からしたら嫌だもんね」


「それに獣人国は、国を整えるのにも今は苦労してるらしいからな。そんな他の大陸で問題を起こすわけにも行かないんだろうな」


 そうしてレイと情報の共有をした後、最近だと日課になって来ているレイとの模擬戦闘をする事にした。


「クロエちゃん、今頃何してるのかな?」


 模擬戦闘を一通り終え、休憩をしているとレイは空を見上げながら呟いた。


「空島はする事は無いからな……クロムさんと俺達と同じように、戦いの訓練でもしてるんじゃないか? レイ程では無いけど、クロエも体を動かすのが好きだからな」


「クロムさんと戦えるクロエちゃんが羨ましいな~」


 レイは数日前に見せたハンゾウから貰った資料を見て、クロムさんの強さが予想よりも上でその時から一度戦ってみたいとずっと言っている。

 そんなクロムさんといつでも戦える環境に居るであろうクロエに対して、レイは羨ましがっていた。


「まあ、戦えたとしてもその他が特にやる事が無い生活を送ってる訳だからな、レイは戦う相手が居るとは言え生活する範囲も決められたら、窮屈で嫌だろ?」


「……嫌かも、今でも外に出る時は変装魔道具とかして出かけてるから、それも出来ないってなると耐えられないかも」


 レイは羨ましがっていたが、直ぐにクロエの生活を想像してそう言った。

 そしてレイは問題が解決したら、クロエと一緒に好きなだけ買い物に付き合うと言った。

 その後、休憩を終えた俺達はレイはそのまま訓練を続けて、俺は汗を流しに風呂に向かった。


「あれ、イリス? どうしてこんな所に居るんだ?」


 風呂場に向かっていると、廊下でイリスと出くわした。


「レンお兄さまから、ジンお兄さまを呼んでくるように言われて呼びに来たんです」


「レンが俺を?」


 イリスからレンが俺を呼んでると聞いた俺は、イリスと共に地下の研究所へと移動した。


「レン、どうしたんだ? 俺を呼びだすって珍しいな」


「ちょっとな、薬を作りながら魔法玉の研究を進めていたんだが。ちょっと、面白い物を開発したから見せようと思ってな」


 レンはそう言いながら、魔法玉を装置から取り出した。


「魔法玉には魔力が込められるって事は、ジンは知ってるだろ?」


「ああ、それを利用して師匠が悪魔の力を封印する道具を作ってたりしてるから、そこら辺は理解してる」


 レンの質問にそう答えると、レンは魔法玉を両手で持ち魔法玉に魔力を流しはじめた。

 そして一定量の魔力を流し込んだレンは、今度はその魔法玉から魔力を吸い取り始めた。


「……んっ? 魔法玉の中に入れた分が回復してるのに、まだ玉の中に魔力が残ってる? というか、その魔法玉って【遊戯神の迷宮】で取れた物じゃないよな?」


「ジンも気づいたか? これは俺が研究で作った魔法玉だ。実はこの魔法玉には、中に込めた魔力を増やす能力を作ってみたんだ」


 レンは自分の開発した魔法玉に似た物を紹介すると、この玉の実用性について説明をしてくれた。

 回復薬等、薬系は消費したら無くなってしまうがこの玉だと中に魔力を少し入れるだけで増えて、いつでも回収が出来ると説明された。


「……また凄い物を作ったな」


「まあ、欠点もあるんだけどな。魔力が増え続けて行って、玉の容量を超えたら壊れてしまうんだ。だから、戦闘とかで使う際は壊れる前に中の魔力を完全に出し切らないといけない」


「成程、でもそれだけなら欠点って程ではないだろ? 魔法使いからしたら、回復薬という消耗品を使わなくても魔力を回復できるアイテムとして重宝されそうだな」


 そう俺はレンの開発した魔力を見ながらそう言うと、レンは「量産が出来るようになったら、また報告する」と言われた。

 

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