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第454話 【弟子の成長・1】


 第二試合は第一試合が終わってから、大体30分程準備時間に取られ、会場に第二試合に出る者達が入場して来た。

 その選手の中には、勿論この組に分けられたイリスが居り、元気よく俺達に向かって手を振っている。


「心配だったけど、緊張してないみたいだね」


「目的が俺達と同じ本選に出る事だからな、予選の選手相手に負けるなんて考えは持ってないんだろう。まあ、それが油断に繋がったらどうなるか分からないけどな、第二試合にも強者は入っているみたいだしな」


「あそこにいるのって、ジンの姉じゃないか?」


 俺の言葉の後に、会場を見ていたルークさんからそう言われ、俺はルークさんが教えてくれた方を見ると姉さんが居た。

 第一試合では、ルル姉とフィオロの二人で出ていたが姉さんの方は一人みたいだ。


「三人で出て、姉さんだけが第二試合に入ったみたいだな……姉さん、魔法使いだから大丈夫かな?」


 俺は姉さんの事を心配していると、そんな姉さんの所にイリスが近寄って何やら会話をしている。

 そして姉さんとイリスは抱き合って、自分達の戦いやすそうな場所へと移動していた。


「共闘するみたいだね。まあ、ヘレナさんは魔法使いでイリスちゃんは前衛で戦う能力だから組み合わせ的に良いよね?」


「ああ、それにイリスは姉さん達ともよく話をしていて絡みはあるから、ある程度の連携は取れるだろうな」


 姉さんとイリスが組んだ様子を見ていた俺は、他の選手はどうだろうと思い見てみると第一試合とは変化してる部分に気付いた。

 第一試合は、全体的に乱戦という感じだったが第一試合を見ていた第二試合の選手達は、ある程度固まって動いてる様子だ。


「即興で組んでるのか、元々仲間がいてやっぱり一緒に戦う事を選択したか分からないけど、第一試合とはまた変わった感じの試合を見れそうだな」


 その後、出場選手の準備運動も終わり試合開始の合図が鳴った。

 イリスと姉さんは試合開始と同時に動くのかと予想していたが、意外にも二人は序盤は目立たないように防衛に徹している。


「勇者さんと同じ戦法みたいだね。まあ、でもそうだよね。即席で作ったチームで、周りには沢山人が居るからペース配分も分からないもんね」


「あの戦い方は一番良いだろうな、まあ選手全員がその考えではなさそうだがな」


 姉さん達と同じ戦い方を選ぶ者もいたが、中には序盤から一気に飛ばして戦っている選手もいる。


「おい、ドルク。あそこで戦ってる奴、もしかしてお前の弟じゃないか?」


 試合を見ていると、ルークさんが会場のある場所を指してそうドルクさんに聞いていた。

 俺はルークさんが指した方を見ると、そこにはドルクさんとは似てない細身の男性が戦っている。


「手紙が来て、試合に出るって言ってたから俺達と同じで本選確定かと思ってたけど、まさか予選から出てるとはな」


「えっ、マジで弟なんですか!?」


「ハハッ、似てないだろ? 兄貴のドルクはこんな図体なのに、弟は細身だからな」


「図体が大きくて悪かったな」


 体の大きさを茶化してきたルークさんの頭を一発殴ったドルクさんは、会場を見ながら弟について話してくれた。


「弟は元々体がそんなに強くなくて、小さい頃はよく病気に罹っていたんだよ。だけど成長するにつれて強くなって来てな、その頃はもう俺達4人でパーティーが固まっていたからあいつも遠慮して、ソロで冒険者活動を始めたんだ」


「そうだったんですね。見た感じ、弟さんは剣士みたいですけど剣術も大人になってから習ったんですかね?」


「いや、ドルクの弟は元々剣の才能を生まれた時から持っていたんだよ。【剣術】のスキルレベルが最初から3で、更に剣神の加護も持って生まれてるんだよ」


 ルークさんのその言葉に対し、俺は「それは凄い才能ですね」と言葉を返した。

 その後、ルークさん達はドルクさんの弟の応援を始め、俺も視線をイリス達の方に戻すと、丁度イリス達が動き始めた頃だった。

 防衛に徹してる間、お互いの戦い方を把握していた二人は動き始めてからも、大分息の合った連携をしている。


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