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第452話 【武闘会・2】


「……やっぱり、探知能力に関してはクロエには負けるな」


 勇者達を俺よりも見つけるのが早かったクロエに、俺は流石という気持ちを浮かべながら言うと。


「本当に、クロエちゃんの探知能力は前から凄いよね」


「そ、そうかな?」


 俺とレイが褒めると、クロエは照れた様子でそう言って恥ずかしそうに笑った。


「ってか、勇者も武闘会に出るのかな? 流石に出たら、素性がバレるんじゃないか?」


「どうだろうな、態々見に来ただけってのは考えられないけど……」


「勇者なら出場するって言ってたぞ、旅で強くなった自分を試したいって言ってたな」


 勇者と会ってるルークさんは俺達の会話を聞いて、会った時にそう聞いたと言いながら教えてくれた。

 それから開会式が終わると、そのまま武闘会の予選が始まった。


「それじゃ、お兄さまお姉さま行ってきますね!」


 今回の武闘会は予選と本選があり、イリス以外の俺達は既に本選出場が決まっている。

 他に本選確定枠としては試合に出場をすると決めたルークさんとエリスさん、ユリウスも既に本選に出場すると聞いた。


「レンは良かったのか、本選から参加できるなら記念にでも出たらよかったのに」


「まあ、俺がジン達に勝つ未来が見えないから、無駄だと思ったんだよ。流石にジン達の実力を見てて、戦いを挑もうと思う程俺は戦いは好きじゃないからな、それならじっくりとここから観戦してる方がまだ良い」


「そっか、まあドルクさん達も出ないみたいだし、俺達が居なくても観戦は楽しめそうだから良かったな」


「人に見られながら試合なんて、俺には無理だからな……」


 話の中に自分の名が出たドルクさんがそう言い、レイはそんなドルクさんに一緒に観戦を楽しみましょうと声を掛けていた。

 その後、予選の準備が20分程あり、予選会に参加する者達が会場に集まっていた。

 その中にはイリスと勇者の姿があり、イリスはこっちに向けて元気よく手を振っている。


「ジンの予想だと、イリスちゃんは予選を上がって来れそうか?」


「そうですね。見た感じ、緊張はしてないみたいですから多分行けると思いますよ。この一ヵ月間、ずっと迷宮に籠って課題に取り組んでいたので」


 ルークさんの質問にそう答えると、予選の試合形式は2つのグループに分かれて集団戦だと発表されてくじ引きが始まった。

 グループ分けを見守っていると、イリスと勇者は別々の組になったみたいでちょっとだけホッとした。


「流石に強くなったイリスだとしても、勇者も含めた集団戦は厳しいだろうからな……勇者がどこまで強くなってるのか、分からないしな」


「そうだね。勇者さんもずっと旅してたみたいだし、魔王戦の時よりも強くなってそうだし、イリスちゃんと別れてよかったね」


 クロエも俺と同じ事を思っていたのか、俺達は安心した気持ちで試合を見れそうだ。

 その後、くじ引きは終わり第一試合に出る者達だけが会場に残り、各自準備運動を始めている。


「イリスちゃんは第二試合だし、第一試合は勇者さんがどう動くか見ておいた方がいいね」


 そうクロエが言い、俺は会場にいる勇者を見ると、勇者の持ってる武器に目が行き違和感を感じた。


「……ねぇ、勇者さん剣じゃなくて槍を持ってない?」


「ああ、槍だな……まあ、でも身分を隠すなら別の武器を使うのが良いだろうけど……あまりにも様になってるな」


「急に選んだって感じじゃなさそうだな、大分使い込んだ感じはするな」


 俺とルークさんは勇者の動きを見ながらそう言うと、準備が終わり試合開始の合図が鳴った。

 集団戦、いかに有利に動くかが鍵となってくる。

 目立ちすぎると、複数の敵から狙われるし、目立たず行動しても同じような考えの者が多すぎると意味がなくなってしまう。

 勇者はどう出るか? そう思い見ていると、勇者は乱闘状態となってる会場の中でスーと華麗な動きで敵からの攻撃を避けて移動していた。


「……勇者さんの戦い方、実際にじっくり見た事は無いけど想像していたのと大分違うね」


「旅の間、姿を隠す事が大事だっただろうから戦い方自体変えていたとしたら、あれから大分経つしあんな芸当も出来るだろうな」


 そう俺達は勇者の戦い方を見ながら、次はどんな動きをするのか、いつの間にか勇者の動きに夢中になっていた。

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