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第448話 【武の街へ・2】


 それから一時間程、部屋で待機しているとクロエ達が戻って来た。

 そしてそれぞれやるべき事を終えた事を伝え、俺はクロエ達に出発は明日だと伝えた。


「明後日が祭りの開催日だから、前日に行く感じになる。リカルド達にも伝えてあるから」


「了解。久しぶりのお祭りだから、楽しみだね~」


「うん! 聞いた話だと、各国から強い人が集められてるって聞いたから、もしかしたら戦えるかもだよね!」


 そうなったら絶対に戦いたいな~、と言ってレイは既に祭り気分となっていた。

 その後、武の街に行ったらやりたい事をそれぞれ出し合い、なるべくみんなで回れる所を多めに決めた。


「さてと、皆準備は良いか? 忘れ物とかあるなら、今ならまだ取りに行けるぞ」


 翌日、朝早くから俺達は宿のホールに集まっており、最終確認として忘れ物が無いか聞いた。

 そこにはクロエ達とリカルド達、そして宿の予約取りに負けて行くのを諦めていた姉さん達が居た。

 姉さん達には俺達が旅行に行く事を伝えると、予約取りに負けた事を聞かされ、それなら俺達の為に用意されてる宿に一緒に来ないかと聞いた。

 もう諦めて迷宮に籠ってようとしていた姉さん達は、俺の誘いに乗って一緒に行く事にした。


「大丈夫、忘れ物は無いよ」


「こっちも大丈夫だ」


「ジン君、私達も大丈夫だよ」


「了解。それじゃ、転移するから動くなよ」


 そう言って俺は皆と一緒に転移で、武の街から少し離れた場所に転移で移動した。

 この場所は以前、掃除の際にきた所で聞いていた街の近くでまだ手を付けていないと聞いていた。

 少しだけ歩く事になるが、特に文句を言う者は居らず逆にこの方が新しい街に入った気分を味わえるから良いと言われた。


「わ~、新しく出来た街なのに人が沢山だね~」


「王都より多そう!」


 街の中に入ると、レイとルリは人の多さに驚きながらそう感想を述べた。

 そして俺達は招待状に書かれていた宿を目指して歩き、俺達が泊る宿に到着した。


「じ、ジン? 本当に俺達はここに泊まるのか?」


「そう。招待状に書かれてるからな」


 招待状に書かれていた宿はかなり豪華な造りをしていて、リカルド達はその外見に驚いて、本当にこんな所に泊まるのか心配していた。

 そんなリカルド達を連れて、俺は宿の中に入ると、出迎えてくれて宿の人から「ジン様、お待ちしておりました」と声を掛けられた。


「えっ、俺の事知ってるんですか?」


「はい。ジン様は竜人国では有名ですから、それに連絡が入って今日こちらに来ることも伝えられていましたのでお待ちしておりました」


 竜人族の方にそう挨拶をされ、俺達も挨拶を返して部屋に案内してもらった。

 部屋は俺達の分も含め、かなり用意されておりリカルド達と姉さん達がそれぞれ使える部屋まであった。


「こんなに用意してもらって、逆に悪い気がしてくるな……泊まれない人もかなりいたんですよね?」


「そうですね。この街を作る際に観光地として運営する為、宿も多めに作ったのですが、こちらのジン様方の為に用意させてもらいました宿以外は全て予約されました」


 そんな大人気の街に俺達の為にと、一番豪華な宿のワンフロア用意してもらうなんて、本当に竜人国には感謝しかないな。

 その後、部屋に案内された後、この宿の施設を紹介してもらい、夕食は部屋で食べるか食堂で食べるか選べたので、食堂で食べると伝えた。


「それでは、ごゆっくりとお過ごしください」


 部屋の案内を担当してくれた竜人族の方はそう言うと、部屋から出て行った。


「気軽にジンに泊る場所を頼んだが、まさかこんないい部屋に連れてこられるとは思いもしなかったな……」


「もつべきは優秀な弟ね。ねえ、ヘレナ」


「うん。ジン君のおかげで、こんな良い所に泊れるんだものね。ありがとうジン君」


 そうリカルドと姉さん達に言われた後、各々別れて夕食までの時間、街を観光する事にした。

 宿に来るまで見て思っていたが、短い期間で作ったとは思えない程、一つ一つの建物が綺麗に作られている。


「凄いよね。ここって少し前まで、神聖国だった場所なんだよね? ジン君とドラゴン族の方がボコボコにしたのに、こんな綺麗な街が出来てるなんて不思議な感覚」


 元あった街を覚えているクロエがそう言うと、レイとレンも頷いていた。


「その話知ってます。ジンお兄さまがドラゴンを大量に引き連れて、神聖国を潰したんですよね。ドラゴン族を率いるなんて、お兄さま達凄いって話を聞いた時思いましたよ」


「率いるってのは間違いだぞ? ドラゴン族には協力してもらったんだ。ドラゴン族も神聖国には鬱憤が溜まっていたからな」


 イリスの言葉にそう訂正をして、そのまま観光を続けているとここにいる筈は無いと思っていたある者の魔力を背後から感じた。

 俺はその魔力を感じた瞬間、パッと背後を確認すると、ドラゴン族の王ヴェルドさんの子であるスカイが人間の姿をしてそこに居た。


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