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第444話 【竜人国からの招待・2】


「これはこれは、一カ月間姿を消していた王都の英雄様じゃ~ないか! 久しぶりだな~」


「……なんだ。その変なテンションは気持ち悪いぞ」


 ハンゾウの店に移動してきた俺は、店の店員にハンゾウの所に案内してもらうと変なテンションのハンゾウから出迎えられた。


「実は今日俺の誕生日でな、別に今更誕生日が嬉しいとかは無いんだが……妹がお祝いしてくれてな! 手作りのクッキーを貰って、朝から嬉しかったんだよ!」


 変なテンションのハンゾウは、小さな袋に入ってるクッキーを俺に見せながらそう言った。


「それでそんなおかしな感じなのか……部下も大変だな」


「別に今日くらいは良いだろ? 妹が俺の為に作ってくれたんだからよ」


 普段とはキャラが全く違うハンゾウに対し、俺は少しうんざりしながら、とりあえず今日来た目的の一カ月間の情報を買いに来たと伝えた。

 ハンゾウは俺がいつ来てもいいようにと、俺達が迷宮に籠った後からの情報をまとめており、俺はその情報をハンゾウから買い取った。


「そうだ。その資料の中にも書いてあるけど、ジン達が居ない間に一度だけ勇者が戻って来たぞ」


「勇者が? 戦女から隠れる為に、態々転移で居場所も突き止められないようにしてたのに自分から戻って来たのか?」


 ハンゾウの言葉に俺はそう聞き返すと、勇者も道中竜人国の話を聞いて、面白そうだと思って話を姫様の所に聞きに来たらしい。

 既にそれは二週間前の事で、既に勇者は先に竜人国へと向かったとハンゾウは言った。


「旅はどうしたよ……」


「飽きたんじゃないか? そもそも、戦女の問題も解決してるし、魔王討伐の旅からずっと旅続きだったから少しは休みが欲しくなったんだろうよ」


「だからといって、人が集まる場所に姿を隠した勇者が来るか?」


 俺は勇者の考えに呆れながらそう言い、溜息を吐きながら受け取った資料を【異空間ボックス】に入れた。

 その後、ハンゾウの店を出た俺は宿に戻って来て、夕食までの時間、資料の確認をする事にした。


「一ヵ月も期間が開いたら、そりゃ世間も色々と変わるみたいだな……」


 資料の中には俺が知らない内容が沢山あり、その中でも驚いたのは王都に新しく最高ランクの冒険者が現れたという資料があった。

 その人物の名前をよく見ると、俺もよく知る人物だった。


「ルークさん達、遂に白金級に上がったのか、流石だな」


 そこに書かれていたのは、ルークさん、ドルクさん、エリスさん、アニスさん4名が新たな白金級冒険者に上がったと書かれていた。

 元々、冒険者として技術・能力が共に高い人達だったが、〝遊戯神の迷宮〟が現れてそこでさらに力を付け、一気にランクを上げたみたいだ。


「俺達が迷宮に籠ってる間に、外では一気に四人の白金級冒険者が現れて大盛り上がりだったみたいだな」


 アンセルの時は、情報を遮断されていて知らない者も多かったが、ルークさん達は特に隠す事はしなかったみたいだ。


「帰って来た時、何も言わなかったけど俺がこうして情報を手に入れるとルークさん達分かってたみたいだな……そんな事されたら、サプライズでお祝いしてやりたくなってきたな」


 笑みを浮かべながら俺は、ルークさん達にどんなサプライズをしてやろうと考えながら、資料を読み進めるとある文で手を止めた。


「悪魔の被害だと?」


 その資料には、王都から離れたとある街で悪魔騒動が起きたという内容だった。

 しかし、よく見てみると〝悪魔の様な見ためをした〟という文で、本物の悪魔が出たわけではないみたいだった。

 その悪魔のような見た目の物は、髪と瞳が黒く、頭の上には角が生えていたと書かれており、似顔絵らしき物も書かれていた。


「まあ、文献とかに載ってる悪魔の姿に似てはいるな……」


 その似顔絵を見た俺は、騒がれた理由がわかる気がした。

 一応、念の為にもこいつが本物の悪魔かどうか調べる為に、師匠に聞くのが良さそうだ。

 そう思った俺は資料を読むのを一旦中断して、師匠の居る空島へと向かった。

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