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第432話 【迷宮に向けて・2】


 そして姫様の部屋に入ると、姫様の他にユリウスが一緒にいた。


「珍しいですね。ユリウスさんが一緒って」


「うん。ジン君達が旅立つって聞いて、アンジュ達にお休みを貰って見送りに来たんだ」


「そうだったんですか、別にそんな長期間の旅じゃないのでサッと行って帰ってくるつもりですけどね」


 そう言うと、姫様からは新しく仲間に入れたイリスの事を聞かれた。


「そう言えば、イリスちゃんを仮ときいえ仲間に入れたのよね? ジン達が新しく仲間を入れるなんて、3年ぶりかしら?」


「そうですね。レイ達を入れてから、それ以降は仲間は作ってないので3年ぶりですね」


「ジン君達が仲間に入れたって聞いた時、アンジュと一緒に驚いたよ。まさか、今更ジン君達が新しい仲間を入れるなんてって、だって4人でパーティーとしては完成してるよね?」


 ユリウスは昔から俺達の事を見ている為、パーティーとして完成してるのに何で新しくイリスを仲間に入れたのか疑問に思っているようだった。


「まあ、前衛二人後衛二人とバランスは良いパーティーではありましたね。なので別に新しく仲間を作る程でも無かったんですが、イリスに関しては皆と関係性もあったのと、イリスの力は俺達の力になると思ったので仲間に入れたんです」


「確か、イリスちゃんは運が物凄く高かったのよね?」


「はい。運に関しては、生まれ持っての数値で変える事は出来ませんからね」


 ゲームの際も運が高いキャラは、迷宮で出てくる宝箱で良い物が出たりとちゃんと使える場面があった。

 そしてそれはこの世界でも変わらずあり、イリスで言えば薬関連の成功率が異様に高い事だろう。

 レンもまだ教えたばかりで本来であれば失敗するのだが、未だ失敗した事は無く素材を無駄にしてないと言っていた。


「本当にジン達を見てるのは飽きないわね。ここまで長い期間見てるのに、何回も楽しませて貰えてるわ。あの時、ジン達を無理にでも依頼を通して良かったわ」


 その後、少しだけ昔話をしてから姫様には一週間程で戻ってくる事を伝えた。


「そうだわ。今、丁度城にフローラが来てるけど、会っていくかしら?」


「フローラがですか? フローラが暇なら、良いですけど何か用事があって来てるんじゃないんですか?」


「用事はもう終わって、今はお母様と話してるはずよ」


 そう俺は姫様に言われて、姫様と共に俺はフローラ達が居る場所に移動した。


「あら? フィーちゃん達も来たのね。久しぶりねジン君」


「はい。お久しぶりです。フィリア様」


「ここは公の場じゃないんだから、様は要らないわよ」


 クスクスと笑みを浮かべる女性は、この国の現国王のルフォンドルス王の妻であるフィリア・フォン・デュルド様だ。

 フィアリス姫の大人しくして、大人びた感じの女性で30を超えてる筈なのに未だ美しい姿を保っている。


「レリーナさんもお久しぶりです」


「ええ、戦女達の教育係以来ね。元気にしていたかしら?」


「はい。ここ最近は迷宮に籠りながら、弟子の育成に力を入れてます」


「その噂、貴族の間でもよく流れているわよ。あの英雄に弟子が出来たって、凄く話題よ」


 そうレリーナさんが言うと、王妃様も「ええ、私の所にも沢山来てるのよ」と言った。


「ジン君達はこの国で今、一番話題性がありますからね」


 そうフローラが言うと、フローラは俺に「久しぶり、ジン君」と笑みを浮かべながら言った。

 俺はそんなフローラに「久しぶり」と言葉を返して、そのまま空いてる席に座った。


「少しの間は大人しくしてたんですけど、弟子が出来てからまた少し周りが煩くなりましたね。まあ、試験をやってからようやくそれも落ち着きを取り戻しましたけど」


「試験の方はもっと凄かったらしいわね」


「話を大きくし過ぎて、色んな国から集まってきましたからね。まあ、弟子にしたい思えるような人は居ませんでしたけど」


 そう言うと、ユリウスは「でも、一人だけ後輩として面倒を見てる子がいるんだよね?」と聞いて来た。


「はい。今は宿に紹介して、冒険者の後輩として偶に面倒は見てます」


「ジン君が面倒見てるって事は、その子も潜在能力が高いのかしら?」


「高い方だとは思いますよ。まだ冒険者として頭角は現してませんけど、これからの成長次第では強くなるとは思います」


 王妃様の言葉にそう返すと、王妃様は「その子の成長の話も楽しみだよ」と笑みを浮かべてそう言った。

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