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第41話 【任務へむけて・3】

 その後、王城についた俺達は任務で使う為の変装用の道具を確認する為、それぞれ別室に通された。

 流石、王家が用意した変装道具だな、高価な魔道具もいくつか用意されてる。


「隠蔽用の道具、こんなに沢山見たのは初めてですよ」


「ジンさんは特に色々と気にしていると聞いておりましたので」


 俺の担当をしてくれる執事の人はそうニコリと言うと、用意された道具を一度付けてみましょうと言われて説明を受けながら変装道具を身に付けた。

 そしてその状態で、俺は姫様の待つ部屋に移動した。


「……私が用意したとはいえ、ここまで変わるのは驚きますね」


「自分でも驚いてますからね。髪色や眼の色すら変わってますからね」


 今の俺は、普段の俺とは全くの別人の様になっている。

 髪と眼の色は魔道具によって、どちらも赤色に変わっている。

 更にそこに用意された変装用の服などを身に付けた俺は、俺が変装していると分かっていても「誰?」と思う程に変わっていた。


「いつものジンさんはどことなく貴族のオーラが若干出ていましたけど、今その格好はそれらを全て消せてますね」


「そうですね。髪と眼は生まれつき、貴族に多い金髪と青目だったのでそこそこ目立つ要因でしたからね」


「色が変わるだけでこんなに変わるって、人間って不思議ですね」


 姫様は俺の事をジーと見つめながら、そう感想を言った。

 それからクロエが来るのを数十分程待ち、ようやく変装が完了した様でクロエが部屋にやって来た。

 その格好は何処となく俺と似た感じで、髪と目は同じ赤色になっていた。


「髪と目の色は俺と同じなんだな」


「うん、用意してくれてたメイドさんから、私達は兄妹の設定で護衛に付くらしいから一緒にしたって言ってたよ」


「一応、貴族も通う学園という事で詮索される可能性もある為、こちら側で少し設定を考えたんです」


 姫様はそう言うと、俺達の学園での設定について教えてくれた。

 何でも俺達は地方貴族の姉弟で姫様とは昔から交流があり、今回急遽護衛がいない姫様の為に俺達がやって来たという設定らしい。

 地方貴族の中には王都や、中央貴族と面識のない貴族もいくつかある為、その設定を見破られる事はほぼ無いと姫様は言った。


「成程、それで髪色が平民に多い茶色ではなく、赤なんですね」


「髪色でそこまで区別されはしないと思いますけど、ジンさん達の髪色は目立つ色をしていました。それなら、いっその事変えておこうと思ったんです」


 そう姫様は言うと、俺とクロエを交互に見て「良い感じに変装できてますね」と笑顔を浮かべてそう言った。

 その後、それぞれ着替えた部屋に戻り元の姿に戻り、再び部屋に戻って来た。


「それと事前にお伝えしていましたけど、護衛期間中は王城で暮らしてもらいますけど大丈夫ですか?」


「はい、店主に話したらどうせ人がいないし、帰ってくるまで俺が泊っていた部屋はそのままにしておくと言われましたので大丈夫です」


「私も大丈夫です」


 俺達の事情を確認した姫様は、執事さんを呼び護衛期間中に俺達が泊る部屋に案内するように指示をした。

 指示を受けた執事さんに俺とクロエはついて行き、自分達が暮らす部屋を見に行った。

 案内された部屋は客人用の部屋で、貴族も泊る様に作られている為か滅茶苦茶豪華な造りをしていた。


「ジ、ジン君。私の部屋、物凄く広かったよ……」


「そっちもそんな感じか、俺の方も同じ感じで滅茶苦茶広かったよ」


 部屋を確認して戻って来た俺とクロエは、それぞれ部屋を見た感想を言い合った。

 それから諸々の確認事項を行い、明日から早速王城で暮らしてもらうと俺達は言われた。

 その後、準備等もあるからと早めに帰された俺達は、クロエに昨日の事を話してシンシアの店に向かった。


「それで、これがジン君が欲しいって言ってる魔道具なの?」


 クロエに魔道具の説明をすると、本当にこれが? という目をしながらそう言った。


「疑う気持ちは分かるわ。私もこの魔道具を見た時、同じ感想を彼女に言ったわ」


 シンシアはクロエの言葉にそう言うと、ついて来てと言って店の裏庭へと連れて行かれた。

 そして〝小部屋〟の魔道具をシンシアはポイッと庭の中央に投げると、魔道具が発動して四角い建物が現れた。

 実際に見ると、こんな感じなんだな。

 そう俺が感心していると、クロエは「凄い!」と興奮気味にそう叫んだ。


「中もちゃんと作られていて居るのよ」


 そうシンシアは言うと、小部屋の扉を開けて俺達を中に案内した。

 小屋の全体像としては、部屋が3つに分けられていてリビングと小さな部屋が二つといった感じだ。

 これはゲーム時代の小屋の背景と一緒で、リビングの所に調理台をおいて残り二つの部屋にベッドを置いて休憩する形だった。


「部屋が二つあるのはいいな、流石に一緒の部屋に泊るのは男女だし気を使ってしまからな」


「そうだね。人が増えたとしても、これなら気を使わなくても寝れるね」


 その後、クロエもこの魔道具を気に入ってくれたようで〝魔道具キッチン〟とセットで購入した。

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[気になる点] 「うん、用意してくれてたメイドさんから、私達は兄妹の設定で護衛に付くらしいから一緒にしたって言ってたよ」 いや、そもそも種族が違うよね
[気になる点] 「部屋が二つあるのはいいな、流石に一緒の部屋に泊るのは男女だし気を使ってしまからな」 はなにか文字が抜けていると思う。文脈からすると「気をつかってしまうからな」か、「気を使ってしまっ…
[一言] ホイポイカプセル
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