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第385話 【魔法玉・3】


 悪魔達は拠点の色んな所で働いており、それらの悪魔達の管理をしてるレドラスもまた仕事をしていた。

 レドラス曰く、自分の持ち場は自分以外には任せきれないらしく、部下が沢山出来た後もレドラスは自分の持ち場は自分で仕事をしている。


「レドラス、調子はどうだ?」


「特に問題も起きてないし、必要な物は言えばもらえるから困っては無いぞ」


「そうか、部下達の様子も大丈夫か?」


「そっちも問題ないぞ、あいつらも掃除の良さを気付いて今は誰が一番早くきれいに出来たかで毎日競い合ってる。勿論、俺がずっと一位だけどな」


 レドラス達はこの家の掃除を毎日競い合ってると言うと、今までの結果が書かれた書類を見せてくれた。

 そこには日付と三位まで悪魔の名前が書かれていたが、一位には全てレドラスの名前が載っていた。


「お前がここまで掃除が好きだとは、最初会った時は思わなかったよ」


「俺もだよ。だが今は毎日楽しんでるから、掃除に出会えてよかったと思ってるよ」


 そうレドラスは満足した顔でそう言うと、一部の悪魔も掃除好きになって良かったと言っていた。

 その後、レドラス達とは別れて宿に戻ってくると、リカルドから「ジン、客が来てるぞ」と言われた。


「俺に客?」


「ああ、食堂で待ってもらってるよ。なんか貴族の娘さんみたいで、あんな場所に待たせていいのかってアイラ達が心配してるから、早く行ってやってくれ」


 リカルドからそう言われた俺は、誰だ? と思いながら食堂に行くと、そこには元婚約者であり戦女の一人だったフローラが居た。


「フローラ、何でここに来てるんだ?」


「少しジン君と話したい事があって来たの」


 そうフローラから言われた俺は、食堂で話しても大丈夫な話か聞くと、少し難しいと言われ、仕方なく俺が借りてる部屋に通した。


「それで話って何?」


「少し前に、問題を起こして戦女の子が連れ戻されたのはジン君知ってる?」


「ああ、アスカ達が連れ戻しに行ったって話だろ? 姫様から聞いてるよ。今は王城が用意した教育係に、再教育をさせてるって言ってたのは知ってる」


 少し前に勇者の後を追って旅立っていた問題児の戦女達は、アスカ達によって王都に連れ戻されていた。

 そして連れ戻された戦女達は、親の同意の元で王城が用意した教育係から再教育が施されていると聞いた。


「その再教育なんだけど、私もあの子達の教育係として手伝ってるんだけど、中々上手くいかなくて……」


「……もしかして、俺に手伝ってほしいって言いに来たの?」


 そう俺が言うと、フローラは頷いた。


「俺は誰かを教育できる程、貴族の事は知らないぞ? そもそも、そういった教育は受けさせてもらえてないから」


「ジン君に頼みたいのは、あの子達を大人しくさせてほしいの、勉強の時間も文句ばかりでまだ三回しかやってないけど、相当疲れちゃって」


 悩んだ顔でフローラはそう言うと、俺の顔をみて「駄目かな?」と聞いて来た。

 正直、ゲームでの推しキャラであったフローラからの頼みで、姫様も困っていた内容だから手を貸すのが良いんだろうけど……。


「フローラがそんな疲れる程、その戦女達はヤバいのか?」


「うん。我儘というか、自己中心的な考えの人達で勉強時間も真面に勉強しなくて、時間を過ぎたらさっさと居なくなっちゃうの……」


「相当酷いみたいだな……」


 フローラの言葉を聞き、自分が嫌だからと手を貸すのを躊躇うのは止めようと思い、フローラの頼みを受ける事にした。

 その際、姉さん達にも手を貸してもらえないか聞いても良いかとフローラ聞くと、人手は合った方が助かると言われた。

 それからフローラは、迎えの馬車が来て帰って行った。


「……なんか大変な事に巻き込まれてしまったな」


 フローラが居なくなった後、俺はそう呟くと戦女達の情報を知らなすぎる為、ハンゾウの所で情報を手に入れようと店へと向かった。


「問題児の方の戦女の情報が欲しいって、また何かしようとしてるのか?」


「再教育が進んでないらしく、それの手伝いをする事になったんだよ。フローラから頼まれて、姫様も困っていた案件だから手を貸す事にしたんだ」


「ふ~ん、元婚約者からの頼みだから断れなかったのか?」


「別にそういう訳では無い、良いから情報をくれ」


 ハンゾウに茶化された俺はそう反論して、戦女達の情報を購入して宿へと戻って来た。

 帰宅後、俺はクロエや姉さん達が宿に帰ってくるまで資料を読む事にした。

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