第374話 【深層地帯で魔物狩り・2】
翌日、俺達は再び迷宮攻略へと迷宮にやって来た。
「リウス、念の為に言っておくが本気は出すなよ? 素材は大事だから、それともしも人が来たら直ぐに俺の所に戻ってくること」
「キュ~!」
「良い返事だ。それと、一番大事なのは玉持ちの魔物を見つけたら、直ぐに俺の所に戻って報告をするんだ。分かったか?」
「キュッ!」
リウスは俺の言葉に返事をすると、俺は行っていいぞと合図を出すと元気よく飛び立って行った。
「リウス君だけで大丈夫かな?」
「まあ、竜王に鍛えて貰った上に能力は化け物だからな、そう簡単にやられる事はないと思う」
「リウス君に勝てる魔物が居たら、それこそヤバいと思うけどね。だってリウス君って、ジン君の次に強いでしょ?」
「能力はそうだな、前に見た時で魔力は2万は超えてたからな……」
リウスの能力値に関して、俺は正直見るのが怖いレベルだからあまり確認してはいない。
レベルが低い状態であの数値だったって事は、戦闘を繰り返してレベルが上がったらそれこそドラゴンよりも勝る生物になりそうだ。
そう考えると、師匠の無魂獣であるペスはもっと凄いんだろうな……。
「さてと、リウスも行った事だし俺達も行くとするか」
「そうだね。今日も頑張ろうか」
そう言って俺達は動き出し、探索を始めた。
「ジン、これも入れてくれ」
「了解」
探索開始から2時間程が経ち、俺達は現在薬の材料となる素材の採取をしていた。
群生地帯でかなり生えていた為、俺とレンは二手に分かれて採取を行い。
その間はクロエとレイには、周りの警戒をしてもらっていた。
「……そう言えば、リウスは一度も帰ってこないけど大丈夫なのか?」
「大丈夫だよ。特に魔力に乱れとかないし、多分戦闘を楽しんでるんだと思う。久しぶりに戦いを許可されて、思うがままに暴れてるんだろうな」
迷宮攻略を始めてから、リウスは何度か外には出していたけど戦闘はさせていなかった。
一度、レンが睡眠不足の時に護衛として戦っても良いと言ってたけど、あの時は戦わなかった。
その後、採取を終えた俺達は再び探索へと戻った。
「リウス、帰るぞ」
「キュ~」
再開後、特に何かある訳でもなく淡々と探索を進めた。
そして一旦昼食の為、迷宮の家に帰る為にリウスと合流をして帰宅した。
「リウス君、どうだった久しぶりの戦いは?」
「きゅ、きゅ~!」
クロエの言葉にリウスは体で〝楽しかった〟と表現すると、クロエはそんなリウスの頭を撫でて「良かったね~」と言った。
そしてそんなリウスは、俺の近くによると「きゅ!」と鳴いてその場に大量の武具と魔物の死体を出した。
そう言えば、忘れてたけどリウスも【異空間ボックス】を持ってたな……。
「たった数時間で、これだけ狩って来たのか?」
「きゅ~」
「凄いね。リウス君、前だったら魔物の死体はボロボロになってたのに、大分綺麗な状態だよ?」
「何回も叱られて成長したんだろうな、凄いなリウス」
そうリウスを褒めて頭を撫でると、リウスは嬉しそうに俺の手を舐めた。
それから昼食を準備してもらい、俺達は食べながら午後の事について話す事にした。
「リウスもかなり頑張ってたみたいだけど、それでもやっばり見つからないな……もしかしたら95層以降の方が出る確率上がるとか無いのかな?」
「ありそうではあるよね」
「この迷宮なら、5層分の違いで大分違うもんね」
俺の言葉にクロエとレイは頷きながらそう言うと、口の中の物を飲み込んだレンが「なら96層まで降りるか?」と聞いた。
「ありだとは思う。今いるのが94層だし、少し頑張れば96層まで直ぐだとは思う。だけど、折角なら採取できる物は一度採取しておきたい気持ちはある。時間経過で復活するなら、もしかしらまたここに来るときに採れるようにしておきたい」
93層まで完璧に採取してきたから、それなら今の階層もちゃんと全部採取してから先に進みたいと俺は皆に言った。
するとその意見にはレンも賛同して、取り合えず現状維持をする事にした。
その後、昼食を食べ終えた俺達は再び迷宮へとやって来て、リウスは嬉しそうに飛んで行き、俺達も探索へと向かった。
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