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第348話 【遊戯神の迷宮・2】


「うわ~、入口は普通の迷宮とは違うって思ったけど、中は中で普通の迷宮とは全く違う造りだね」


 クロエは迷宮に入ると、そう口にした。

 普通の迷宮だと入口から入ると、広い空間に出てそこから階段を探しながら探索をしていくという感じだ。

 しかし、神の作る迷宮はその探索部分が無く、いきなり扉が現れた。


「一層目から五層目まではこんな感じで、迷宮の挑戦者の実力を測るらしい。それで五層目の部屋を突破すると、そこで一旦報酬を貰えて六層目からは探索要素も追加されるらしい」


「本当に普通の迷宮とは大分違うな、迷宮という名だけど神が作る試練場みたいだな」


「そう思ってる人も居るらしい」


 そう言いながら俺達は扉の中に入り、一層目の攻略を始めた。

 一層目の迷宮は、単純な実力を測る為なのか三回に別れて魔物が現れるからそれを倒せという試練だった。


「魔物を倒すだけ? 簡単そうだね」


「……いや、ここの注意事項を見て」


 部屋のルールを聞いたクロエ達は簡単そうだと言ったが、俺はそのルールが書かれた看板の下の方に書いてある注意事項を皆に教えた。


「注意、この部屋の魔物は入った者達の平均レベルに値する魔物が現れる。って書いてある」


「「「え……」」」


 クロエ達は俺のその言葉に驚くと、丁度魔物が出て来た。

 見た目は普通のゴブリンやスケルトン等の、下級の魔物の様に見える。

 しかし、その魔物から発する魔力は、今まで戦ってきた魔物と比べて明らかに違っていた。


「皆、陣形を作るんだ! こいつらはかなり強いぞ!」


 驚く皆に対して、俺はそう叫びクロエ達に指示を出した。

 その瞬間、魔物達は奇声を上げて俺達に襲い掛かって来た。

 魔物達が襲い掛かってくる前に、なんとかクロエ達は正気を取り戻して陣形を作り、俺達は魔物との戦闘を始めた。


「あ、危なかったね。まさか、私達の平均レベルの魔物が現るって驚いちゃったよ……」


 レベルがレベルなだけに、下位の魔物だがかなり手強い相手だった。

 しかし、レベルが高くとも元の能力が低いおかげで俺達が正気を取り戻した後は、特に慌てる所も無く戦う事が出来た。


「ちょっと舐めてた。ここから先は、気を引き締め直そう。神の作る迷宮が簡単な訳ないだろうからな」


 俺のその言葉にクロエ達は返事をして、そこから俺達は気を抜かず一層ずつ本気で挑んでいった。

 二層目は一層目の時とは違い、下位の魔物が一度に数十体現れた。

 しかし、そこは俺とクロエの魔法で一発で仕留めて、一層目以上に何事も無く突破した。

 続いて三層目は、出てきた魔物はオーガ一匹だがその個体のレベルは俺達の平均レベルから+三程高い強さを持つ魔物だった。


「グルォォォ!」


 雄叫びを上げる魔物に対して、俺達は怯むことなく挑んだ。

 平均レベルが少し高いが、レベルだけが高いオーガ相手に俺達は苦戦する事は無く。

 生命力が異常な程高く、倒すのに時間が掛った以外は特に何事も無かった。

 そして四層目はそのオーガが複数体出てきて、少しだけ面倒だなと内心そう思ってしまった。


「次は五層目だな……皆、体調の方は大丈夫? 怪我とかはしてない?」


 次の階層を突破すれば、報酬と探索階層に行ける。

 その前に俺は皆の体調と、怪我等はしていないか確認をした。


「大丈夫だよ」


「体調も万全だし、怪我もしてないよ」


「同じく」


 皆は俺の言葉にそう返すと、俺は五層目の扉を開けて中に入った。

 五層目の試練、その内容は俺達の平均レベルよりも少し高い魔物が五回に分けて襲い掛かってくるという内容だった。


「予想してたけど、かなりきつそうだ。皆、気を引き締めて挑むぞ」


「「「はい!」」」


 そう皆が返事をするのと同時に、魔物達は部屋に現れた。

 出てきた魔物はオーガとゴブリン、スケルトン、ここまで出てきた魔物に加えて、オークも追加されていた。

 そいつらのレベルは他の迷宮では見た事も無い位に高いが、俺達は慌てる事無く陣形を作って戦闘を始めた。

 下位のゴブリンとスケルトンは簡単に倒せたが、生命力が異常に高いオークとオーガの二種類を倒すのに俺達は時間が掛ってしまった。

 しかし、無事に倒し終えた俺達は久しぶりに達成感を感じて、互いに顔を合わせて喜び合った。

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― 新着の感想 ―
[一言] レベル一の子連れてきてもこれとおんなじなら、結構簡単にクリアできそうだなぁ
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