第312話 【問題の対処・3】
翌日、朝早くに起きた俺達は朝食を済ませ、いつも通り王都の見回りをしていた。
見回りをする際、俺達は4人で行動するのではなく二手に分かれて行動している。
組み分けとしては俺とクロエ、レンとレイという組み合わせとなっている。
「今日も朝から問題が起きてたな」
「でも早く見つけれて良かったね」
見回り開始から30分程して、ある店から騒いでる冒険者の声が聞こえた俺達はその店に近づいて中の様子を確認した。
すると、これまで何度か注意した事のある冒険者が、今日も文句を言っている姿を見つけた。
毎回、俺達が出て行くと神聖国に誰がこちらで取り締まっているのかバレてしまう。
その為、姫様直属の部下である〝裏〟を呼び、その冒険者を取り締まって貰った。
「レン達の方も問題が起きてたのか」
「ああ、それも鍛冶屋で問題起こしてて俺達が行くのが遅くなってたら、大事になってたよ」
見回りを終え、宿に戻ってきた俺達は情報共有を行った。
その際、レン達の方でも問題が起きていて、リーザの店とは違う鍛冶屋で問題が起きて大事になる一歩手前だったと聞かされた。
最初の頃に比べて、一日の問題が起きる回数も増えてきているな。
「取り合えず、明日からも見回りは慎重にしよう。それと、もう時期に魔物を動かすと思うからそっちの準備もしておいて」
俺はそう皆に言って、話し合いを終わりにしてクロエ達と別れ、俺は部屋に移動してベッドに横になった。
眠いとかそう言う訳では無いのだが、数日前に師匠から「最近、無理しすぎてるから休める時は休むのよ」と言われた。
俺は師匠からそう言われてから、体を休められる時は横になって休むように最近はしている。
「レドラスの話では、もうそろそろ魔物の襲撃が行われ始めるころだが……同時に起きるか、別々に起きるかその時の相手の気持ち次第ってレドラスは言ってたな」
レドラスの考えでは、これまで何度も問題が起きる前に対処して来たから、同時に騒ぎを起こす可能性の方が高いと予想していた。
俺もレドラスの考えと同じで、魔物の襲撃をするのであれば同時に行われる可能性の方が高いだろう。
「まあ、相手が魔物だけならこっちも楽だからな~」
人間相手だとどうしても、多少の面倒さを感じる。
だが魔物に対してはそれが無い為、思う存分に対処が可能だ。
その後、引き続きベッドで休んでいると、部屋の扉をノックする音が聞こえて扉を開けた。
そして外に居たのは冒険者ギルドの使いの人で、フィーネさん達が大事な話があるそうだから来て欲しいと言われた。
「ジンさん、すみません。突然、お呼びしてしまい」
あの後、直ぐに俺はクロエ達と共に冒険者ギルドへと向かった。
「いえ、丁度見回りは終わって宿で休んでいたので大丈夫でしたよ。それより、どうしたんですか?」
「はい。以前、ジンさんは次は魔物の襲撃で、どこかに魔物が溜められていると仰っていましたよね? それを聞いて、信頼できる冒険者の方達に王都近辺から、場所を探してもらっていたんです」
そう言いながらフィーネさんは、机の上に地図を広げた。
そして王都から約3㎞程離れた所の山の麓に、印がつけられていた。
「この場所に大体数千体の魔物が居たと報告を受けました」
「数千体……その異常な数は、神聖国が混乱を起こす為に集めた魔物の可能性が高いですね」
「はい。そう思い急いで、ジンさん達に報告しようと思い、呼んだのです」
そう言われた俺は、フィーネさんに「早期の発見。ありがとうございます」とお礼を言った。
「ジン君、どうする? この魔物達倒すの?」
「……それが良いだろう。襲撃が起こる前に対処が出来るなら、した方が良いからな」
クロエの質問に対して俺はそう答えると、レイは「久しぶりの魔物との戦いだ!」と嬉しそうに言った。
その後、俺はフィーネさんに魔物の集団の対処に向かいますと言い、俺達はギルドを出て一度宿に戻った。
宿に戻った俺達は準備をして、フィーネさんから受け取った地図の場所の近くに転移で移動した。
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