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第310話 【問題の対処・1】


 話し合いの日から数日後、俺はリーザの店へと訪れ、世界樹の素材で出来た武器を受け取った。


「流石、リーザだな。ここまで完璧に世界樹の素材を加工できるのは、そういないだろう」


「ジンのおかげよ。あの溶鉱炉が無かったら、火力が足りず加工するのは無理だったわ。それと、加工していて思ったけど本当に世界樹ってのは凄いわね。普通、木ってのは火がついたら燃え尽きるはずなのに、世界樹は鉄の様に熱くなって形を整える事が出来たわ」


「まあ、世界樹はこの世界で一番謎に包まれた物だからな……それにこの世界樹の素材は、本物の世界樹の素材だから尚の事だろうな」


 リーザには世間で知られている世界樹が偽物で、俺が持ってきた世界樹の素材が本物の素材だという事を伝えている。

 それを聞いた際、リーザは特に驚く事は無く「ジンの言葉なら信じるわ」と言っていた。

 ……鉄の様に熱くなって加工が出来たか、世界樹は争いで燃え尽きたと言われているが、その時の争いはよっぽど酷かったのだろう。


「それにしても……本当にいいなこの刀。握りやすいし、魔力も込めやすい」


「魔力に関しては、元の素材の力よ。私は変に弄ってないわ」


 リーザはそう言うと、世界樹で出来た刀を見つめ「本当に楽しい作業だったわ」と笑顔を浮かべてそう言った。

 それから俺はリーザにお礼を言い、皆の武器も受け取り【異空間ボックス】へと入れ、店を出た。

 そして宿に帰宅して、クロエ達にリーザに作ってもらった世界樹で出来た武器を渡した。


「へ~、これが世界樹で出来た武器なんだね」


「木とは思えない程、シッカリとしてるな」


「鉄の装備より重くないし、普段使いでもいいくらいだよね」


 クロエ達は自分の武器を手に取ると、それぞれそう感想を述べた。

 特にレイは、木で出来た戦斧を持ちながら「凄く振りやすそう」とワクワクとした顔でそう言っていた。

 ちなみに今回作ってもらったのは、刀が一つ、剣が一つ、杖が一つ、戦斧が一つという感じだ。

 クロエとレンに関しては、どちらかが剣か杖を選んでくれと言って、クロエは前線に出る時もあるからと剣を選んだ。


「ねえ、レン君。本当に良かったの? 私が剣貰っちゃっても」


「んっ? 別にいいよ。基本的に俺はサポートだから、杖の方が良いからな」


 レンはそう言ってクロエに剣を譲り、自分は杖を受け取っていた。

 それからクロエ達は、受け取った武器を試したいと言い、珍しくレンもクロエ達と一緒に拠点の方へと向かった。

 俺は別の用事があるからと言って、そんな皆を見送って次の場所へと向かった。


「フィーネさん、すみません少し遅れてしまいました」


「ジンさん、お待ちしておりました」


 そうしてやって来たのは、冒険者ギルド。

 来た目的は、最近起きてる事件で俺達が調べきれてない部分を聞く為だ。

 フィーネさんは早速、最近起きてる事件をまとめた資料を出してくれて、俺はそれに目を通した。


「……少しずつですが、目立つような行為を始めてるみたいですね」


「はい。ですが、ジンさんに事前にこういう事が起きると予想してもらっていたので、そこまで被害は出ていません。ジンさんのおかげで被害は最小限に抑える事が出来ました。ありがとうございます」


「いえ、俺も知り合いにこういう犯罪に詳しい人が居て、その人から情報を貰っただけに過ぎませんので」


 レドラスは実際に見てる訳では無いのに、王都で起きた事件を完璧に予想していた。

 流石、悪魔と言うべきなのかその完璧な的中率に俺は驚かされた。

 正直、少しは外れるだろうと思っていたけど、ここまで完璧にあてられると逆に怖さも感じる。


「それでジンさん、次に起こる事なんですが」


「はい。魔物を使った街の襲撃ですよね。大丈夫です。既に対処方法は考えてます」


 レドラスの予想で行くと、失敗が続けば相手は魔物を使って一気に混乱を招くだろうと予想していた。

 俺はその話を聞いた時点で、協力者を集めていた。


「竜人国の方に空からの監視を頼んでます。それに、王都周辺にはルークさんや知り合いの冒険者に少し離れた街に待機してもらってます」


「流石、ジンさんですね。既にそこまで用意していたんですね」


「はい。情報はこちらの方が多く持っているので、被害を出ない様に出来るならそれに越したことはありませんからね」


「そうですね。問題が起きる前に解決していけば、相手もこちらの国の強さを再認識するでしょうね」


 フィーネさんはそう言うと、引き続き事件のまとめ作業を頼み、俺は冒険者ギルドからハンゾウの店へと向かった。


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