表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
307/583

第307話 【情報収集・1】


 クロエ達との話し合いの結果、今は直ぐ動くのではなく情報収集を徹底して行うと決めた。

 武力で神聖国を下したとしても意味が無い、表ではいい顔をしている奴等だから武力で制圧すれば、悪者になるのは俺達になってしまう。

 その為、神聖国がつぶれてしまう程の情報を集め、それから神聖国に対抗しようと決めた。


「それでジン君、姫様には話すの?」


「正直、話すか悩んでる。今現在、国は帝国の事でいっぱいいっぱいだから、そこに神聖国の事を伝えた場合、更に混乱してしまうんじゃないかと思ってる」


 魔王軍との戦いとの最中に起きた帝国との問題は、未だに全部解決してないのが今の状況。

 そんな中、新たな敵国となりうる神聖国の話をしたら、今でさえギリギリの姫様が倒れてしまうかも知れない。


「だけど、後から知ったらそれはそれで大変じゃないのか? 神聖国は俺達が対応するって、伝えるだけ伝えておいたらどうだ?」


「後から知るより、何が起きてるのか知ってた方が倒れるリスクは少ないと私も思うかな……」


「うん。それに姫様も限界って言っても、ジン君の事を信用してるから任せてくれるよ」


「ん~……わかった。それじゃ、一応伝えるだけ伝えておくか」


 皆からの言葉に俺は自分の考えを捨てて、姫様に今起きてる事について話をするとそう言った。

 善は急げと、話し合いが終わった後、俺はいつものように転移で姫様の部屋の隣に行くのでは無く。

 王城の正門へと転移して、門から城の中に入る事にした。


「ジンが正門から来るなんて珍しいわね。もしかして、リーザの店の事で何か分かったのかしら?」


「はい。ただ内容が内容なだけに、直ぐに知らせようと思い正門から来たんです」


「……ジンがそこまで言うって事は、リーザの店を荒らした冒険者の裏に大きな組織でも居たのかしら?」


 俺の顔をジッと見つめ、真剣な表情でそう言った姫様に俺は今王都で起きてる事件と、それの黒幕が神聖国だと伝えた。

 姫様自信、王都や他の地域で問題が起きてる事は既に知っていたが、その黒幕が神聖国だという事は知らなかった。


「まさか、もうそこまで調べてるなんてね……神聖国が絡んでいたなんて、知らなかったわ。そもそも帝国関連の事で、国は忙しくしていて他の事に目が言ってないのよね」


「そうだろう思ってました。なので、姫様この神聖国についてですが俺達が動こうと思います」


「えっ!?」


 俺の言葉に姫様は驚き、目を見開いて俺の事を見つめた。


「国が今、帝国関連で忙しいのは知ってます。ですが今起きてる事件は、放っておけば徐々に拡大していくと思うんです。なので、俺達が動いて神聖国を抑えようと思います」


「……私としてはジンが動いてくれるのは助かるけど、本当にいいの?」


「はい。神聖国は俺達に任せてください。一応、進展があった場合は〝裏〟の人達を経由して姫様にお伝えしますね」


「そうしてくれると助かるわ」


 その後、姫様から神聖国の事を任された俺は更に味方を増やす為に、次に冒険者ギルドへと向かった。

 冒険者ギルドに着いた俺は、フィーネさんとアスカを部屋に呼んで話し合いを始めた。


「まさか、今起きてる事件の裏に神聖国が付いていたとはね。知らなかったわ」


「そうですね。ですが、一つ謎が解けました。他国から来て問題を起こす冒険者はこれまでも居ましたが、こんなに頻繁に起きていなかったのでおかしいと感じていたんです。成程、組織的な行動だったんですね」


「それも神聖国だなんてね……こんな野蛮人みたいな事をしてるなんて、名前から神も聖も取るべきでしょ」


 事件の黒幕が神聖国だと知ると、アスカは神聖国に対してそんな事を言った。


「正直、勇者が現れ時点で用意してる辺り、これまでの歴史で起きた問題もいつくか神聖国が絡んでると俺は思ってる」


「ジンの話を聞く限り、私もそう思ってきたわ。……それで、ジンがこんな話をするって事は私達に何か手伝ってほしい事があるんでしょ?」


「ジンさんのお手伝いならお任せください。私は、ジンさん達のパートナーですから」


 アスカとフィーネさんは俺の言葉に対し、協力すると言ってくれた。

 俺はそんな二人に「ありがとう」とお礼を言い、協力して欲しい内容を伝えた。

 その内容とはここ最近、他国から入って来た冒険者を名簿にまとめた物を用意してほしいのと、その名簿に載った冒険者の監視をお願いした。


「その位なら簡単ね。フィーネの事務処理能力は、全冒険者ギルドでもトップクラスだから、一日もあれば完成するわ」


「アスカ。何であなたが、そんな胸を張って言えるのかしら? 勿論、貴女にも手伝ってもらうわよ」


 アスカの言葉にフィーネさんはそう言うと、アスカは「いや、二人も必要ないって私は冒険者の監視をする」と反論していた。

 しかし、フィーネさんはそんなアスカの言葉を無視して「貴女もやるの」と真顔で詰め寄り、アスカは涙を目に浮かべ返事をしていた。

 その後、名簿が出来たら宿に送るとフィーネさんに言われ、俺はギルドを出て宿へと戻った。

【作者からのお願い】

 作品を読んで面白い・続きが気になると思われましたら

 下記の評価・ブックマークをお願いします。

 作者の励みとなり、作品作りへのモチベーションに繋がります。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ