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第286話 【宴・2】


「マジでこれどうするよ……」


 世界樹の種を貰った後、俺達は別室に案内されてそこで待機するように言われた。

 俺は部屋のソファーに座り、【異空間ボックス】の中から世界樹の種を取り出して頭を抱えた。


「こんな国宝を貰っても、俺はどうしようもないんだけど……」


「流石にこれはね……」


「今回はジンに同情する。国宝の中でも、世界にたった3つしか存在してない物の一つを貰うなんてな……」


「ジン君、どんまい!」


 悩む俺に対し、クロエ達は同情してくれた。

 いや、マジでどうするか……ゲームでも世界樹に関しては、ちょっとした設定しか出てなかったから、知識でどうにもできない。


「取り合えず、宴が終わったら師匠に話を聞くか……」


「それが良いね。マリアンナ様なら、世界樹の事も知ってそうだしね」


「ああ、育て方知らなくても師匠なら何かしら案は出してくれそうだからな」


 師匠が何かしら思い浮かぶと信じて俺は、一先ず世界樹の種に関して考える事は後回しにする事にした。

 それから少しして、部屋にメイドがやってきて準備が出来たと言われ、俺達は宴の場所に案内された。

 宴の場所は、元々勇者パーティーが魔王に勝利した際、使おうと考え作られていた広場で行われる事になった。

 先に使ってもいいのか思ったが、ここ以外にこれだけの人を集められる場所は無いなと集まった人の数を見て俺はそう思った。


「ものすごい人の数だね」


 人の数にクロエは驚きそう口にして、レン達も同じように驚いていた。

 ここだけでも数千規模は居るし、更に宴の場所は第二会場もあってそっちも人がパンパンに集まってると聞いた。

 それから俺達はこの宴の主役という事で、国王達と同じ場所へと向かい宴の開会式が始まった。


「ジン君、聞いたよ。凄いね悪魔を倒すなんて」


「以前から凄い人だと思ってましたけど、まさか悪魔も倒す力があるなんて凄いですね」


「ありがとうございます。ミリアーナさん、ティアナさん」


 宴には多くの貴族達も参加していて、顔見知りのミリアーナ達も参加していた。

 そして魔王軍との戦いにはいかず、自国の防衛を任されてるレーヴィンもまた宴に参加していた。


「まさか、あの時の子供が悪魔を倒すなんての……やはり、儂の目に狂いはなかったの!」


 既に酒に酔ってるレーヴィンは大笑いしながらそんな事を言っていて、孫にあたるティアナは恥ずかしそうにそんな祖父を見ていた。

 宴には貴族だけではなく王都の住人も沢山来ていて、その中には知り合いも多く来ていた。


「やあやあ、ジン君。凄いね~、まさか悪魔を倒すなんて、流石だね」


「……お前、こんな所に来てもいいのかよ」


「ん~、まあ基本的には来ないけど、ジン達が主役の宴だからな来たんだよ」


 本来こういう場には、来ないであろうハンゾウすらも来ていた。

 その他にもシンシアやリコラさんと言ったいつも世話になってる人達や、これまたこういう場は興味なさそうなガフカ家も来ていた。

 そんな中、俺が一番驚いたのはドラゴン族も来ていた事だ。


「ちょっ、スカイさん達!? 何で来てるんだ?」


「マリアンナから、ジン達の活躍を聞いてお祝いしにきたんだよ。

悪魔を倒したんだって、凄いな!」


「ジン様が凄く活躍したと聞きました。流石、魔女の弟子ですね」


 流石に竜王は来ていなかったが、スカイやノア、その他にもドラゴンの土地で世話になったドラゴン達も一緒に来ていた。

 人間の街という事で、人化はしているようだがあふれ出る魔力が完全に隠しきれてなくて、そういうのに敏感な人達が何やら慌てていた。


「祝ってくれるのは有難いですが、そのもう少し魔力を抑えていただかないと騒ぎになってしまいます……」


「え? かなり消してるつもりなんだけどな、分かったよ。皆、もうちょっと魔力抑えてね」


 スカイの言葉にドラゴン族達は更に魔力を弱め、何とか騒ぎにならないレベルまで抑えてくれた。

 まさか、宴にドラゴン族まで来るとは思いもしなかった。

 その後は、また貴族達から挨拶をされたりと普通の宴に戻った。


「はあ~、疲れた……」


 宴が終わり、宿に戻ってきた俺はシャワーを浴びて部屋に戻った瞬間、ベッドに横になった。

 知り合いから祝われる分はまだいいが、知らない人や会った事も無い貴族から祝われるのは色々と精神的にきつかった。

 特に貴族からは、自分の娘と結婚はどうか? みたいな話をよくされて、本当に疲れた。


「姉さんが居て、本当に良かった。断り方、ちゃんと勉強しておかないとな……」


 貴族を相手する際は、基本的に姉さんも一緒に居てくれたので殆どの対応は姉さんがしてくれた。

 本当に姉さんが居てよかったと今日、物凄く感じた一日だった。

 それから俺は疲れも溜まっていたせいもあり、眠気に襲われ、直ぐに眠りについた。


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