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第284話 【英雄ジン・3】


 あれから俺は結局、夜まで寝てしまい夕飯の時間になってクロエ達に呼びに来てもらい起きた。

 そして夕食を食べて、シャワーを浴びた俺は昼からずっと寝ていたせいで眠気が一切なかった。


「ベルロス、出てこい」


「あいあい、何でございましょうかね。主様」


「……なんだ。その変な呼び方は」


「んっ? いやほらだって、俺が封印された刀の持ち主はジンだろ? なら、俺の主って事だからそう呼んでみようかなって思ったんだよ」


 ……本当にこいつは、フィオロやレドラスは全く違う思考をした悪魔だな。


「お前本当に、悪魔界でトップクラスの力を持っていたのか疑問に感じるな……」


「んっ? ああ、この性格だからか?」


「ああ、普通の悪魔は人間を殺したり迷惑かけるのがすきだろ? なのにお前は、ただ強い人間と戦いって思ってるだけって悪魔としてどうなんだ?」


「まあ、今まで同じ悪魔からも言われてきたが、別に変だとは思わないけどな」


 俺の言葉に対してベルロスはそう言うと、俺の事を見ながら「人間だってそうだろ?」と言葉を返してきた。


「人間の中にも、個々で好物は違うだろ? 人間の中にだって、人殺しを楽しむ者や独占欲が強い者がいるだろ? それと一緒だ。悪魔も個々で性格が違うって事だ」


「……まあ、言われてみればそうだな」


「だろ? それに俺は戦いは好きだと言ってるが、人を殺した事が無いとは言ってないだろ? 悪魔として、それなりの悪事はしてきたが、それが面白いとは感じなかった。そんな中、偶々当時強い人間と戦って、人間との戦いの面白さに気づいたんだよ」


 ベルロスは昔の事を思い出しながら、その時の事を話してくれた。

 その時、ベルロスは今回の様に死体を生贄にこの世界に現れ、召喚者の命令を聞きとある国で人を殺していた。

 その時、その国を救うために一人の人間が現れたらしい。


「そいつ名は忘れてしまったが、特徴的な見た目でな。月の明かりに照らされた銀色の髪はフィオロの持つ髪よりも美しく、それでいて人間の領域を超えた強さを持っていた。男の癖に、美しいと思ったのはあいつが初めてだったな」


「銀髪? それって、いつの話なんだ?」


 銀髪で強いと言えば、俺はとある人物を思い浮かべベルロスに聞いた。


「そうだな、数百年前くらいだな。あんまり詳しくは覚えてないが、当時は人間同士で争っていてとある国が俺を呼び出したんだ。その時、一人の銀髪の剣士と戦って俺は人間の強さに惹かれて、それからは人を殺す為に呼び出す相手には召喚者を殺して悪魔界に戻って来て、俺のこの気持ちを受け止めてくれる人間をずっと待っていたんだ」


 ベルロスの話を聞いた俺は、その話で登場した〝数百年前、美しい銀髪の持ち主〟という単語に俺はとある人物の名を口にした。


「もしかして、その剣士の名前はブラドじゃないか?」


「んっ? ……あ~、そうだ。確か、そんな名前だったな! いや~、思い出せてスッキリした。ジン、お前何処でこいつの名前知ったんだ?」


「……知ったも何も、その人は英雄王だよ。対戦時代、神から力を授かり最も活躍した人で今も尚、語り継がれてる」


「ほ~、そんな凄い奴だったのか?」


 まさか、英雄王の伝説の話である〝黒き悪魔との戦い〟の本人が、こいつだとは思わなかった。

 いやでも、確かにあの話を思い返すとベルロスの見た目と合うな……。


「ちなみに、その話の中にお前も事も書かれていたよ。後にも先にも、英雄王が負けを意識した戦いは悪魔との戦いだけだったって」


「へ~、あいつは確かに強かったからな。力の一部とはいえ、人間の負ける気がしなかった俺を負かしただけあるな! なあ、ジン。今度、その話が書いてる本見せてくれないか? あいつがどんな事を思っていたのか、自分の目で確かめたい」


「それなら、その本持ってるから読むか?」


 俺はそう言って【異空間ボックス】から本を取り出し、ベルロスに渡した。

 するとベルロスは驚いた顔をして、本を受け取ると「主様、ありがとな!」と言って本を読み始めた。

 俺はそんなベルロスを見ながら、俺はあと英雄王がどんな相手だったのか気になった。


「……まあ、今は本を見させてやるか」


 俺と戦っていた時と同じ位、ベルロスは笑みを浮かべて本を読んでいた為、俺は話しかけずベッドに横になった。


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