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第258話 【訓練の終わり・1】


 兵士達の訓練を任されてから約一ヵ月が経過した。

 俺とレイ、クロエとレンと二手に別れ、それぞれが兵士達の訓練にこの一ヵ月間頑張って来た。


「えっ、そろそろ訓練するのを止めていいんですか?」


「ええ、勇者達の訓練がそろそろ終わりそうらしいから、兵士達の訓練も終わりに向けるって通達されたわ」


「勇者たちの訓練、遂に終わりそうなんですね。話は聞いてましたけど、順調そうには見えませんでしたけど」


 この一カ月の間、城で活動していた為、昔の様によく姫様と話していたのだがその度に勇者達の訓練が順調じゃない事に対して愚痴を聞いていた。

 その愚痴の中でよく聞いていたのが、戦女同士が喧嘩をして訓練が進んでいないという内容だった。


「……少し前に、もうそこまでいがみ合うなら一回本気でぶつかりなさいって私が言って問題の二人を戦わせたのよ」


「力技で解決しようとしたんですね。それが上手く行ったんですか?」


「成功とまでは言わないけど、これまでずっと喧嘩してたのが多少治って何とか妥協できるレベルまで訓練する事が出来たわ」


 ふむ、よく喧嘩をする二人か……思い当たる人物達が居るな。

 ゲームでもよく喧嘩をしていてその度にどちらかを選んで、選ばれた方の好感度は上がり選ばれなかった方は好感度が下がるとありがちな設定があった。

 そういった所が面倒だと思うゲーマー達は、金を二人の好感度を上げるアイテムに注ぎ込み、先に好感度をMAXにあげるというやり方をとっていた。

 やり込み勢の俺からしても、何度もプレイしているとその二人のやり取りが面倒に思い縛りプレイ以外でプレイしてる際はさっさと好感度を上げていた。


「大分大変だったみたいですね」


「ええ、本当にね。聖女だから勇者達と訓練するようにしてたけど、あの二人の喧嘩を聞くたびにイライラしてたわ……二人の事は好きだけど、二人が喧嘩してる時は嫌いだったわ」


 そう姫様は本音を口にすると、クロエは「女の子の喧嘩って色々と面倒ですもんね……」というと姫様は力強く頷いていた。

 その後、クロエとレイに姫様は労われ、数日以内に訓練を終わる様に動いてほしいと頼まれてその日の話し合いは終わった。

 姫様の所での話し合いを終えた俺達は、宿に戻って来てそのまま夕食を食べに食堂に向かった。


「訓練の終わりか……丁度、こっちはそろそろいいかなってレベルだけどクロエ達の方はどうだ?」


「私達の方もいつでも終われるよ。最初の目標だったレベルは、兵士さん達のやる気が凄くて一週間くらい前には突破してたよ」


 兵士の訓練状況について聞くと、そうクロエから言葉が返って来た。


「ふむ……それなら、明日からの訓練だけどこれまでは別れて訓練してたけど、今後は一緒に動く事になるだろうから残り数日間は連携力をあげる訓練でもするか? 皆が良いならそうしようと思うけど」


「私はいいと思うよ」


「私も良いと思うよ~」


「俺も良いと思う。これから先、魔王軍相手に一緒に戦う者同士お互いの強さを知っておく必要があるからな」


 俺の提案にクロエ達はそう言葉を返し、明日からの訓練について少しだけ話し合った。

 話し合いで決まったのは明日からは、これまでのように別れるのではなく合同訓練で行い、実戦的な戦闘訓練を行うと決めた。


「実戦的って事は俺達が相手になるって事か? ……レイはちゃんと手加減出来るのか?」


「で、出来るよ手加減位! それに怪我しても薬で治療できるから、死なない様に手加減すればいいんでしょ?」


「……正直、レイが兵士を壊す可能性もあるから俺達が兵士と戦うというのは無しだ。その代わり、俺とクロエがゴーレムを作って、それで兵士達と戦ってもらおうと考えてる」


「それが良い、さっきの言葉を聞く限り怪我は治せても精神的に壊れる兵士が出るかもしれないからな」


 レンの言葉に否定が出来ないレイは、「レン君の馬鹿……」とレンに言って少し落ち込んでいた。

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