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第255話 【聖女の力・1】


 ユリウスとの戦いの翌日、訓練が終わると俺は姫様に呼び出しをされた。

 昨日は戦いが終わると、俺もユリウスも疲労で禄に話す事も出来ない位に疲れていた為、直ぐに解散した。

 多分、昨日の事を聞きたいんだろうなと思いつつ、俺はクロエ達と一緒に姫様の部屋に向かった。


「私の祝福を受けたユリウスを倒す何て、ジンって本当にまだ人間?」


「……入って来て行きなり、種族を疑われるとは思いませんでしたよ。それと一応、まだ人間ですよ。ステータスにも〝ヒューマン〟と書かれてるので」


 部屋に入ると姫様から種族を疑われた俺は、そう言葉を返してソファーに座った。


「昨日の試合、本当に凄かったわ。ユリウスもジンも強い事は知ってたけど、あそこまで強いとは思わなかった。特にジンは、実力の殆どを隠してるから何度も驚かされたわ」


「昨日のジン君、流石に一撃で死ぬような魔法は使ってなかったけど、それ以外は本気だったもんね」


「ジン君が人相手に本気で戦う姿、マリアンナさん達以外だと初めてだったんじゃない?」


「ああ、師匠達以外だと人相手に本気で戦ったのは昨日が初めてだったよ。まあ、ヤバイ魔法を禁止するだけだったから難しくはなかったけど、予想以上にユリウスさんが強くて驚いたな……」


 昨日の事を思い出しながらそう言い、俺は姫様の方を見た。


「まさか、ユリウスさんに【祝福】を使ってたとは思いませんでしたよ。予想では勇者と戦女の誰かに与えてるもんだと思ってたので」


「私も最初はそうしようかなと思ったけど、ユリウスに渡した方がいいかと思って与えたのよ。今は勇者とユリウスの二人にだけ与えていて、残りは誰にしようかまだ決めてる途中ね」


 ふむ、まあゲームだと頼まないと受けられないってなってたけど、この世界では姫様が与えたい人間に与えるという感じなんだろうな。


「昨日、ユリウスさんが使ったあの技。姫様が渡した力だったんですね。一気に傷と魔力が回復して驚きました。ジン君はあの技、知ってたの?」


「うん、まあ技自体は知ってたよ。ただユリウスさんが使えるとは思わなかったけどね」


「ジンって本当に何でも知ってるのね。ユリウスが使った技、あれは聖女が4人にだけ与えられる【祝福】って力なのよ。かけられた相手は常に状態異常に対しての耐性と一日に一度だけ体力と魔力を一瞬で全快させることが出来るって技が使えるようになるの」


 姫様は自分が与えた技の説明をすると、聞いたクロエは「体力と魔力を完全回復……凄い」と驚いていた。


「戦闘中でも使えるのが凄い技だな……薬だと取り出して中身を飲むって作業が居るけど、昨日のユリウスさんの動きを見てた感じ使うと決めたら直ぐに効果が現れだしてたよな」


「実際に発動までの時間はそんなに無いから、少しでも敵と距離が離れたらいつでも使える最強の回復魔法だよ」


「そんな回復魔法を使っても、ユリウスはジンには勝てなかったけどね。ただ今回はジンに本気で戦ってもらった事が嬉しかったのか、昨日負けたのに今日は楽しそうに訓練していたわよ」


 ちゃんと訓練しているのか、昨日負けて落ち込んでるのかと思ってた。

 そう俺は姫様の話を聞いて、心の中で安心した。


「勝った手前、相手の事を心配するのは無粋かなと思ってたんですが、やっぱり心配だったので昨日は直ぐに解散になって話せませんでしたからね」


「負けた事には悔しがってたけど、落ち込んではいなかったわよ。ここ数年アンジュに何度も負かされて、落ち込むより次に進むって考えが出来てるみたいだから心配しなくてもユリウスは大丈夫よ」


 姫様は笑みを浮かべながら言うと、俺は「それは良かったです」と安心してそう言った。

 それから少し昨日の試合について話しをしていると、クロエが【祝福】について後は誰に渡すのか姫様に聞いた。


「そう言えば姫様、さっきの話だと【祝福】ってまだユリウスさんと勇者さんにしか渡してないんですよね? 残り二枠は誰に渡すんですか?」


 そうクロエが聞くと、姫様は顔を逸らし「決めきれてないの……」と小声でそう言った。


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― 新着の感想 ―
[一言] 姫様的には主人公にあげたいんでしょうけど、魔王対策を優先したい主人公は確実に勇者パーティーか国の重要人物にあげろって言うでしょうね。「もはや主人公も国の重要人物」という理由でゴリ押せば何とか…
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