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第243話 【戦力強化・3】


 翌日、予定通り王城へとやってきた俺達は姫様の部屋に集まっていた。


「クロエ達とこうして会うのは久しぶりね」


「いつもジン君だけが話に来てますからね~、姫様最近は楽しいですか?」


「ええ、昔に比べたら毎日充実してるわよ。ジン達の活躍を聞くたびに驚かされてるけどね」


 クロエの言葉に対して、姫様は俺の方をジト目で見ながらそう言った。

 それから少し雑談していると、準備の方を手伝っていたユリウスがやって来た。


「ジン君達が許可してくれて本当に助かるよ。正直、手が足りてなかったからね」


「そんなに育成する軍人が多いんですか?」


「どうしても魔王軍とやる為の基準が高くて、本来だったらそこそこ優秀な兵士も魔王軍相手には力が足りないってなってね。勇者さんが修行してる間、兵士の訓練も同時にやっていたんだ」


 ゲームでも序盤は王国の兵士でも魔王軍と戦えていたが、物語が進み相手が強くなっていくと国の一般兵では太刀打ちでは無い描写がされていた。

 戦えていたのはユリウス等、ちゃんとしたキャラとして出されている者達だけだった。


「一応、今日は確認と選考だけですけど、何人くらいみたらいいですかね?」


「欲を言えば1000は見て欲しい所だけど、流石に無理よね?」


「いや、無理ですよ。教えるのだってそんな経験ないんですから、見れて100か多くても300くらいですよ」


 明らかに数字が大きすぎた為、俺は驚きながらそう言い返した。

 その俺の言葉に姫様は分かっていたのか、「やっぱりそうよね」と残念そうに言った。


「ジン君、それって私も300位みないといけないの? それとも私達で300人?」


「俺の考えでは俺達で300人だと考えてるけど」


「ジン達全員なら、せめて400は見れないかしら? そしたら丁度良く、魔法使い200とその他200でいい感じでしょ?」


「いやまあ、300でも150ずつでいい感じですけど?」


「……ジン、お願い。400見てくれないかしら、後はこっちでも頑張るから」


 姫様がそう言うと、ユリウスも「ジン君、お願い」と二人から頭を下げられ、渋々俺達は4人で400人の兵士を見る事が決まった。

 昨日の段階で人数も決めてなかったのが悪いしな、400も見れるかな……。

 俺は自分達で見る人数の数を考えながら不安に思い、何とかやるしかないなと覚悟を決めた。

 その後、時間になったので俺達は部屋を出て訓練場の方へと向かった。

 既にそこには数千人規模の人が集まっていて、前の方には見覚えのある人達が兵士達を纏めていた。


「久しぶりじゃな、ジン」


「お久しぶりですねレーヴィン様、元気でしたか?」


「元気じゃったが、寂しい日々を送って居ったぞ? 誰かさんが儂から逃げ続けて居ったからの」


「あはは……」


 見覚えのある顔ぶれの中には勿論、レーヴィンもいて俺を見つけるとジト目で見つめながらそう言われた。

 それから顔見知りの人達と挨拶をして、早速俺達は兵士の選考を始めた。


「さっき話し合いで俺達の所は400人見る事になったんですが、レーヴィン様達の所は何人とか決めてあるんですか?」


 今回、兵士の育成担当となったのは俺達の他にノルフェン家・ルフィオス家、そしてユリウス率いる姫様の専属従者団と4つのグループに分けられる。


「うむ、ジン達の所以外は特に人数は決めておらん。正直、既にジン達の実力は儂等を超えておるからそこに特に才能がある者達を固めて、後は儂等で見ると話し合いで決めて居る」


「そうなんですか、だったら取り敢えず最初に俺達の所の選考をはじめた方が良さそうですね」


 そう言って俺はレーヴィン達に手伝いをお願いして、数千人いる兵士達の選考を始めた。

 選考基準は実力は勿論だが、やる気があるか、俺やクロエ達の教えをちゃんと聞く者なのかを選ぶ基準とした。

 正直、最初の二つはどうでも良くて、最後の俺達の教えを聞くかどうかが一番大切だと思ってる。

 15歳の若造に教えられるのが恥ずかしいと思われながら教えるのと、真剣に教えを聞く者だとやっぱり後者の方が教え甲斐もある。

 それから俺達は大勢の兵士達相手に選考を続け、全ての兵士を見るのに丸一日かかった。


「……正直、二日三日は覚悟してたけど、レーヴィン様達が協力してくれたおかげで大分早く済んだな」


 何とか選考を終えた俺は400人の選び抜かれた兵士達の顔を確認して、明日また色々と挨拶等をすると伝えて今日の所は解散した。

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