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第223話 【悪魔の動き・2】


 ヘレナーザの魔力を感じ取ると、師匠の家から師匠とヘレナーザが一緒に出て来た。


「ヘレナーザさん、お久しぶりです。無事に準備は出来たんですか?」


「ええ、出来たわ。ジン達が来るのを待っていたの」


 ヘレナーザはそう言うと、異空間から用意したであろう道具を取り出した。

 用意された道具は普通の水晶に見えるが、水晶からは膨大な魔力を感じ取り、普通の水晶では無いなと感じた。

 そうしてヘレナーザの作業が始まると、俺達は黙って見守っていると「これかしらね」とヘレナーザが言ったので俺達は水晶を覗き込んだ。

 水晶の中には20代前半位の、長身で珍しい黒髪をしてるヒューマン族の女性が映っていた。

 レイは「それが悪魔なの?」と首を傾げていたが、俺とクロエはこの女性から膨大な魔力を感じ取った。

 そしてその魔力の大きさは丁度、フィオロの力を封印する前くらいの物とかなり似ていた。


「魔力の大きさから悪魔クラスだと思いますけど……師匠はどう思いますか?」


「そうね。実際に目で見ないと確定は出来ないけど、9割悪魔だと思うわね」


 9割って事はほぼ悪魔って事だろうな……しかし、この女性なんか見覚えがあるんだよな? 俺が見覚えがあるって事は、ゲームのキャラの可能性が高いんだが……。

 見覚えがあると感じた俺は、思いだそうと必死に考えていると、この女性と一致するキャラの事を思いだした。


「……取り敢えず、捕まえてみて悪魔かそうじゃないかハッキリさせませんか? 悪魔であれば、直ぐに対応した方がいいですし」


「そうね。悪魔に関しては流石に私も手伝うわ、ヘレナーザちゃんこの子何処にいるか分かる?」


「ええ、場所はジン達が暮らしてる国から北の方のにある山の麓に、今は居るみたいね」


 ヘレナーザから場所を聞いた俺は、流石に悪魔との戦いにクロエ達は巻き込めないのでクロエとレイを王都へと送り届け、師匠と一緒に教えて貰った場所に向かった。


「弟子ちゃん、さっきあの子の顔を見て考えてたみたいだけど、もしかしてあの子の事は知ってたのかしら?」


「はい、彼女はゲームの中で登場するキャラの一人でした」


「やっぱり、そうだったのね。それで〝げーむ〟だとどんな人だったのかしら?」


「世界を憎んでいました。悪に落ちたジンが彼女の心の支えだった人を殺して、悪魔に乗っ取られた形で悪役になるんですが、この世界だと俺が関係していないので悪に落ちる原因が無い筈なんですが……」


 ゲームだと悪に落ちたジンが襲った村の娘として登場していて、彼女の妹と母親を殺した事で彼女の心の支えが居なくなり悪魔へと精神まで乗っ取られた。

 その後はジンと共にするという訳もなく、悪役の一人として勇者と対峙する事になり、ジン程ではないが悪魔の力を持つ彼女はかなりの強敵だった。


「そうなのね……だとしたら一番の原因は、弟子ちゃん以外の人があの子の心の支えを無くしてしまって悪魔と契約したのかも知れないわね」


「そうですね……こうなる前に俺が何かすればよかったんですが、関わる事で問題が起きてしまいかねないと思い頭の中からスッカリ消してました」


 その後、俺と師匠は彼女が居る山の麓へとやって来て、周囲の魔力を探しながら奥へと進んだ。

 周りの人里が無いからか、彼女以外の人の気配を感じないお陰で直ぐに見つける事が出来た。

 彼女は山の麓の洞窟に生活スペースを作っているみたいで、そこで既に何日も暮らしている様子だった。


「だれッ!? うっ!」


 遠くから見ていた俺と師匠の視線に気づいた彼女は、咄嗟に戦闘態勢に入ったと思うと、直ぐに頭を抱えて蹲った。

 その様子を見ていた俺と師匠は、彼女の前に姿を現した。


「……凄いわねこの子、悪魔から乗っ取られない様に精神力で保っているわ」


 師匠はそう驚く、彼女に手をかざして魔力を流すと苦しんでいた彼女は徐々に顔が良くなっていった。

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― 新着の感想 ―
[良い点] >彼女は徐々に顔が良くなっていった。 >顔が良くなっていった 誤植では無い 魔力を注がれたからだ
[一言] え?ただの村娘が精神力だけで悪魔を抑えてたって凄すぎませんか。そりゃ師匠も驚きますは。もしかして次の弟子候補かな?むしろそうあってほしい。
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