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第198話 【金級冒険者への昇格・1】


 ギルドで昇格の話を聞いた俺達は、試験まで暫くあると言われ宿に帰って来た。

 金級冒険者への昇格テストの内容は、これまでと同じく同等クラス以上の冒険者との対戦と、これまでには無かった常識問題と礼儀作法のテストが行われる。

 常識問題の内容は普通に生活していたら分かるような内容で、そこまで難しい内容では無い。

 金級冒険者ともなると位の高い相手との交流も増える為、そういったテストを行う。


「筆記テストがあるの? 嫌だな~……」


「そこまで難しく無いから、そう気に病まなくてもいいぞ。内容自体は簡単だから、気を楽にして覚えている内容を書けば筆記テストは合格するよ。逆に対戦の方が難しいと思うぞ」


 俺は以前からそうだが、クロエ達も修行を行った事で普通の同等クラスの冒険者以上の力を手にしている。

 更には最近は魔王軍と戦い続け、全員がレベルアップをして能力値が上がっている。


「正直、手加減して戦うのが難しいと思う。相手は金級冒険者クラスだから、下手に手加減しすぎると試験に合格が難しくなるし、だからと言って手加減をせずにやったら相手に怪我をさせてしまうかもしれない」


 特に俺達の中で手加減を知らないレイは、間違いなくこのまま試験を受けたら相手をボコボコにしてしまうだろう。

 俺とクロエは少し調整に時間を割けば何とかなるだろうし、レンは元々そこまで強力な技を使うタイプじゃないから大丈夫だ。


「確かにそうかも……金級冒険者って事はアンジュさんクラスの人だよね? アンジュさん相手に下手に手加減で戦う事は出来ないし、難しそうだね」


「試験までは数日あるから、それまでになんとかしよう」


 そう話し合いを閉めた俺は、明日から暫くは予定も無いから空島で訓練をしようと皆に言ってこの日は解散した。

 翌日、朝食を食べた俺達は修行相手に丁度いいからと、フィオロも連れて空島へと移動して来た。


「いきなり、私も連れて来て何をするの?」


「手加減の訓練だ。今度、金級冒険者の昇格テストがあるんだが、俺達の力は金級冒険者以上だから相手に怪我をさせない程度に力を抑える為に訓練する事にしたんだ」


「……もしかして、私がその相手? 嫌よ。あんた達の相手なんて、私が出来る訳無いでしょ? ようやく、冒険者で言うと銀級冒険者クラスの魔法が使えるようになった程度なのよ?」


 イヤイヤと拒むフィオロだが、フィオロ以外に丁度いい相手が居ない。

 その為、拒むフィオロに一段階だけ力を解放する条件で修行の相手になって貰う事にした。

 一段階といっても、今のフィオロの力が銀級冒険者クラスだとしたら、銀級冒険者上位クラスの力になるくらいだから、そこまで心配する事は無い。


「それじゃあ、まずはレイからやろう。この中で一番、手加減が苦手だからな」


「は~い、それじゃあフィオロちゃん。よろしくね」


「ちゃんと手加減しなさいよ? あんたの馬鹿力に今の私は耐えられないんだから」


 それからフィオロ対レイの修行が始まったので、その間に俺達は別の修行をする事にした。

 フィオロと戦ってる間、パーティー内で俺の次に総合力が高いクロエと手加減をしながら戦い少し手加減の修行をする事にした。


「レンは手加減の修行はしないってなったけど、俺達が修行してる間、研究したいなら王都に送るよ?」


「いや、俺もちょっとやりたい事があるからこっちに残るから気にしなくて良いよ」


 そうレンから言われた俺は「そっか」と言い、クロエとの戦いに集中する事にした。


「こうして、クロエと戦うのなんだか久しぶりだな」


「そうだね~。久しぶりでちょっと緊張してるよ」


「俺もだよ」


 お互いに久しぶりの感覚でちょっと緊張気味だった俺達だが、戦いが始まったら戦いに集中する事が出来た。

 クロエと俺、なんだかんだ戦い方が似ていて互いに接近戦と遠距離戦を得意としている。

 その為、まずは接近戦の手加減の修行をする事にした。


「ッ!」


 クロエ、魔法ばっかり使ってるのに一発一発が重たい。

 何とか勢いを殺せてはいるけど、少しでも体勢が崩れたら一気に持っていかれそうだ。


「ジン君、獣人族の私とここまで互角に体術勝負が出来るって本当に凄く訓練してるんだね」


「まあ、最近で言うと師匠達相手に武器無しで戦ったりしたからな、その時のおかげで危機察知能力が高くなってるんだと思う」


 クロエの拳をギリギリで避けながら俺はそう言い、徐々にクロエの動きにスピードと力を合わせて行った。

 その後、接近戦の修行は一旦終え、次は遠距離戦を休憩を挟んでやる事にした。

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