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第195話 【竜人国参戦・1】


 いつも通り、姫様からの連絡が来ないかなと過ごしていた俺達の所に、王城からの使いの人が慌ててやって来て、そのまま城に連れて行かれた。

 いつもなら姫様の従者から連絡を貰うのだが、今日は王城の使いが来たのでなにかあったのか? と疑問に思っていた。

 しかし、その疑問も城に連れて行かれて、客人が待つ部屋に通されてその謎は解けた。


「リュドラさん!?」


「ジン君、久しぶり。君の活躍はこっちの国まで届いていたよ」


 部屋の中に居た人物は、竜人国ドラゴニアで出会い俺の刀術の師匠でもあるリュドラだった。


「何でこの国に居るんですか?」


「弟子のジン君が頑張ってるのに、何も出来ないのは辛くてね。王にその事を話したら、なら竜人国も魔王軍との戦いに参戦しようって話になって、今回はその話し合いに来たんだよ」


「えっ!? 竜人国が魔王軍との戦いに参戦するんですか!?」


 おいおい、マジかよ。

 ゲームだと唯一力があって魔王軍の被害を受けなかった国が、魔王軍との戦いに参加するってマジで言ってるの!?

 そうなったら、治療から復帰して修行をしている勇者の出番が魔王にトドメを刺すだけになりそうだぞ?


「まあ、弟子が頑張ってるっていう理由ともう一つ、別の理由があるんだけどね」


「別の理由ですか?」


「うん、その私はガフカの工房で作って貰った刀、王は黒竜様の鱗から作られた装備を試したくて、戦いたくてうずうずしてるんだよ」


 リュドラは笑みを浮かべながらそう言った。

 以前、竜人国でリーザに作って貰えるか交渉してもらうと言ったリュドラの刀は、リーザは快く引き受けてくれた。

 そしてその出来た刀をリュドラに渡すと、物凄く喜んでいたがそれわ使う場面が今まで無かったみたいだ。


「竜人国の近くではもう争い事が無くて、使う機会が無かったんですよ。だから、王と話して魔王軍討伐を名目にすれば戦えるんじゃないかって」


「……まあ、それで竜人国が味方に付いてくれたのは有難いですね。正直、竜人国は他国が沈んだとしても安全ですからね」


 そう俺はリュドラ達の参戦理由に呆れながらそう言い、竜人国からどれくらいの戦力を持ってくるのか聞いた。


「私と王は確定で参加は決まってます。後は、王子も参加したいと言ってますが、王妃様が承諾するかですね……勿論、竜騎士は参加予定です」


「国王、リュドラさん、竜騎士……それだけで、十分な戦力ですね。まあ、グライアに関しては王子という立場上、参加は難しいでしょうね」


「はい、王妃様は過保護ですからね」


 竜人国ドラゴニアの王妃、彼女の名はイリス・ドラゴニア。

 王妃という立場だが、その力は国王であるグラムスと並ぶ程の強さを持っている。

 そして設定資料にも書かれていたが、過保護な性格をしている。


「それにしても竜人国が参加ですか……魔王軍は驚くでしょうね。竜人国に手を出さない限りは安全だと思っていたと思いますから」


「そうですね。まあ、私達も書面で争わないと契約した訳では無いですからね」


 ニコニコと笑顔を浮かべるリュドラは、早く戦いたいと言った。

 その後、部屋に城の従者がやって来て、俺はリュドラと共に国王達が待つ部屋に移動した。

 そうして国王や大臣達が集まって部屋に通された俺はリュドラの横に座り、会議を聞く事になった。

 うん、普通に何でここに居るのか疑問に思うけど、話し合いは俺抜きで進んでるし、このまま静かに見守っておこう。

 そう思い、俺は自分の前に置かれてる茶を飲みながら傍観を続け、何事もなくその話し合いは終わった。


「ジン、ちょっといいかしら?」


「んっ? どうしました姫様」


 話し合いが終わり、一緒に会議を聞いていた姫様から呼ばれた俺は、そのまま姫様の部屋に連れて行かれた。


「ジン、貴方が竜人国と知り合いってどういう事? その事、聞いてないんだけど?」


「えっ? 言いましたよ。ほら、俺に刀術を教えてくれる人が見つかったって言った時に、メインはリュドラさんの事だったので竜人国の事は一言二言で終わりましたけど」


「……」


 俺の言葉に姫様はジト目で睨むと、竜人国とどうやって知り合ったのか詳しく聞かせてと言われ、別に今更姫様に隠す事でもない為、ノアさんの事から話す事にした。


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