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第187話 【敗北の勇者・3】


 翌日、俺達は朝早くからガフカの工房へと向かっていた。

 一応、今日は期限日だけどリーザ達の様子から、もしかしたら期日以内に終わらないかもと皆と話していた。

 素材が素材なだけに慎重にやってると思うから、かなり一ヵ月の期間もかなりギリギリだったと思う。


「まあ、出来てなくても正直、今の俺達だったんらその辺の魔物くらいなら装備無しでも倒せるからな」


「そうだね~、特にクロエちゃんの魔法の威力はもの凄く強くなってるから、クロエちゃん一人で魔物の大群を相手出来そうだもんね」


「それをいうなら、ジン君の方が凄いと思うけどね。魔法もそうだけど、あの刀の攻撃はもう凄いとしか言いようがないよね」


 レイから褒められたクロエは照れながらそう言うと、その言葉にレンは「確かな」とクロエの言葉を肯定した。


「ああ、アレは本当に凄いな。今まで刀術を教えてくれる相手がいなくて、ジンは独学でやって居たけど師匠を見つけて、一気に刀術のレベルが上がったよな」


「リュドラさんとの出会いは、俺にとっていい人との出会いの一つだよ。刀を使える人は本当に限られてるから、その中でもあそこまでの腕を持つ人は中々いないからな」


 リュドラの作った刀術の流派、竜刀流の一番弟子である俺はリュドラから全ての技を教え込まれた。

 リュドラから教えられた技は全部で5つ、全てが竜の攻撃にちなんだ技で、一つ一つが洗練された技だ。

 そうして店に着くまで話していると、いつの間にか店にまで付いていて俺達は扉をノックすると中から一人の女性が出て来た。


「久しぶりね。ジン君達、装備を受け取りに来たの?」


「はい、お久しぶりです。リズさん」


 女性の名前は、リズ。

 リーザの母で、リブルの奥さん。

 リブルが王都に戻って来て店で働かされるようになってから、偶に店の手伝いにきている。


「装備の方は出来ていますか?」


「ええ、無事に完成したみたいよ。皆、奥の作業場で最後の調整をしてるから、自分達の目で見くると良いわよ」


 そうリズに言われた俺達は、店の中に入り奥の作業場へと向かった。

 作業場では三人がまだ作業に集中している様子だったので、俺達は邪魔にならないようにリーザ達の作業を見ていた。


「んっ、ああジン達来てたのか。気付かなかったよ」


「声を掛けなかったからな、それで最後の調整が終わったみたいだけど、それが俺達の新しい装備か?」


「ああ、そうだよ。こんな珍しい素材を手にしたのは初めてで、ちょっと苦戦はしたが満足のいく仕上がりだよ」


 リーザはそう言って、俺達の装備を作業場にあるテーブルに集めて並べた。

 今回の素材に使ったのはドラゴンの素材の為、難しいと最初から分かっていたけど、ここまで凄い装備を作るなんて……流石、ガフカの工房長達だな。

 防具の方は基本的に黒系の色で、皆お揃いの柄だ。

 俺とレイは動きやすい革系装備の様な感じになっていて、クロエとレンのはローブ系の作りをしている。

 武器の方も、それぞれの使ってる種類の武器が作られている。

 特にその中でもひと際、出来栄えで目立っていたのは俺の新しい刀だろう。


「竜王の素材なんて初めて扱って、本当に難しかったぞ。爺ちゃんでさえ苦労してたからな、そいつの加工に十日かかったんだからな」


「そんなに掛かったんですか!?」


 俺の新しい刀の素材は、ヴェルド様と最終試験で戦った際に俺の攻撃が当たって抜けた牙を使用した。

 竜王の牙は金属よりも硬く、竜の王と言う事で魔力の通りも物凄く良い。


「あれだけの大きさの牙は初めて見たからな、なんとか刀の形には出来たが……多少、大きくなってしまった」


「この位なら大丈夫ですよ。それにまだ俺は成長期ですからね。直ぐに丁度よくなりますよ」


 そう言いながら俺はヴェルド様の牙で作られた刀を手に取り、その造りに感動していた。

 クロエ達も俺が刀をとってから、自分達の武器の説明をリーザから聞いて、その造りの良さに感動して皆でリーザ達に改めてお礼を言った。


「礼は要らんよ。逆に儂はこれ程の素材に出会えたことに感謝してるよ。ありがとな」


 俺達のお礼の言葉に対して、ルバドがそう言うとリーザとリブルもそう言った。

 その後、俺達は新しい装備を着て、店の裏庭で少し武器を振ったりして装備の具合を確かめた。

 その結果、どれも俺達にピッタリ合った作りをしており、流石ガフカの工房長達が作った装備だな改めてそう感じた。

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