表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
18/583

第18話 【ランク上げ・2】

 その後、依頼分の採取を終えた俺達は王都へと戻って来て報告を行った。

 報告の際、フィーネさん達から俺達は「必要な依頼は終わりました」と告げられた。


「ようやくか、結局採取系の依頼を集中してやっても三日も掛かったな……」


「そうだね。それも一日何個もこなしてて、頑張ったね~」


 そう俺とクロエが互いに労っていると、フィーネさんとリコラさんが何とも言えない表情をしていたのが気になった。


「どうしたんですか、二人して?」


「……クロエさんはまだ半年間冒険者として活動をしていましたから、まだ良いんですけど、ジンさんを本当に〝銅クラス〟に上げても良いのかなと思いまして」


「俺自身が上げようと思って、積極的にやった訳では無いですからね」


「ギルドのトップがやった事ですから、何とも言えないのですが……流石に銅クラスともなると、流石にこれまでの様に隠せないと思います」


 フィーネさんからそう言われた俺は既にバレそうな雰囲気はある為、そこに関しては大丈夫だと言った。


「先日、ギルドマスターと話す機会を頂いた際に自分が目立つ事で迷惑行為をされたら、守ってくださいと言って約束をして頂きましたから」


 騙されてアスカと対面してから数日後、俺はフィーネさんにアスカと話す場を設けて貰いその際にそのお願いをしていた。

 もう気に入られてしまったのなら、自分の有利になるように使おうと思っての行動だ。

 それに駄目元で聞いただけで、駄目なら他のやり方もあると思いアスカにお願いをした。


「へぇ~、ギルドマスターにそんな約束したんだ。凄いねジン君」


「俺が目立つ原因の元凶があの人だからな、責任とってくださいって言ったら承諾してくれたよ」


「確かに、マスターが間に挟まらなければジンさんも目立たずジックリと昇格出来ましたからね」


 フィーネさんの言葉に、俺は頷いた。

 その後、これからの動きについての話になった。


「木から鉄への昇格は、依頼数の達成度で上がるものでしたが。鉄から銅への昇格は、昇格テストを受けて合格をしてもらう必要があります」


「ええ、前言ってましたよね。それでその時は、昇格テストの相手が見つかってないと言ってませんでしたか?」


「はい、そちらに関しては昨日無事に見つかりました。相手もジンさん達と同じく、パートナー登録をしている方で秘密を守ってくれる約束もして頂きました」


 それを聞いた俺とクロエは、無事に昇格テストが受けられる事に少し安堵した。


「相手の情報って今聞けますか?」


「はい、相手の方は剣士の方で魔法も少し出来る方ですが、テストでは剣だけで戦うと言っていました。戦い方としては筋力で押すと言うより速さ、技術面で戦う感じの方ですね」


「成程……そのテスト、俺達は魔法はあり何ですか?」


「可能です。試験者は魔法もありで、武具だけはギルドが用意した物になります」


 そうフィーネさんは言うと、俺達に「他に確認しておくことはありますか?」と尋ねてきたが、俺とクロエは「大丈夫」だと返答した。


「テストの日は、予定通り明日行う予定ですが日程の変更はしなくても大丈夫ですか? 相手の方に確認した限り、本日から三日以内だったらその方が出来ると言ってましたので」


「う~ん、俺は明日で構いません。クロエはどうだ?」


「私も明日で良いよ。今日も依頼いって来たけど、そこまで疲れて無いから試験に響かないと思うし」


「うん、そう言ってますから明日の日程のままで進めて貰って構いません」


「分かりました。では、試験場の予約は明日の朝にとっておきますので遅刻しないように来てください」


 それから、特にそれ以外の事は話す事も無いので本日の仕事はこれで終わりとなった。

 話し合い終了後、ギルドから近い食堂でクロエと食事をした。


「なんか最近、こうして仕事終わりに食事する事増えたな」


「うん、でもこれのおかげでお互いの事色々としれたよね。ジン君ってニンジンさん嫌いでしょ?」


 ニヤニヤと俺の更に残ってるニンジンを見ながら、クロエはそう言った。

 いや、別に食べれないって程では無いが、あの甘い感じが少し苦手だ。


「そう言う、クロエは葉野菜系は全般的に無理だろ? 今も皿の隅に避けてるし」


「食べれない訳じゃないよ? ただその、苦いのが……」


 少し強がってクロエはそう言い、俺はクスッと笑みがこぼれてしまった。

 そんな俺を見て、クロエはムーと頬を膨らませジーと睨んできた。


「ごめんごめん、ほらもうお互いに嫌いな食べ物しか残ってないし、早く食べようぜ」


 睨むクロエを見て俺はそう言いつつ、心の中では違う事を考えていた。

 ゲームでは怖いキャラのクロエだったが、自分がそのゲームの世界に入りこうして観ると普通の女の子だなと感じていた。

 その後、お互いに嫌いな食べ物を口の中にいれ食事を終え、食堂の前で解散した。

【作者からのお願い】

 作品を読んで面白い・続きが気になると思われましたら

 下記の評価・ブックマークをお願いします。

 作者の励みとなり、作品作りへのモチベーションに繋がります。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[気になる点] 嫌いなものは残して絶対に食わないorそうしようとしたら怖い人に無理矢理食わされたとかならともかく 最後に嫌いなものだけで食うとか、後味が悪過ぎる… 嫌いなものは他のと一緒に真っ先に処理…
[一言] 種類にもよるのだろうけど、確かに妙に甘い人参あるよな。 カレーや煮物、サラダ用のスティック人参とかは問題ないけど。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ