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第177話 【三人の魔女・1】


 リュドラから技を伝授してもらってから一週間が経ち、俺は魔法の修行をしつつ、リュドラから教えて貰った技の修行も同時に行っていた。

 そして、この一週間で変わった事が二つある。

 一つは、リュドラから教えて貰った技の威力が低い版は使えるようになった。

 流石に使い続けて慣れないとあれほどの威力・迫力は出せないだろうけど、一歩進んだ感じだった。

 そして二つ目は長い間、俺の修行相手を探しに旅をしていた師匠が帰って来た。


「ごめんね~弟子ちゃんの為に最高の修行相手を選ぼうと思って頑張ってたら、こんなに時間が経っちゃったわ」


「いえ、大丈夫ですよ。それに師匠が最初に修行相手に選んで下さった竜王様のおかげで、俺も大分強くなれましたから」


「うん、そうみたいね。ヴェルドにここを使わせるように言ったのは、弟子ちゃんの魔力の底上げが目的だったけど、ちゃんと私が居ない間も頑張ってたみたいね。偉いわ弟子ちゃん」


 師匠は俺の事を見ると、この期間で成長したのを一瞬で分かりそう言った。

 俺はそんな師匠に、他の修行相手はどんな人なのかを聞いた。


「うん、色々と考えたんだけどやっぱり、強い相手と言ったら私クラスが居た方がいいと思ったのよね。それで、私クラスってなると二人しか思いつかなくて、あの子達を探し回ってて遅れちゃったのよ」


「あ、あの、師匠クラスの二人って、それもしかして……」


 そう俺が師匠の言葉を待っていると、師匠は笑顔で「そう私と同じ魔女」と言った。

 そしてそれと同時に、空間から二人の女性が現れた。

 一人は黒い髪を腰のあたりまで伸ばし、体型も細く美しい女性だ。

 そしてもう一人の女性は、白髪を肩のあたりで揃えたボブヘアーで若干師匠やもう一人の女性と比べると幼い感じだった。


「はじめまして、貴女がマリアンナの弟子のジン君ね。私は〝狭間の魔女ヘレナーザ〟よろしくね」


「私は〝無の魔女ナシャリー〟。よろ」


 黒髪の女性の方が〝狭間の魔女〟で、もう一人の幼い感じの人が〝無の魔女〟と名乗った。

 ヘレナーザの方は好意的な感じで「へ~、いい魔力を持ってるわね」と言いながら、俺の事を観察していた。

 だけどナシャリーの方はなんだか眠そうな雰囲気を出しつつ、師匠の方を見上げて「もう帰っていい?」と言っていた。


「駄目よ。ナシャリーには私の弟子ちゃんを強くするという役目があるんだから、それにその為に貴女のお願いも聞いたでしょ? もしお願いを反故するんなら、貴方の部屋を破壊しちゃうかもしれないわよ?」


「……マリアンナの弟子。早く強くなる。私の部屋が危ない」


 ナシャリーは師匠の言葉を聞くと、さっきの眠そうな顔とは違い真剣な顔をしてそう言った。

 師匠達の力の差は俺からしたら殆ど無いように見えるが、なんとなく力関係的にナシャリーは一番低いように見えた。


「マリアンナ、ジン君を壊さない程度に強くしてほしいって言ってたけど……この子の体、凄く良いわね。強くなれる体をちゃんと作れているわ」


「ふふっ、私の弟子よ? 当り前じゃない」


 ヘレナーザが俺の事を褒めると、師匠は嬉しそうな顔をしてそう言った。

 そんな二人の会話を聞いていたナシャリーは、俺の後ろに居るリウスの方へに目がいっていた。

 そんなナシャリーの視線に気づいた師匠達もリウスの事が目に入り、師匠は「その子は弟子ちゃんの【無魂獣】かしら?」と聞かれた。


「はい、少し前に孵ったんです。名前はリウスって言います」


「きゅ~」


「あら、可愛いわね」


 リウスは師匠達に近づくと、そう鳴いて頭を撫でて貰っていた。

 師匠とヘレナーザがリウスの頭を撫でていると、一人手をワナワナとしているナシャリーが目に入った。


「ナシャリーも良かったら、撫でてやってください」


「いいの?」


「はい、リウス。ナシャリーさんにも頭撫でさせてあげなさい」


「きゅ~」


 俺の言葉にリウスが反応すると、リウスは師匠達から少し離れた所に居たナシャリーに近づき頭を向けた。

 そしてナシャリーはリウスの頭に手を置くと、ゆっくりと撫でると嬉しそうな顔をしていた。

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― 新着の感想 ―
[一言] >一つは、リュドラから教えて貰った技の威力が低い版は使えるようになった。  この文章に対して差し出がましいとは思いますが、版とかバージョン以外にもこう言った文章にすれば、より自然な文章にな…
[一言] 勇者くんこれますます主人公との力の差が開いて闇堕ちしそう。
[一言] 何となくだけどナシャリー、ヒロインになりそうな気がする
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