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第172話 【竜王ヴェルド・4】


 ドラゴン族の土地での日々は、今でもかなり速い成長速度で成長していたのが更に加速して、毎日自分の成長に満足していた。

 その中でも一番成長を感じているのは、なんといっても魔力だろう。

 既にこの数日間でレベルは変わっていないのに、魔力の数値は数百単位で増加している。

 それなのに未だに上がり続けていて、本当にこの地にこれて良かったと俺はヴェルド様と師匠に感謝した。


「さてと、ジンよ。ここに来て大分、ノアとの戦闘にも慣れてきた頃じゃ。一度、我と戦ってみるか?」


 修行五日目、いつものように修行をしにやって来た俺にヴェルド様はそう言って来た。

 俺はその言葉に一瞬だけ躊躇ったが、直ぐに「はい。やらせてください」とお願いした。

 正直、ノアの全力を引き出させていないのに、ヴェルド様と戦っても意味があるのか疑問に感じた。

 だがそう言っていたら、いつまで修行をしていたら分からないだろうから、俺は多少無理してでも強くなる道を選ぶ事にした。


「そう構えなくても良いぞ、我もこの数日間ただ見ていたわけでは無いからな。ちゃんと、ジンの実力を把握してそれのレベルに合わせられるように力を調整して来たんじゃ」


「そうなんですか? 態々、俺の為にすみません」


「元々は我が相手をする予定じゃったからな、このくらいはして当然じゃ。という訳で、ノアよ。今日は我とジンの戦いの審判役を頼むぞ」


「はい、お任せください竜王様」


 ヴェルド様の言葉にノアはそう返事をして、俺はヴェルド様との戦いの為に準備運動を始めた。

 念入りに準備運動をした後、俺は気合を入れてからヴェルド様に「よろしくお願いします」と構えながら言った。


「うむ、よい戦いをしよう」


 ニカッと笑うヴェルド様、お互いの準備が終わったのを確認したノアは「それでは、試合はじめ!」と試合開始の合図を送った。

 まず先に動いたのは俺で、複数の魔法を同時に展開してヴェルド様に向かって放った。

 この地での魔力はほぼ無限だから、俺は最初から一気に飛ばして魔法を乱発した。


「おお、これは中々の魔法じゃな! じゃが、この程度なら我のブレスで消えるぞ!」


 魔法をみたヴェルド様は楽しそうにそう言うと、言葉通りブレスで全ての魔法を消し飛ばしてきた。

 流石ヴェルド様だな、ノアに対しては多少有効打を与えられた魔法すらも消し飛ばしてきた。

 だけどそこは最初から分かっていた事、俺に出来るのは更に強力な魔法を使う事だ。

 接近戦も混ぜながら、俺はヴェルド様に攻撃を仕掛け続けたが全て跳ね返され

てしまった。

 若干、心が折れそうになるがそれでも俺はヴェルド様に向かって戦いを挑み続けた。


「はぁ、はぁ、はぁ……」


「うむ、この辺でやめておくかのう。無理をしすぎると、体に悪いからの」


「は、はい……」


 ヴェルド様との戦いは、休憩無しの一時間ぶっ通しで行われた。

 力を調整してきたと最初に言っていた通り、ヴェルド様は俺がギリギリ届かない位の力加減で俺と戦ってくれていた。

 そのおかげで戦いが直ぐに終わる事無く、一時間続けて戦う事が出来た。

 竜王というだけあり、ノアよりも威圧は凄く一つ一つの攻撃に圧されそうになっていたが、なんとか跳ねのけて攻撃を続けていた。


「凄いですね。ジン様、いくら竜王様が力を調整してるとは言え、竜王様の威圧は元のままなんですよ。それに対して、あそこまで戦える人間はそういないと思いますよ」


「ありがとうございます。ヴェルド様が俺の為に力の調整までしてくれてるのに、威圧で辞めるなんて出来ないと思ってたので、その思いのおかげでなんとか戦えていた感じです」


 ノアから褒められた俺は、上半身だけ起こしてそう言葉を返した。

 その後、俺が休憩している間、リウスとヴェルド様の戦いを行う事になった。

 その戦いはまさしく、ドラゴン対ドラゴンで俺の戦いよりも更に迫力があった。

 流石に竜王であるヴェルド様には力は及ばなかったが、俺とほぼ同じ能力値のリウスは俺よりもヴェルド様といい試合をしていた。

 ……本当にリウスを見ていると、負けていられないって気持ちが強くなるな。

 その後、リウスとの戦いを終えたヴェルド様も一旦休憩をして、ヴェルド様の休憩後、再び俺はヴェルド様に戦いを挑む事にした。

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― 新着の感想 ―
[一言] 従魔君の実力は多分主人公の本来の実力、無意識の遠慮とかプレッシャーとかを取り除いた戦闘力なのかもしれません。
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