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第165話 【フィオロとこれから・3】


 修行の内容、それを聞く前に俺は師匠から改めてその修行を受ける覚悟があるか聞かれた。


「えっ、そんなにヤバイ修行をするんですか?」


「ええ、そうじゃないと悪魔以上の力は手に入らないでしょ? それに弟子ちゃんがどこまで強くなれるのか、見てみたいのよ。勿論、闇の力じゃなくて本来の弟子ちゃんの力を解放させる方向でね」


 師匠は楽しそうにそう言うと、俺は師匠の期待にもこたえたいと思い「分かりました。修行を受けさせてください」と頭を下げた。


「それじゃあ、覚悟も聞いたし修行の内容を説明するわね。簡単に言うと、強者との戦いに慣れる事ね。悪魔も強いけど、最強ってわけでは無いのよ。現にフィオロは私に負けてるし」


「別に言わなくてもいいじゃない……」


「事実確認をしただけよ。それで、こうみえてもフィオロは悪魔の中でも最上位の一人だからフィオロを簡単に倒せる位まで強くなったら、悪魔何て怖くないわ」


「あの、それって強くなれる前提の話ですけど、俺ってそこまで強くなれるんですか?」


「なれるわよ。だって、私の弟子よ?」


 師匠はそう言うと、早速俺の修行相手を見繕ってくるわねと言って話し合いは終わり、師匠は直ぐに転移で何処かに消えた。

 そうして部屋に残された俺は、同じく残されたフィオロと目が合いなんだか気まずい雰囲気となった。

 そう言えば、フィオロは魔界に帰れないとさっき言っていたが、これから何処で過ごすんだ?


「なあ、フィオロ。さっき魔界に帰れないって言ってたけど、これから何処で過ごすんだ?」


「勿論、ジンの所よ。マリアンナと一緒に暮らす何て絶対に嫌よ。あんな悪魔と同じ家で暮らす何て、安心して眠れないもの」


「えっ、俺の所!?」


 フィオロの見た目は封印される前は二十過ぎ女性だったが、今は十歳、よくて十二歳前後の見た目をしている。

 そんな少女を俺が連れてきたら、クロエ達は驚くだろうし、そもそも何て言って連れて行けばいいか分からん。


「……師匠の所で暮らして欲しいんだけど」


「嫌よ。あんな悪魔よりも悪魔みたいな相手と同じ家なんて嫌。力も奪ってるんだから、そのくらいしてくれてもいいじゃない」


「いや、でもな、その見た目の女の子を連れて行くのは……」


 そう俺が言うと、フィオロは自分の手や足を見て何となく察してくれた。

 それでも師匠とは一緒に住みたくないから、どうにかしてよと言われた。


「う~ん……もう少し見た目が大人というか、俺と同い歳くらいには出来ないのか?」


「無理ね。その分も力を封印されてるわ。別にいいじゃない、知り合いの子供を預かる事になったとか言えば」


「それで納得してくれるなら良いけど、変に思われそうだな……」


「大丈夫よ。マリアンナの所に寝泊まりしないでいいなら、私もちゃんと協力するわよ」


 フィオロはそう真剣な顔をして言ったので、取り敢えずフィオロを連れて宿に戻って来た。

 リカルドには師匠の知り合いの子供の面倒を見る事になったから、その分の部屋を契約すると言って俺達と同じ日まで取り敢えず代金を支払った。


「……普通に驚いたよ。あんな演技出来るんだな」


「ちゃんと協力するって言ったでしょ? それに人間を騙すのは得意よ」


 リカルドとの話し中、フィオロは完璧に〝子供〟を演じきってリカルドからも変に思われる事は無かった。

 ゲームでのフィオロや、先程までのフィオロを知っている俺はその〝子供〟を演じているフィオロを近くで見て驚いていた。


「そう言えば、ジンは冒険者だったわよね。私もそれになった方がいいのかしら?」


「あ~、そうだな身分を証明するのにも使えるから登録していて損はないだろうな」


 フィオロの言葉に今日はもう時間的に人が多い時間だから、明日人が少ない時間に行こうと決めた。

 それから俺は自分の部屋に戻ると、タイミングよくクロエ達が宿に戻って来たのでクロエ達にもリカルドに説明した風に、師匠の知り合いの子供と紹介した。

 クロエとレイは、フィオロの外見に「可愛い」と言い直ぐに仲良くなりそうな感じだった。

 レイ達程では無いがレンもフィオロの事を歓迎しており、その日は姉さん達も交えフィオロの歓迎会を行った。

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