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フンガー!


「せっかくの転生、選べるなら絶対に魔法を使いたかったのに〜…」



心の底からガッカリしている私をよそに、また地べたに黒歴史のノートやらどっから出したかわからんけど、これまでまとめた設定資料の紙を広げて、女神様のゲームの説明に入っていった。


《とりあえず、攻略対象のキャラクターの説明をしますよ?》


「ううう〜。あー、はいいい…。」



魔法を使えないと知った私の落胆としたらもうね、女神様の言う事なんか、まともに頭に入ってきたりしませんよーだ!


なんだよ、勝手にこっちに連れてきたくせに、こっちの要望をまともに聞かないのにさ。自分だけの希望だけで話進めてさぁ。


ぶちぶちブツブツと文句を垂れていても、女神様には届きません。


地べたに広げられた設定資料集の中から、攻略対象を決めろと言ってくる。


てか、(おお)っ!! 数多(かずおお)っ!! どんだけ作ったんだよ攻略対象!!枚数だけで600枚くらいあるそれに、目を通すのも億劫になってくる。


のに、女神様ったら恐ろしいコトを言ってのけた。




《本来でしたら、この攻略対象全員との恋愛をと考えておりましたのに。攻略対象は少なめにとの事ですので、仕方ありませんわ。この中から30人選んでくださいね?》



さ、さんじゅうにん⁈ 30人っ⁈ 30人!!どんな乙女ゲームでも、そんな人数の攻略対象なんかいねーよ!いや、いるかもしれないけど、でも私の中ではなかったよ⁈



「ストップ女神様!!そんな数、絶対無理!!」



《え…?攻略対象は少な目にという要望だったではありませんか。これでもかなり譲歩しているのに、どうしてそんなワガママ言うのですか…。》



「だから!女神様アナタ、今まで私の何を見てきたんですか!恋愛偏差値、ゼロなんですよ私は!大切な事なので、もう一度言いますね? れ ん あ い へ ん さ ち ゼ ロ!! なんです!たった一人と恋愛するのですら想像もつかないのに、30人と恋愛しろと⁈ 無理ですよ!」



《 ええ…? 》




そんな返事が返ってくるとは想像していなかったのか、女神様は困惑顔だ。女神様からしたら、かなりの譲歩らしい。けどさすがに30人は無理だし、嫌だよ。



「攻略対象キャラは3人まででお願いします!」



こればかりは譲歩してなるものか!家族ですらそばにいる事が億劫な私に恋人作らせたいが為の強引なゲーム参加強制物語なのだし、魔法も使えないってんだから、この位のワガママくらいきけよ!神だろが、仏だろが、悪魔だろが知ったことか!




《さ、3人?たった3人ですか?たった3人との恋愛に、どんな楽しみと喜びがあるのですか⁈》



「だから!私はそもそもの話として、恋愛なんぞにまったく!これっぽっちも!興味がないのですよ!それなのに、貴女の強引に恋愛を、だの、真実の愛だのを私に知って欲しいという勝手な我儘に付き合わされてるってことを、ちゃんと理解していますか⁈ 恋愛対象でない人との付き合いどころか、家族ですら側にいられる事が苦痛であったという人間に、強引に恋愛させようっていうんだから、こっちの要望くらい聞きやがれと言ってるですよ、私は!」



フーフー!と、鼻息荒く女神様にめったくそ顔を近付けて、私は至極当たり前なことをお伝えさせていただきましたよ!ええ。



「貴女の望み通りに進まないのがご不満と仰るのであれば、是非に私の事はさっさと三途の川へと放り投げてくだしゃんせ!!でもって、同じ境遇の他の人で、女神様の要望を叶えてくれる方を探して、その人とずぅっとお楽しみくださりやがりませ!私はなんか間違った事言ってますかねぇ⁈」



と、もしもそうした所で、この女神様の望みは頓挫することになるんだけどね!でも私だって、勝手に決められた事に仕方ないかと諦めたけれども、多少は私の要望を入れて貰って、少しでも互いにとって悪くないようにと譲歩しているのだから、女神様の方もこっちへと譲歩してくれてもいいというもの!


私はいちいちやりたくもない恋愛経験をさせられそうになっているのだ。思い通りにならないのが不満ならば、私ではない他の誰かを選んでここに連れてきて、同じ用件と条件で喜んで受け入れてくれる人で女神様が満足すればいいだけのことだ。




私の意見としたら、死んでるのだからとっとと次に行くために三途の川を渡らせろって事なんですよと女神様にまっっっっっすぐに目線を合わせて伝えてみせる。



だがしかし、やはり女神様は私にどうしても、どうっっっっしても!恋愛の素晴らしさを知ってもらいたいらしい。うぐぐぐぐぅ…という顔をしてから。




《…はぁあ…わかりました。攻略対象は、3人で…。》





勝った!

 




ほんの少しだけれど私はこの勝利に、後から本気で喜ぶ事になるのだった…。



少し更新が伸びるかもしれませぬ。


指の動くまま、書き綴っておりますので、次回がどうなるのやら実は私もよくわからんとです(笑)


ちゃんと物語を作らない方が、私にはちゃんとした物語になるようでございまする。ハイ(^◇^;)

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