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言いたい放題の女神様


さて。


ここで、女神様がゲーム内での私の姿について話していると、ある一冊のノートを取り出してきた。


……ん?


何だかそれ、みた事があるような? と、記憶を探ってみると。




《 こちら、貴方が中学生の頃から、高校生の間に作り上げた、貴方の理想のキャラクターを詰め込んで書き留めたノートです! 本日、この為にこのスタジオに来ていただきました! 》



スタジオってなんだよそれ? いやそれ待って?

それって、それって!



「 ギャース!それ私の黒歴史ーーーーーーーーっ!!!!!!!!」



女神様からノートを奪わんと、私は女神様を追っかける。


奪われまいと、女神様はドタバタと走り回って逃げまくる。


真っ白な世界を2人でドタバタ走り回りながらの攻防戦を繰り広げるけれど、どうやら私の体力は生前のままの48歳のものらしい。すぐに息切れしてしまい、その場に膝をついて倒れ込む。


ゼハーヒホーとなっている私に、女神様はニッコニコ。ノートをぱらりと広げて



《 リコさんたら、とても可愛らしいププ、自画像を想像して…ふは、いらっしゃったのですね?クスス 》




うぐうううう! だからそれは若き日の至りというもの!笑いながら褒めんな!不快だから!

大人になってからもたまに思い出しては枕抱えてゴロゴロ悶えまくっていた、あの恥ずかしい日々を思い出し顔からピー!という沸騰音が出てる気がする。




おのれ愛の女神湯沸かし器め! 






ムキー! となりながらも、ノートは取り戻せない事を理解して、深呼吸とため息で自分を落ち着かせる。



 




「…で、そのノートでどうされるおつもりで?」





ムスッとした顔でそう言うと、女神様はさらにキラッキラさせたハート型の瞳孔の瞳をを私に向けて。




《 貴方の作ったこのキャラクター。そのままゲームに使っちゃいましょう!とても可愛らしいキャラクターですし、実際のリコさんをそのまま使うつもりでしたので、画面修正にはもってこいです! 》



「……おいコラ…( ̄曲 ̄) 」




まあ確かに、48歳のオバちゃんのビジュアル使うのには色々大変だろうけど、多少はオブラートに包んで話せや女神様よぉ?



と、少々オラオラになってしまうのは、読者の皆様には許して欲しい。 失礼にも程があるわ。



なんだか、意地でもこの女神様が作った世界で真実の愛を知りたくなくなってきたわ…。




だけどまぁ、今の自分のビジュアルをそのままキャラクターに使われるのは、自分だけからしてもウツクシクナイのは理解できる。そこはそれ、妥協は必要だろう。48歳の今の姿で年下の王子様とかに言い寄られて、頬を赤らめてキュンキュンした顔の自分は想像したくない。むしろ読者様に死んでるこの身をさらに"炎上”の呪いで殺されそうだ。




…ワタシワルクナイノニ。





《 ふむ…このキャラクターの名前はリコーリアというのですね。》



「ああ、まあ…私の名前をもじって作りましたから…」



目線を明後日に外しながら、ハァと諦めのため息と共に私は返答する。



《 可愛らしい名前ですね。では、キャラクターの性格などを細かく設定しましょうか。要望がありましたらどうぞ?なるべくはリコさんの望む形にしたいと思っています。その方がリコさんの魂にも恋愛の良さを刻み込む事ができますから。》



「あ、それなら…自分が作ったキャラクターではありますが、ひとつ削って欲しい設定があります。」




ずっと昔に作ったキャラクターではあるけれど、やり過ぎた設定があるのに気付いたのは、ある程度大人になってから。だからいずれ自分がまた自分のキャラクターを使う事があったら、削ろうとした部分があったのだ。大人になるまでは考えたこともなかったこと。今そのキャラクターを使われるという事ならば、削れる所は削っておかないと。


私は頭が昔から良くないので、後からまたいろんなミスに気付くかもだけど、とりあえず今わかってることだけでも削っておけるならそうした方がいい。




「『誰からも愛される』という設定を、無くして下さい。」


本編なはずなのに、本編にいけない感じが(笑)


もうちっとだけ、女神様とのやりとりは続きます(笑)

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