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ヒロインの扱い…雑くね?






《さあ!では次の攻略対象に会いに行きますよ!》





リコーリアがほんの少しの王子の手の温もりの余韻を感慨深く思っているにも関わらず、女神様がまた○ボタン押しやがる。




さっさかリコーリアが動いて、向かったのは校舎だ。




どうやら次に向かうのは暗殺科のある校舎らしい。


ゲームだから普通なのかもしれないが、一般生徒がスタスタと暗殺科のある校舎に入れるものだろうか?と、思いながら歩を進めていき、あるタイルに足を乗せた途端。





ピン!




という小さな音がしたかと思うと、いきなり私の体がギューン!と釣り上げられていく。




「 ほわあああああーーーーっっ⁈ 」





思いがけないハプニングに、私の素の声がでた。真っ逆さまに釣り上げられていく我が肉体。

いやそれよりも、このまま釣り上げられたら。



スカートが捲れるどころか、私の顔を隠し、普段は隠している私の下半身を丸出しにするって事ではないのですか⁈



なんてことを瞬時に思いついた私?というかリコーリア? 思ってもいなかったそのリコーリアの身体能力が、瞬時に花開きました。



引き上げられていく肉体。



丸出しになるであろうその下半身を、パンツを見られないように。




リコーリアは片足を釣り上げられていると言う不安定なその肉体を本能のままに動かし、スカートごと自身の身体を抱き込むように、互いの手首を握るカタチで固定しました。



文章でお伝えするには私の語彙力と皆様の想像力の勝負になりますが、ご容赦ください。というか、どうか頑張って下さい。




どういうことかと申しますと。




ストレッチでする、 " 前屈 “ で捲れるスカートを膝ごと抱き込んだカタチで釣り上げられているのです。



やってみるとわかりますが、これはかなり腹筋と背筋、そして首周りの筋肉と腕力に握力が必要です。この物語を書くにあたり一応やってみていますので、どんな風にチカラが入っているのかはオススメしませんが、お試しあれ。


…結構柔軟性と体力のいる体制にも関わらず、咄嗟にこの格好ができるなんて、すごいぞボクらのリコーリア!




しかし。




「う、ううう〜〜」




元々、淑女科にいるはずの女子です。体力勝負には長けていません。釣り上げられた足首は、全体重がかかって痛いなんてもんじゃないし、体のあちこちは軋んでプルプルし始めます。




「…も、もう…ダメ…だだ、だれ、か…」



腹筋と、背筋、足首が悲鳴をあげていて、体力がもう持ちそうにありません。




その時、

 




「こんな簡単なトラップに引っ掛かるとか、今年の一年は大丈夫か?」




少しだけ呆れたような呑気な口調で、誰かの声が聞こえたと思ったら。




「 ふぁーーーーーーーっ⁈ 」




足首のロープが何かによって切られたらしく、私は不自然な体制のまま落ちー……



なかった!!





誰かの腕に抱きとめられ、少々不自然なカタチではありますが、なんとなくなお姫様抱っこになっていました。(体制は前屈のままなので)




「あ、ありがと、ござ、ます…」



落ちた恐怖に加えて、それまでの無理な体勢からくる筋肉疲労で、私はまるで産まれたての子鹿のようにプルプルしておりました。



「…? なんだ、お前。淑女科の生徒か?なんで暗殺科の校舎にいる?」



私を抱きとめた男子生徒は、私の制服の襟のバッヂを見て、暗殺科ではないと理解してくれた様子。私はようやく落ち着いてきたとはいえ、まだ体力的に思い通りに動かない体をなんとかしようと、肉体の制御機能と相談しながら、





「…迷い、まして…」


肉体の疲労と闘いつつ、リコーリアはへらりと笑って答えます。




「お前、淑女科の割にはいい身体能力してるな。」




そっと私を下ろしながら、至極感心したように笑う青年。





2番目の攻略対象。


暗殺科二年生のリュウ・シュヴァルツ。





「お褒めに預かり、光栄…です?」




どう返事していいかわからず、なんとなく礼を述べる。



「まあとりあえず、迷子だってんなら来た方向を戻って、突き当たりを右に曲がってから真っ直ぐ行けば中庭に出る。そこまで行けば目の前が淑女科校舎だから、あとはわかるな?」



「は、はい。ありがとうございました。」



リコーリアはようやく動けるようになり、ぺこりと頭を下げてその場を去ろうとしてーーーー……




ビターン!!

「ふぎゃっ!!」



顔面から盛大にすっ転んだ。




「あ、ワリ。ロープ踏んでたわ。」




そう、私を助けてくれた2人目の攻略対象様が、私の足首に絡まったままのロープを踏んづけたままでいたため、私は足を取られて床にダイブしてしまったのでした。




ー スチル「暗殺科の先輩」 ー

ー 完了しました。 ー






……え?ここでスチル完了ってことは、攻略対象が踏んづけたロープで私がすっ転んでいるシーンが映し出されてるってこと?

そう私が思っていると、女神様からのお返事が。





《乙女ゲームにはヒロインのドジっ子要素は必要ですからね!》





ドヤ顔で言ってるのが想像できるほどのドヤ声だ。






…いや、これ…




リコーリアがドジっ子なんじゃなくて、攻略対象がうっかりさんなのでは…。しかも、攻略対象はヒロインが顔からすっ転んでも助け起こさずに。






「じゃ、気をつけて戻れよー。」



だけ言って、さっさと去って行きおった。







乙女ゲームって、こんなにヒロインの扱いが雑なものだったっけ…?



釈然としないまま、私はまたもや強制的に動かされ、最後の攻略対象に会いに行く事になりました。









行き当たりばったり作品なので、今回出来上がるまでに時間がかかりました〜。次回は3人目の攻略対象登場。まだなんも考えてない…。


どうなることやら(笑)

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