なんていう仕打ち…っ!!
徐ろに始まったオープニングムービー。軽快な音楽に合わせてアニメーションが繰り広げられていく。
アニメーションは明るく楽しい雰囲気で作られていて、生き生きと乙女モードなリコーリアが、攻略対象達と出会い、ダンスをし、見つめ合い。キュンキュン♡な展開で楽しい乙女ゲームなんだなという事が、よくわかる。
しかしだ。
駄菓子菓子だ。
流れる曲があんまりにもアレなのだ。
〜〜♫
ずっきゅんドッキュン♡私のハートはいつだって貴方に夢中!
ずっきゅんドッキュン♡貴方のハートはいつも誰を見つめているの?
こんなに誰かに夢中になったのは初めてなの。どうか出逢った私を貴方の恋人にして欲しい♡
だって私はもうこんなに貴方に夢中なの!
ずっきゅんドッキュン♡どうか私に振り向いて!
ずっきゅんドッキュン♡私の心はもう貴方のものよ!
あああーーー ♪♫
私は愛の狙撃手 (スナイパァ♪)
貴方のハートを愛の弾丸で打ち抜くのーーーーー
ーーーーーーーーぉおおおお!!
ばっきゅーん!!♡
(きゅーん…きゅーん…きゅーん…)(エコー)
ずっきゅんドッキュン♡貴方のハートはこれから私だけを愛するの♡
ずっきゅんドッキュン♡私のハートはずっと貴方だけ見つめているわぁ〜〜〜あ〜〜〜♡
ジャララララーーーーーーン、ジャン!♫
…
……
………
………ねぇ皆さま。ワタシは一体何を見せられているのでしょうか?時の止まった空間で見せられたオープニングのコレがアレすぎて、ワタシから全ての色彩が無くなりましたわ…。
それにしても、どんだけこの女神様はずっきゅんドッキュンばっきゅんが好きなんだ。
アハハハハハァ。 (乾笑)
もしもこの物語が奇跡を受けてコミカライズとかアニメになった時、是非に皆様には私の受けているこの仕打ちの同調をお願いいたします。
自分1人でコレを受け止めるには、許容量が足りません。乾いた笑いで何とかどこかに放り込むカタチでないと、ワタシはコレを受け入れ…いや受け入れたくないです。アハハハハハ……。
わかっていただける方がいる事をワタシは望みます。ええもうそりゃねぇ。ハイ。
わかっていただなくてもいいから、もうわかれもう。
どうしたらいいんだ、この女神様…。誰だよこんなの作ったの。創造神様ですか、そうですか。さすがです。類友雰囲気バチグンです!くっそ!いっそ滅びろ全ての世界!
願うくらいはいいですよね?世の中にはチート能力もらって異世界で楽しむ人がいるんですもん。嫌な事押し付けられる世界に放り込まれた人間が、世界の滅びを望んでも♡
ハア……。
まあとにかく。
悪魔のような一曲終わってオープニングムービーは終了しました。
《 っはああああーん! 素敵でしたね!素敵でしかなかったですね!どうですかリコさん!この素晴らしいオープニングムービー!! 感動しかあり得なくないですかあああ⁈ 》
………はぁああーん? 流石でしたね!流石でしかなかったですね!どうなんですか女神様!あのくっそ懲らしめてやりたくなる糞ムービー!!悲しみしかあり得なくないですかぁあああ⁈
私のココロは正直に感想を述べました。当たり前ですよね。自分のキャラが少なからずとも関わっている、しかも自分参加の物語で、こんな、こんな……!
なんてヒドイ……!
なのに、時が戻ったゲームの世界では、私の意志も届かないし、女神様の都合に合わせて先が進むの。
コレなんて言う拷問⁈
そしてコレ、まだ始まったばかりなんだよ?
あり得ない。
…ねえ、全ての神様。
ワタシは以前、恋人作らなかった。結婚しなかった。それだけで、どうしてもコレほどの辱めを受けなければならないのでしょうか……?
「お見苦しい姿を…申し訳ございません。」
私の心の葛藤なんかまるで関係なく、リコーリアは平民…というか日本人的な動作でサクラ王子にペコペコ頭を下げます。
その姿にクスリと笑うサクラ王子狙いの御令嬢達。
まあそんなんどうでもええわ。
リコーリアはそのまま、ほんの少し触れた手をもう片方の手で大切に包み。
去っていくサクラ王子の後ろ姿を見つめているのだった…。
ー スチル「サクラ王子との出逢い」ー
ー 完了しました。 ー
そうですか。
………ヴァーーーーーーーーーーーー!!( ̄曲 ̄)
ときめきも何もないわ!!あのオープニングムービーのせいでむしろ台無しだわ!! なんなの?なんなのぉコレぇ⁈
思いっきり _| ̄|○ したいのに、カラダが動かねぇえええ!! コンチクショオオオオオウ!!