case.2
「僕と契約して魔法少女になってよ」
「いや、男なんだけど?」
「ゴホン。僕と契約して魔法少年になってよ」
「いや、35のおっさんが少年ってのは無理ないか?」
「う~ん・・・僕と契約して魔法男になってよ。略して魔男」
「それ完全に間男だな。いや、でも、魔女って言うから男だと魔男になるの・・・か・・・?」
「ってかさ?」
「うん?」
「冷静過ぎない?」
「そうか?」
「だって、こんな愛くるしい小動物が喋ってるんだよ?」
「人間35年も生きれば大抵の事じゃ動じなくなる」
「理由はそこじゃない気がするけどね」
「そうか?まぁ、忙しいから後にしてくれないか?」
「後なんて無いのに?」
「あー、まぁ、そうだな・・・何でも後回しにするクセの所為でこうなってるのにな」
「だったら、問題を先に解決するクセを付けないとね」
「で、何して欲しいんだ?大した事は出来ないぞ?」
「契約してくれればそれで良いよ」
「契約したらどうなるんだ?」
「よくぞ聞いてくれましたっ」
聞かされた契約内容で俺にとってデメリットは無い。
まぁ、メリットも感じないが・・・。
「ボス1匹で1機。中ボスなら3匹で1機。小ボスなら5匹で1機。ザコなら100匹で1機増えるんだ」
「いや、やっぱデメリットしか無いな」
「そう?嫌だったら何もしなければ良いだけだよ?」
「まぁ、そうか」
「それじゃ、契約成立って事で良い?」
「あー、もう何でも良いよ・・・」
「そう?それじゃ、いってらっしゃーい」
視界がグラっと歪み。元居た世界と鏡写しの世界へとやって来た。
あの小憎たらしい小動物の言っていた事が本当ならばだが。
危ない・・・。
軽く目眩を起こして足を踏み外しそうになった。
その為にこんな場所に居るんだから、危ないってのもおかしな話だが。
ガチャ───。
「た、助けて下さいっ!」
「え?」
「キュウすけの選んだ人間は毎回大活躍してるけど。どうやって選んでるんだい?」
「人間。死ぬ気になれば何でも出来るって言うからね」
「ふむふむ」
「死のうとしてるのを選んでるんだ」
「それだと、そのまま自殺してまわないのかい?」
「そーゆー時もあるかもだけど。自分の命さえ粗末に扱えるんだよ?他人の命なんて。ね?」
「なるほどね」
「飛び降りようとしてたのに。今じゃ残機を増やす為に必死だもんね」
「それも、ボスには見向きもせずに。人間狩りにご執心だからね」
「今回のは特に当たりだったよ」
「次は私もキュウすけの真似してみようかな」
「え~」
「ダメかな?」
「良いよ。その方が盛り上がるだろうし」
お読み頂きありがとうございます。
連載用のも書いているんですが遅々として進まないのでサボってないですよアピール第二弾ですヾ(*´∀`*)ノキャッキャ