魔王軍との戦い
城門付近
王国軍
「おい!聞いたか。魔王軍が攻めて来てるのにS級冒険者の”ビーストテイマー”が一人で戦うらしいぞ。」
「らしいな。10万の軍相手に一人で戦うなんて頭いかれてるよな。アイツが負けた時のためにいつでも出れるようにしとかねーとな。」
「いや、でもS級冒険者の”ビーストテイマー”だぞ。噂どおりの実力なら魔王軍も倒せるんじゃないか?。」
「バーカ。噂なんて尾ひれがついてるに決まってんだろ。実際は噂の半分も実力ねーんじゃないか。」
「そうか。それじゃぁ、やっぱり王都は俺らが守んないとな。」
「そうだ。S級冒険者なんで怪しいやつに王都の守りを任せられるかよ。」
王都近くの平原
ドドドドドドドドド
「お~。すごい地鳴りだなぁ。やっぱり1万の軍勢は派手だねぇ。カイラ、そろそろ城門まで撤退しておくれ。」
「分かったわ。あなたがやられるとは思わないけど、絶対死なないでね。私を守れるのはあなただけなんだから。」
嬉しいこと言ってくれるじゃないか。
「任せて。僕は誰にも負けない。カイラに育ててもらったこの力は魔王ごときにはやられない。」
「そうね…。信じてるわ。それじゃ、またね。」
ドドドドドドドドドドドドドドドドドド
カイラ行っちゃったなぁ。やっぱ一人は寂しいね。
僕はカイラのおかげでここまでこれた。魔王軍さん、僕はまたカイラと会わなきゃいけないから。
ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド
「申し訳ないけどここで死んでくれ!!!【治癒魔法(笑)Lv7】!!」
城門付近の王国軍
「なっ、なっ、何だありゃ~。、平原にいきなり大きな扉が出てきたぞ!!」
「しかも、開いた扉からモンスターが出てきてる!」
「おいおいおい、まじかよ!!あれはエンシェントドラゴンじゃねぇか、しかもフェニックスに、グリフォンにケルベロスまでいるぞ、伝説級のモンスターじゃねぇか!!」
「その他にもまだまだ出てくるぞ。全部で一万体ぐらいはいるんじゃないか」
城門付近の冒険者ギルド軍
ひろきの元から戻ってきたカイラにギルドマスターが声をかける。
「なぁ、”天剣”聞いてもいいか。」
「なんでしょうギルドマスター。」
「あれは一体何なんだ、一応登録上は”ビーストテイマー”のスキルは【治癒魔法(笑)】だった気がするんだが。」
「間違ってませんよ。ひろきのスキルは【治癒魔法(笑)】です。」
「うそつけ。あんな治癒魔法があってたまるか。」
「ひろきの治癒魔法(笑)はモンスターに快感を与え、魅了し使役することが可能なのですが、流石に魅了したモンスターをすべて連れ歩くことは出来ないのが欠点でした。
その欠点を克服したのがLv7です。L7はひろきの近くにゲートを出現させひろき、が過去に魅了したモンスターをすべてひろきの元に連れてくることが出来るのです。」
「そんな、そんな無茶苦茶なスキルがあるものか、こんな力…誰も叶わないじゃないか。」
「えぇ、そうですね。なので、ひろきを大事にしてくださいね」
二コリとほほ笑むカイラの笑顔をギルドマスターは背筋が凍る思いで眺めていた。