転移したのはいいが俺って魔力バカなだけの迷魔術師ってどうすればいい
プロローグ
パソコンに向かうときはなぜか憂鬱になる
そもそもそんなにそこに何かあるのかとか、
そんなことを考えているわけではないのに
なぜかSNSというもので、世界とつながろうと
毎日あくせくしてしまうのだ
ネットだ
そこに何かあるのわけでもない。
仮想空間だし、それに先にいるのは、
見たこともないあったこともない相手だ
気軽なネットだから意気投合して、
何か交流したようになっているだけじゃないのかって、
そう言われても仕方ない
確かにそんな関係の薄いものであるのは確かなことだし
それでも何かこの世界というものが、
どうにも納得できなくてこれが現実だということを
どうしても認めたくないのだった。
そんな毎日を過ごしているのだ
学校に絶望したわけではなかったが、
しかし何か本当のものを探れる気がしなかった
こんな世界にどうしているんだろうと、
ただひたすらにそんなことを考えてばかりの毎日だったのだ
だからどこかに存在の根拠を求めたかったのかもしれない
いやどこかに、何か真実に通じる糸口があるのじゃないかと、
そう思っていたのかもしれなかった
そんなことを思いながら毎日の書き込みを、
こなしていかないといけないなって思って
そう頑張っていた時だった
何かしら不思議にふわっとした感覚で
世界がにじんできているように思えたのだ
何か心の底に沸き起こるものがあって
それが大きな熱になって
私全体に膨れ上がっていくようだった
そしてパソコンの画面からみえてくる
SNSの文字列や人々の感情が
何か強く大きくなっていって
自分がふわっとどこかにいってしまったように
そんな感じに………
半分眠たかったせいかもしれない
徹夜続きのせいでもう限界だったのかな
見えない何かに包まれたように
そして意識が遠のいていった
‐‐‐\☆^^☆/‐‐‐ ‐‐‐\☆^^☆/‐‐‐
次に気が付いたときは
何か光に包まれた景色だった
あたり一面何か輝きが満ちていて、そこにうっすら影がみていた
その影はよく見ると木の形。
そしてあたりは草原か丘のような場所で、
淡い光に満ちて輝いていたのだ
なぜだかその景色はとても心に心地よく、
その光があまりにも温かく気分がよかったので
俺は読みかけられる声に気が付かなかった
だんだんと具現化するその丘の景色
よく見るといろいろな色が見えてきた
けれどなぜか自分という存在感が薄い、
どこか遠くにあってそこからその丘を、眺めているようだ
もしかしたらこれは夢の世界なのか
そして俺は、現実から声をかけられているのかもしれない
そう思った瞬間に意識がはっきりし
その景色は消えていった
そして瞬時に景色が切り替わり
そこに見えたのは青い空とそそり立つ木
空を仰い俺は倒れていたか何かしていたのだった
「さりどさま、さりどさましっかりしてください」
何か声が聞こえてきた、女性の慌てているそして
必死な雰囲気が伝わってくる声である
それとは別に
「目をあけられたぞ」
そんな男性の声も聞こえてきた
‐‐‐\☆^^☆/‐‐‐ ‐‐‐\☆^^☆/‐‐‐
一時休止…
そんな形で始まった俺の物語だが
まどろっこしい描写はもういいよっていう人に
簡潔に説明しよう
何、印象的な意味不明な文章で
ふんわりと説明してほしいだって
もちろんその方がいいだろうけど
やはり最初は設定だとか今の状況がどうのだとか
そういうのが簡潔に分かった方がいいだろう
妙な引きやら勿体ぶったお話はもう
うんざりだという人もいるだろうし
そもそも転移した理由があって
その目的は……
(まてそれをいったらお仕舞だろ)
ぽんと煙とともに現れた白い小さな
ぬいぐるみみたいな龍はそういった
「あそうかすまんエル・ドラ」
(いやわかればいいんだよその先は
私が説明するよ)
・・・
ということでサリドとなった
佐藤君はこの世界でどう活躍していくのか
それを描くドラマです
ドラゴンや悪の魔術師と対峙して
伝説的な強大な魔力を持っている
魔王と立ち向かって最後には何と
現代科学の…
きゅーんきゅーん
巻き戻しそして一時停止…
「おいちょっとまってくれ
それだとざっくり過ぎるだろ」
(そうかな簡潔にっていっていたじゃないか)
「でもそれじゃ世界観がよくわからないだろうし
そんな話聞いても誰も知っている」
…そうだねじゃ私から説明します
「え、誰だ」
(何どこから聞こえてきているの)
…いや私ですよこれを書いている私
「はあ、何それどういうこと」
(いやいやまってよ、それはなしだよ、
僕の存在意味もなくなるよ
伝説の神獣なんだから)
まあその方が早いだろうから
ごめんね一度切るから
{えー待って)
「おいそれじゃと
ブツ―つーつーつー
いやこれは失礼しました
まあ概略は簡潔にきちんと
設定を説明しましょう
主人公はいわゆるどこにでもいるけど
ある種のオタクの青年です
頭の程度はそこそこありますが
肉体能力はまあ普通
そしてネット作業中に
もやもやっとした感じで
異次元転移をしてしまいました
転移先はどうやら中世の剣と魔法の世界
そしてあの伝説の魔術師がいるその世界
その魔術師が隠れてしまってその後を
次いでいるのがサリドという称号を持つ
魔術師であるのだけどサリドにはいろいろ
もともとはサルドというのが魔術師の名称
それで伝説の魔術師を継ぐ力がある場合は
サリドサルドと呼ばれていた
それで通称サリドと呼ばれていて
歴史的な存在で過去に数人いたぐらいなもの
転移先ではそのサリドになってしまったのだが
それはそれでチートではあるんだが
一つだけ問題点が
題名からご存じの通り
彼は魔術を使うために必要な詠唱の呪文を
全て忘れている状態いや佐藤なんだから知らない状態
そう現実はそう甘くはないということになる
だけど彼がサリドでありその強大な力があるのは
確かにチートだ
彼の魔力は国全体の魔術師の全てを合わせたものより
はるかに大きく
それに龍なども彼に従うそんな能力まである
あの伝説の魔術師の血を引くとすら
つまり伝説の魔術師マーリンの生まれ変わりと
すら言われているそれがサリドだ
佐藤はそのサリドに転生して
詠唱もできないことを何とか
誤魔化しつつ
伝説の王国キャメロンの平和を
取り戻す役割をするということ
まあ簡単にいうとそういうことになる