陳腐な勇者は歩めない
厨二病を患わせた物語です。
私自身文字でものを伝えるのが苦手なのですが、溢れ出る妄想を抑えきれず思わず投稿してしまいました。
拙い文章ですが、楽しんでいただけたら幸いです。
今俺のいる空間を何かに例えるならば宇宙だ。
艶かしい光はさほど主張せず、ほとんどが暗闇で構成されているのだ。
「ここは…」
俺が何者なのかは、幸い把握している。
名はステイル。追憶の断片には1人で魔王を倒したり、奴隷を解放したりと、我ながら良い人格の持ち主であることが確認できる。
しかしこの忌々しいオーラが漂うここに来る経緯が掴めない。
「フラット王妃。ここにおられますか」
返事は無い。因みにフラット王妃というのは俺が護衛を務める国の可愛らしい少女である。
彼女は私に懐いているのか、それとも警戒されてるだけなのか、王様との会話の最中も常に見つめてくる。
彼女がいないのなら本当に私はこの空間に1人だけということになる。
「…」
誰も近くにはいない。
しかたがないので散策をすることにする。
ただ無限に広がる暗闇の中、不規則に配置されてる光を睨み付け、何も無いであろうこの世界をさ迷う。
嗚呼、主よ俺に救いを。
人間の心理というのは空間に影響されやすいもので歩くにつれて足が重くなり、気分も重くなり、後ろ向きに物事を考えてしまう。
ちょっと前までは国の勇者で、収入も安定していたのになぁ。
俺の物語は、人生は確かに楽なものではなかった。パーティーも追放されたりした。
でも会う人に支えられながらチートに近いレベルの武器も手に入れ、神獣討伐も行い、周りに認められたのだ。確か数週間前の出来事だった。でもそんな矢先にこの始末。
きっと安定した生活をおくれると思っていたのに…。
「はぁ」
もう自殺してしまいたい。
結局私という人間の性質は変わらない。
この世に神はいない。
ただあるのは、その人が持ち合わせた運命性が誘う現実だけ。
もう、いなくなってもいいよな。
どうせ良いことがあればその報いが倍になって返ってくだけ。
小型剣を薄汚れた巾着からゆっくりと取り出し、首に向ける。
きっと私なんてどうでもよい陳腐な命だったのだ。
きっと埋め合わせなんていくらでも見つかる。
我人生に悔いなし。忘却の彼方は何処か。そこは暗く寂しい所なのだろうか。
わからない、ワカラナイ。
綴られることはきっともうない。
ただ残るのは虚無の絶望だけなのだろう。
主人公の少女は次回出る予定です。
シナリオを練るのはある程度できるつもりなのですが、登場人物の描写が全般的に苦手ですので苦労しました。一応世界構造は考えてあるのでできるだけ早めに投稿します。




