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またもや!? ファンタジー定番! 最弱モn(ry

 物凄い気だるさを感じながら目を覚ます。


「一応生きているのか」


 あんな無防備な状態で寝ていたのに誰にも襲われなかったのは幸運だ。


「ん……痒い」


 虫には襲われていたらしい。

 体の所々が小さく腫れあがっていて、痒い。


 一度寝てRPGみたいに全回復!

 みたいなことは起きず、今物凄く喉が渇いているし、とても空腹だ。

 そして体の節々は痛く、昨日ゴブリンに殴られた腕は腫れている。


 まあ当り前だよな。

 寝たら完全回復って普通に考えたら頭おかしいもんね。


「とりあえず移動するか」


 このままとどまっていても何も始まらない。

 なので食料を求めて適当に歩き回ることにする。


「またこの実か」


 そう、歩いて見つけたのは昨日見たオレンジ色の実だ。

 

 あんなひどい目にあったのだ。

 もう食べたくはない。


 なので無視して通り過ぎようとするが、何故だか分からないが今回は食べられそうな感じがする。

 何故だろうか。


 一度経験してしまったからもう一回行けるだろうという適当な考えなのか。


 気が付くと俺はオレンジ色の実の木に登って果実をむしり取っていた。


「いや、流石に学習しろよ俺。昨日酷い目にあったばっかだろ」


 自分言い聞かせるようにそう呟くが目の前にある瑞々しい果実が俺を誘惑してくる。

 俺は自分の事を馬鹿だと思いながら皮をむいて口に含んでみた。


「やっぱり不味いな……」


 物凄く酸っぱくて苦い。

 でもそれは昨日味わった時よりは幾分がましだった。


 それはまるで自分に耐性が付いたかのような。

 すっごく不味いけど食べれないことはない。


 まあ、好んでは食べたくはないけど。

 少し空腹が紛れたのでそのまま適当に森を歩く。


 それにしても動物が本当に少ない。

 昨日見たのは鳥と、草と、ゴブリンだけ。


 それ以外は何も見ていない。


「まあいいか」


自分に言い聞かせるように呟く。


「うわ……オレンジの実の木ばっかだな」


 俺がたどり着いた場所は辺りがその実が付いている木ばっかなとこだった。

 歩いていくうちに実が多いな~と思っていたがここまで沢山あるとは。

 この中で実がついていない木を探す方が難しいと思うほどの数。


「なんだこれ。死骸か?」


 さっきまで上ばっかり見ていたが下を見てみると、ぽつぽつと動物の骨や肉が転がっている。

 中にははっきりと形が残っているもののあったが大抵は結構な時間がたっているものばかりだ。


 それにしても何でこんなにも死骸があるんだ。


 疑問に思って転がっている死体を眺めているとあることに気が付いた。

 死体のほとんどに皆、同じような芽が出ている。


 恐らくあの実を食べたものは毒で死に、体内に入った種子は実を食べたものを養分として成長しているのだろう。


「こんな木があるとか恐ろしいな」


 そのうち動く食虫植物がいたりして。

 うん、やだな。

 想像をしたくない。

 貧弱虚弱な俺は絶対に食われる。


「昨日ゴブリンに襲われたこともあったし武器を探しておくか」


 この森は俺の常識で生き延びれるほど甘くないと思う。

 いや、日本の森で生き延びろと言われても絶対無理だがこの森は色々危険なものが多すぎる。


 なのでその為に自分を守るものがいる。


「……これでいいか」


 俺はそこらへんに落ちてた大きな動物のあばら骨を一本拝借した。


 これ思いっきり踏んずけても、木に叩きつけても折れなかったからそこそこには固いと思う。

 それと適当にオレンジの実をもぎ取った。


「一本食べるか……」


 あんな死体が転がっている風景を見て我ながら良く食べようと思うが、まあいけるでしょ。

 朝も何とか食べれたし。


 でも怖いので少しづつかじりながら食べた。

 やっぱり酸っぱくて気分が軽く悪くなったけどそれ以外は問題なし。

 なんか耐性が付いて来てるっぽい。


 オレンジの実の木の森を抜けたら次は、森だけど少しばかり草が無くさっきと比較的荒れた場所に来た。


「これ絶対危険だよな」


 さっきと雰囲気が違うもん。

 何か色々と荒れている。


 引き返そうかと思った時、音が聞こえた。


「ギャイ」


 俺は聞き覚えのある声にとっさに近くの木に身を隠す。


 そしてゆっくりとその場所を見た。

 

 全身緑色の小さな人の姿。

 手に持っている棍棒。

 理性のなさそうな瞳。


 何度見てもゴブリンだ。




 

 

 

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