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事件の後で

 どうしてこうなった?


 私は今、目が覚めたらしいロイ様と手を繋いでいる。

 もう一度言おう。

 あのロイ様と手を繋いでいるのです。


 何故?

 今までのロイ様なら私が触れようとすると避けていたはずなのに今のロイ様はどうだ。


「本当にロイ様ですか?」


 私は本当にロイ様かどうか確かめるために聞いてみたが彼は首を傾げながら


「……僕以外に誰がロイなの」


 と、とても可愛らしいロイ様の声で応えられた。

 この声はロイ様で間違いありません!!


 では、何故に今の状況が起こっているのか?


「フェルーナ嬢」


「あっ! コルクさん」


 私たちに話しかけて来たのは王国の騎士団に勤めているコルクさん。

 見た目はとても優しそうなお兄さんだ。

 しかし、見た目に騙されてはいけない。

 骨格のいい体格に見事な筋肉!

 素晴らしい!!


「二人とももう大丈夫かな?」


 はっしまった!

 思考が脱線していたわ。


「ええ、もう大丈夫ですわ」


「…………だれ?」


 ロイ様は私の後ろに隠れてしまった。

 手は握ったままで。

 ロイ様よ。 手を一回はなしてくれないと痛いですわ!


「コホン。 ロイ様!」


 グイ。

 ロイ様をコルクの前に引っ張り出す。


「彼は私たちを助けてくれた騎士様ですわよ」


 ジャジャーンと効果音がつきそうなぐらいの勢いでいうがロイ様は相変わらずのスルーです。


「…………ありがとうございます?」


 ロイ様。 もう少し大きな声でお礼は言いましょう。


 あの時、大変だったのですよ。


 そう、あの時暴走しているロイ様を止めるためてくれたのは彼、コルクさんだった。


 私がロイ様に駆け出した瞬間にロイ様の後ろから急にコルクさんが現れ、ロイ様を気絶させた。

 その後に森から騎士が数人出てきた。


「申し訳ありません」


 私たちは彼らに保護されながらことの経緯を聞いた。

 なんでも、私たちを襲った奴らは巷で有名な悪党で騎士さんたちが一度は捕まえたが脱走をされ、その時、ちょうど私たちがいたようで捕まってしまったら危なかったようだ。

 いや、もう危ないどころじゃないからね。

 トラウマものだからね。

 しかも、もう被害かなり受けてたからね!


 そして、私たちは私の屋敷に連れ帰られた。

 もちろん気絶しているロイ様も一緒に。


 でも、騎士たちはかなり私の両親にしぼられ騎士団長さんも謝りに来てもう大変だった。


 ロイ様も目覚めないしね。

 丸半日、目を覚まさないから心配でずっとベットの横に付き添っていたら、目が覚めた今次はずっと手を繋いでいる。

 どんな心境の変化が起きたのやら。


 そして、現在。

 私たちの前にはコルクさんと、他の騎士さんたち。


「こちらこそ、申し訳無かった。 ケガがなくて本当によかった」


 そう言ったコルクさんの後に騎士さんたちが頭を下げる。

 いやいやいや、やめてほしい。

 怖かったがこの状況も嫌だ。


「頭を上げてください」


「ですが……」


 いや、上げて。

 本当に!


「私の天使。 彼らには本当はこれくらいじゃ許されないんだよ」


「おとうさま!」


 彼らの後ろから私の父が顔をだした。


「危うく私の天使が拐われるところだった。 本当ならこれくらいで許さないんだが……」


 そう言っている後ろでお母様が


「もう、フェルは無事だったのだから」


 と父を諌める母の姿が。


「おとうさま! 私は大丈夫だったのでもう許して上げてください!」


「しかし……」


 お父様は納得いっていないようだが、これ以上事を大きくしたくはないのでやめてもらいたい。


「お嬢さん」


「?」


 父と母の後ろから背が高く、体格がいい男が出て来た。

 そう、王国の騎士団の騎士団長さんだ。

 真っ赤な髪が特徴で、明るい雰囲気はまるで太陽のように感じる。


「本当に申し訳無かった。 本当に怖い思いをしただろう。 君たちだけでよく頑張ったな」


 そう言いながら彼は私の頭を撫でた。

 少し、気恥ずかしい。

 そしてロイ様の頭も撫でようとしたが、避けられたので彼は苦笑いをしている。

 まあ、ロイ様は避けるだろうとは思ったけどさ、そんなあからさまに避けたら傷つくよ。


「私にも君たちぐらいの息子がいるから、今度私の息子とも遊んでくれないか」


 ん?

 息子?

 あーーーーーーー!

 騎士団長の息子といえば攻略対象者の一人じゃない!


「どうかしたかい?」


「いえ、なんでもないです。 わたくしでよかったら全然いいですよ」


「ありがとう」


 爽やかーーー!

 攻略対象者のお父様だからイケメンーーー!


「では、私たちはこの辺で失礼します」


 そういった後に騎士さんたちは私たちの屋敷を後にした。


 しかし、これで解決では無かった。

 なぜなら、この後に私とロイ様はお父様に呼ばれたからだ。


 そして、言われたことは


「ロイくん、私の天使との婚約は無かったことにしたい」


 だった。

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