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I want to 睡眠したい

空が毎日、目を覚ますのは7時つまり残り5時間で決着をつけなければいけない。

いや、僕は明日、一世一代の勝負を控えているんだ。睡眠はとらなければいけない。


僕の生活リズムからすると何時に寝ても起きるのは8時だ。

そして、僕は最低でも5時間は寝たい。

つまり、僕は3時までに空を起こさないといけない。


「リミットは1時間か...緊迫させやがるぜ。」


空を起こすための作戦は3つある。

①「起きろ」とか言っちゃう。

これは、まさに正攻法だ。僕はこれで一発で起きるし、同じ血が流れているんだから空も起きるだろ。


「作戦開始ダァ!」


勿論、時間も時間だ。ささやくような優しい声で言うにきまっている。

「お~い。空...起きろって。僕と寝てどうするんだ。起きろ。」


返事がないただのしかばねのようだ。

返事がないただのしかばねのようだ。

返事がないただのしかばねのようだ。


「ドラ〇エで会話が変わると思って連打するやつみたいになってしまったが、見ての通り全く返事がない。本当に同じ血が流れているのか。」


仕方がない次の作戦に移ろう。


②空に気持ち悪いことを言う。

空は、よく僕が空のことを「可愛いね」とかいうと気持ち悪がるんだ。

つまり、

僕が空にワイルドな言葉を言いまくる→

空の夢に僕の言葉が反映される→

気持ち悪がる→

起きる→

yeah!!!


我ながら完璧な作戦だ。どうして、これをはじめにしなかったんだろう。

でも、これで空も起きて僕も寝れる。


さて...

「作戦開始ダァ!!」


待てよ。キザな言葉ってなんだ。

僕、そんなの知らないぞ。僕の頭の中の辞書を総動員してワイルドな言葉を検索した。

検索にヒットしたのは、ラノベの中のセリフばかりだった。

「やっぱり、ラノベは僕の人生だな」


「見せてやるぜ、ラノベの力...いやオタクの底力をなぁ」


「なぁ、空、俺、お前のことが好きだ。」

「もう、妹なんかで見れないよ。可愛すぎるし、もう我慢できない。大好きなんだ。」

「空、俺たち兄妹だけど、いいよな。」

「お前となら、どんな障害も乗り越えていける気がする。」


自分でも恥ずかしいし、自分で言ってて気持ち悪くなってきた。

流石の空も気持ち悪がるだろ。

「ん、んー、ん、」


お、空が初めて反応を示した。

つまり、空の夢の中に僕の言葉が入り込んだんだな。

もうちょっとで、起きるぞ。(わくわく)


空の夢の中は分からないが、僕の言葉が反映され、直に目を覚ますだろう。

今頃、空は悪夢を見ているんだから...


その時、僕の耳元に空の吐息がかかった。

空の寝言だ。

「ん、お兄ちゃん...嬉しい。私も大好き。」

「可愛いだなんて、恥ずかしいよ。お兄ちゃん。私もずっとずっと大好きだったんだから。神代さんなんかによそ見しないで私だけを見て。」


予想外の寝言を言った後、空は幸福に包まれたように深い眠りについた。


「あれ、なんか違くね?むしろ眠らせたような気が...」


それにしても空の寝言はなんだったんだ。

思わず、ドキドキしてしまった。やめてくれ童貞には、今のは妹でも破壊光線なんだ。


そんなことはさておき、大本命の作戦2は大失敗だ。

まさか、眠りを深めるなんて、だって空、幸せそうに寝てるもん。


もう、時刻は2時50分になろうとしていた。もう奥の手を出すしかないみたいだ。


③コチョコチョする。

これは、まさに最終手段だ。できればこんなことしたくない。

「え?女子の体にさわるチャンスだって?なめるな。妹は女子に入らん。」

なんかどこかの派閥に怒られそうなセリフだけど気にしないでおこう。

幸いにも僕の両手は後ろで手を組んだように背中で固定されていて、僕の背中にはべったりと空がくっついている。可愛い奴だな。このベストコチョコチョポジションなら流石の空も目を覚ますだろう。


「さぁ、最終決戦だ。」

「作戦開始ダァ!!!」







僕の記憶はここでばったりと途絶えている。

残っているのは、頬にある手形が2つ、いや、5つ...

どうやら僕は空にボコボコにされたみたいだ。それにしても手形5つは、やりすぎだろ。

ただ痛みと引き換えに僕は勝利を手にしたみたいだ。


「作戦成功ダァ!!!!」


ただ、隣の部屋で布団の上で悶えているようにドンドンと音が聞こえるのは気付かなかったことにしておこう。だって、絶対に怒ってるもん。


さて、僕も眠りにつくとしよう。時刻は3時45分だが、良しとしよう。

僕は、無言で布団に入った。

無言で目を閉じた。

無言で明日の予定を確認した。


(神代さんが明日、僕の家に来る。楽しみだな。そして、そして、僕は告白するんだ。神代さんに。この日のために、部屋も服も完璧に準備したんだ。)


僕の胸に何かが引っかかる。


(完璧な準備?確かに神代さんが家に来る準備はした。)

(ん?明日は神代さんが家に来る。そして、『異世界ミンティア』の話をする。そして、告白する。そうだ。告白する。)


(告白の言葉...考えてなくね?)


時刻は4時。


神代さんが来るまで残り7時間...


ps今夜は眠れそうにありません。最高ですね。



不定期の更新ですが、なるべく早く更新します。よろしくお願いします。

コメントなどもらえると嬉しいです。

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