日誌は丁寧に書いてしまう
今日は曇りだか、晴れなのかと日誌に今日の天気はどう書くべきか悩んでいるぐらいに僕の世の中は平和だ。そう、僕の世の中は平和だ。他の人の世の中なんて知ったこっちゃない。
そんなことを僕が生み出した消しカスに話しかけている。
これ以上は、クラスの人に変な目で見られるからやめておこう。
何度も言うが僕の世の中は平和でないとダメなんだ。特に昼休みは...
これを読んでいる読者に問いたい。君たちが学生の時に、日誌を丁寧に書いている奴はどんなやつだった?
①「運動部のやつ」
②「クラスで4番目ぐらいにかわいいやつ」
③「高身長のイケメン」
④「体育大会で体操服を臍の上で絞ってる女」
①と②を選んだ人、悪くないセンスだと思うけど、こいつらはパリピだ喰われるぞ。
③と④を選んだやつ、悪ふざけも大概にしろ。こんなやつらが一生懸命、日誌を書くわけないだろ。
少女漫画か。
「正解は僕みたいな陰キャだ!!!!」
それに驚くなよ。僕は陰キャでボッチだ。野球なら2アウトだが、2アウトから野球は始まるとか聞いた気がする。つまり「僕の学校生活はこれからってk」
「おーい。ベイブ今日も何ぶつぶつ言ってるんだよー。」
ベイブは僕のニックネームだ。意味はまた今度説明する。そんなことより、もう少しで決め台詞だったのに、陽キャめ邪魔しやがって。あ、そうだ僕、太ってたんだった。3アウト
甲子園の球児なら涙を流しながら土を集めるんだろうけど、僕は汗をかきながら机にちらかった消しカスを集めた。
そして、僕はクラスの陽キャから逃げるように教室をでた。僕はいつも何か嫌なことがあるとすぐに屋上に向かう。幸いなことにこの奈良県立輩米高校は屋上が開けられているのだ。
少女漫画か。
いつものようにスマホでお気に入りサイトを見る。そう、小説の投稿サイトだ。この小説サイトが僕の癒しであり、夢を見ることができる世界だ。
「あ!そうだ。今日は『異世界にミンティア持ってたら世界征服』の更新日だった。」
僕はお気に入りの作品の更新を思い出して、食いつくように昼休みの時間の限りを尽くして読み終わった。確かにその様子はまるでベイブだな。そして僕は、スマホに写った自分に向かって呟いた。
「おまえが異世界にいけたらな~」
ここまでがルーティンだ。もう何回目の台詞だろう。考えるのも億劫だ。そろそろ昼休みも終わるし、教室に戻るとしよう。授業はさぼらないよ。だって僕に授業をサボる度胸はないからね。