0.プロローグ
――異世界転生、というのを聞いたことがあるだろうか。
その名の通り人間が現世で死んだ後、何かしら未知の力によって全く別の世界で生まれ変わることを言うのだが……小説なんかの題材にはよく取り上げられても、実感が沸く人なんてこの世にはいないんじゃなかろうか。
……当たり前だ、そんな奴がいたとしたらそいつこそ別世界からの転生者だ。
実際小説なんかでよくこの手の話を読んでいた俺ですら、この世界に転生してくるまではこんなことが実際に起こりうるなんて想像も――
あ、申し遅れました。水元統吾と申します。名前の通り日本人……いや、今は“元”日本人です。
俺が転生することになった原因や、俺が今置かれている現状についてはまたおいおいここで語ることにして、だ。
とにかく俺にとって初めての、というより最初で最後の転生は想像していたよりもずっと変なことの連続だった。まさしく事実は小説よりも奇なり、というやつだ。
話が抽象的過ぎて訳が分からない、もったいぶんなって声が聞こえてきそうだから、そろそろこの辺で俺が今まで目の当たりにしてきたことを……そうだな、転生当初から今までのことを話すことにしよう。
でも、その前にちょっとした忠告というか注意喚起。
この話を聞いたら、多少ならずも色々なイメージが崩れたり落胆したりするかもしれないけど、そこについては責任取れませんのであしからずってことで。
初めまして級にお久しぶりです、羽田ソラです。同人と並行してこっちも再開します。
そんなわけで新連載開始しました。取り敢えずは3日に1回のペースで連載していきます。
初回はプロローグと第一話をお届け、ということでよろしくお願いします。
※連載開始日に北海道で強い地震がありました。皆様ご無事でありますよう。